転落する習近平氏の中国。

＜中国の習主席、欧米の資本主義に対抗姿勢－毛沢東生誕130年

◎中国式現代化の全面推進による強国建設と民族復興が「中心的任務」
◎祖国は統一されなければならず、必然的に統一される－習氏中国の習近平国家主席

　中国の習近平国家主席は26日、建国指導者である毛沢東の生誕130年に合わせて演説し、欧米の資本主義モデルとは一線を画す「中国式現代化」の推進を改めて強調した。
　中国共産党の総書記でもある習主席は北京での演説で、「中国式現代化の全面推進による強国建設と民族の復興」が中国と党の「中心的任務」だと言明した。
　習氏は2021年以来自ら掲げる中国式現代化について、「毛沢東ら世代が上の革命家から引き継いだ未完の事業」であり、「当代の中国共産党員の厳然とした歴史的責任」だと訴えた。
　習主席は昨年の共産党大会などでも、米欧システムに代わるものとして中国式現代化に言及した。共産党機関紙・人民日報は中国式現代化に関して、巨大な人口を伴いながら「共同富裕」を実現し、平和的な発展の道を進むなど中国の特色を帯びた現代化だとかつて報じたことがある。
　毛、習両氏を同列に扱う取り組みも強化されている。共産党中央党史・文献研究院は今月の論文で、「毛沢東同志の偉大な功績と崇高な風格」を記憶にとどめるべきだと主張。その上で、「衆望を担う党の核心であり、人民の領袖であり、軍隊の統帥である習近平総書記がいることは党と国家、人民、中華民族にとって幸いだ」と記した。
　習主席は26日の演説で、総統選が来月実施される台湾の問題を巡る立場も改めて表明。「祖国は統一されなければならず、必然的に統一される」とし、中国は「全ての領域で両岸の統合と発展を深め、両岸関係の平和的発展を推進する」必要があると述べた。＞(以上「Bloomberg」より引用)

　習近平氏は自身の経済政策が誤りで、まさに中国経済が崩壊の過程にあることすら理解してないようだ。不動産バブルは不動産取引しなければ価格下落しないし、バブル崩壊もない、と確信しているようだ。金融機関にしても預金者の窓口引き出しを停止すれば、金融不良債権は存在しないのと同じだ、と理解しているようだ。

　だから習近平氏は中国経済が陥っている深刻な信用収縮が理解できない。なぜ「元」の為替相場が下落するのか、下落するのならドルを介さずに海外取引すれば良いではないか、と短絡的に考えているのだろう。だから「元基軸通貨圏」を創れば為替下落もなくなる、と考えているのだろう。

　習近平氏の恐るべき無知蒙昧を彼の側近の誰一人として指摘し是正しようとしない。ついに一般国民まで、習近平氏の素養のなさに気付くようになった。いつの日か、子供の一人が「王様は裸だ」と叫ぶと、国民が一斉に裸の大様を笑いだす、という寓話の一節が中国で展開されるかも知れない。

　しかし、そうなる前に中国民は空腹に耐えかねるだろう。国民の過半数が失業しているが、失業した国民の生存を支える社会福祉政治は殆ど無に等しいからだ。空腹に耐えかねて犯罪を犯しても、彼らを逮捕収監する場所すら満杯で収容しきれなくなるとどうなるか。いや、その前に警察官も給料未配で空腹になっている。決して妄想を書き連ねているのではない。現実に中国で起きていることだ。

　ついに中共政府はスマホにネガティブな書き込みをすると「犯罪」認定して逮捕する、と国民を脅している。「生活が苦しくなった」とか書き込もうなら警察が飛んで来る。「就職がない」と書き込んでもならない。これほど凄まじいまでの言論弾圧を行わなければ習近平体制を維持できないとは。

　しかし習近平氏は毛沢東を超える中国随一の権力者であることを夢見ている。だから毛沢東すら出来なかった台湾統一を「俺」が成し遂げると叫ぶ。根拠なき叫びを上げ続けることで彼の実力のほどが知れることすら、習近平氏は理解不能のようだ。古来より、弱い犬ほどよく吠える、というではないか。

　戦争は経済力に基づく総合戦だ。中国に戦争を起こすほど経済に余力はない。習近平氏が登場する前に「改革開放」で蓄積した経済力を、習近平氏が惜しみもなく使い果たしてしまった。それどころか、朱雲来氏が指摘するように「中国の債務は1京3千兆円ある」なら、「元」が紙屑になるのも時間の問題だ。もはや打つ手はない。経済すべてをガラガラ・ポンして、新政体を樹立するしかない。もちろん現在の版図を維持することも困難で、万里の長城以北を女真族に戻し、広大な西域はウィグル人に戻し、チベットはチベット人に還すしかないだろう。もちろんモンゴルはモンゴル人に還すしかない。そして中国は歴史的に中国人の地とされて来た華南・華中・華北の地域で国家を樹立して再出発するしかない。そうしない限り、中国民は奈落の底へと転落し続けることになる。来年2024年はそうした転落する中国の姿を世界が目にする年になるだろう。