フジテレビ問題は一つの時代が終わろうとしている象徴だ。

＜経済学者の成田悠輔氏が27日までにX（旧ツイッター）を更新。日本の現況などについて私見をつづった。 

　成田氏は「日本人は去年だけで90万人減り、実質GDP成長はマイナスに突入とIMFが予測」と切り出した。そして「なのにフジテレビとか文春とかクソどうでもいいことでしか盛り上がれない。この国は滅びたがってるのかもしれない」と皮肉交じりに述べた。 

　この投稿に対し「本当にそう」「あきらめです」「50年後に日本ってあるのかな…」「同感です」「確かに今回の件で無茶苦茶に感じます」「深刻な問題提起ですね」「ほんとそれ！」などとさまざまな反響の声が寄せられている。 

　成田氏は2月20日、約3年ぶりとなる著書「22世紀の資本主義　やがてお金は絶滅する」を発売する＞(以上「日刊スポーツ」より引用)

「成田悠輔氏「フジテレビとか文春とかクソどうでもいいことでしか盛り上がれない。この国は…」」とは成田氏独特の話法で世間の関心を集めようとする手法なのだろうか。本気で日本は「フジテレビとか文春とかクソどうでもいいことでしか盛り上がれない」国だとは考えていないだろう。その証拠に成田氏は日本で暮しているし、日本国民相手に本を出版しているからだ。

　経済学者ならたとえGDPがマイナスになろうと、人口が減少しようと、国が亡びることはないと承知しているはずだ。ただ成田氏も立憲党の小川幹事長と同様の「減税よりも税による所得再配分を考えるべきだ」というアホ論理を堂々と主張する低脳だとすれば云うことは何もない。

　だが報じられている記事を読むと成田氏は本気で「人口減＝GDP減」だと考えているようだ。それなら成田氏も経済学者として如何なものかと首を捻らざるを得ない。なぜならGDPは総所得だから、人口減は個人所得が同じままならGDPは減少する。

　しかし経済政策を転換して経済成長政策を行えば人口減であってもGDPは拡大する。それは生産性の向上を果たせば良いだけで、外国人労働移民を禁止して経営者が必死で人手不足を克服するための投資を行えば解決できる。

　成田氏は「フジテレビとか文春とかクソどうでもいいことでしか盛り上がれない。この国は滅びたがってるのかもしれない」と悪態をついているが、社会学者なら「フジテレビとか文春とかクソどうでもいい」事件でこれほど国民が怒り狂っている社会現象を学問しなければならないのではないか。一般国民と一緒になって「「本当にそう」「あきらめです」「50年後に日本ってあるのかな…」「同感です」「確かに今回の件で無茶苦茶に感じます」「深刻な問題提起ですね」「ほんとそれ！」など」さまざまな反響の声にニンマリしているようでは一般大衆と何ら変わらない。

　フジテレビの問題はジャニーズ性加害問題と同根だ、ということに国民の多くは怒っている。それまではオールドメディアが蓋をして、決して表面化しなかったオールドメディア界の「悪しき伝統＝性加害」問題が日の目を見たことに国民大衆は怒り心頭なのだ。

　国民の多くはテレビ画面に映る芸能番組が華やかなのに対して、その画面の映っている「絵」の裏側はベニヤや絵の具で作られた大道具でしかない、という舞台裏が見えてしまい、その落差に気付いたからではないか。テレビ画面の中のタレントは「スッキリ」「さわやか」な笑顔を振りまいているが、実像は女子アナに性加害を加える非常識極まりない性犯罪者でしかなかった、という事実を数十年間もオールドメディアは気にしてなかったことに対する怒りではないか。

　今まさに、一つの時代が終わろうとしている。オールドメディアが世間の情報を一手に仕切っていた時代がネットの普及によって確実に主役の座から引き摺り下ろされている。そうした劇的な社会変化を嗅ぎ取るのが社会学者の真骨頂ではないか。そそしてれは芸能界だけに対するオールドメディアの支配力の低下ではなく、オールドメディアへの支配を通して国民を洗脳していた財務省の「緊縮　増税」こそが正義とする刷り込みが崩れようとしている。なぜなら史上最大の税収を手にしても財務省は「まだ足りない、増税だ」と騒いでいることから国民は「いい加減にしろ」と怒り心頭に達しているからだ。そしてネットを見ると、そこにはザイム真理教に対する批判が溢れている。どっちが本当なのか、国民の多くは疑心暗鬼でオールドメディアとネットを読み比べ、学習している。まさに一つの時代が終わろうとしていることに、社会学者たる成田氏は感動で震えなければならない。