ハマスはテロを断行して無垢の市民を虐殺し二百人以上を拉致・連行した。

＜国連がイスラエルとハマス戦争の休戦を促す決議案を採択した中、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が「民間人死傷者数を全く容認できない水準」とし、現在の状況を「人道主義的災難」と指摘した。 

　２９日（現地時間）、ネパールを訪問中のグテーレス事務総長は、ネパールのプシュパ・カマル・ダハル首相との共同記者会見で、「ハマスが犯した恐ろしい攻撃を糾弾する」とし、「民間人を攻撃し拉致する行為は決して正当化できない」と述べた。 

　さらにグテーレス事務総長は、イスラエルがガザ地区に対する人道主義的休戦の代わりに軍事作戦を強化したことに対しても遺憾を表明した。 また「民間人死傷者数を全く容認できない」とし「戦争の悲劇と恐ろしい経験を通じて始まった国際人道法にともなう義務を尊重しなければならない」と強調した。 

　グテーレス総長は、ガザ地区で２００万人以上の人が生存に必要な食糧・水・避難所・医療などにアクセスが途絶えたまま、絶え間ない爆撃の対象になっていると明らかにした。 また「責任あるすべての主体が崖っぷちから退くことを促す」として「現状況は人道主義的災難」と述べた。 そして、即時的な人道主義的休戦、すべての人質の無条件解放、ガザ地区住民の需要を満たす持続的な救済提供を繰り返し訴えた。 

　これに先立ち、国連加盟国は２７日、緊急総会を開き、イスラエルとハマスに休戦を促す決議案を採択した。 決議案は１２０カ国が賛成票を投じ、米国など１４カ国はハマスのテロ行為を糾弾する内容が含まれていないという理由で反対票を行使し、韓国など２３カ国は棄権した＞(以上「中央日報」より引用)

　国連グテーレス事務総長の言論には驚かされる。彼は「ガザ地区の民間人死傷者数、容認できない水準」だと発言したという。だから「即時停戦だ」と主張する。

　それならロシアのウクライナ侵攻で何人が犠牲になったというのか。プーチンの野望のために、何人のウクライナ人とロシア人が亡くなったと云うのか。それは容認できない水準ではないのか。国連事務総長の認識はどうなっているのだろうか。

　もちろん無垢の市民が死傷するのは忍びない。それはイスラエル人であろうと、アラブ人であろうと変わりない。だからイスラエル政府は今までガザ地区北部の人々に南部へ移るように促してきた。しかしハマスは市民の移動を妨げ、国連の食糧庫に食糧を略奪に集まる市民を抑制しようとしない。

　ハマスはガザ地区を実効支配しているというが、それは暴力団が実効支配しているのと同じだ。ガザ地区を代表しているのはパレスチナで、イスラエルはパレスチナ政権と外交関係を保ち、ガザ地区に電気や水の供給を行って来た。しかしハマスは暴力団として存在意義を示さなければスポンサーのイラン政権から援助を絶たれてはかなわないからイスラエルに大規模テロを仕掛けた。中東の火種は宗教指導者を騙る独裁者や王族を騙る独裁者、それと民主主義を騙る独裁者に遠くから社会主義を騙る独裁者などが利権確保と私欲のために適当に戦乱を維持しているだけだ。だからヒズボラやISISといった様々な暴力団や破落戸集団が各地域を実効支配して、時々テロを実行している。犠牲になるのはいつもアラブ人だが、アラブ人の多くは短絡的な被害妄想から他人種に対して攻撃的だ。しかし彼らを攻撃しているのは様々な意匠を纏った彼らの独裁者たちだと知らなければならない。

　こうした独裁者が群がる利権構造を解消するためにも、先進自由諸国はe-fuelの開発を急ぐべきだ。海上に浮かべた水素製造船で安価な水素を製造し、陸上プラントでCO2と化合してe-fuelを製造して、中東へのオイルマネーの流れを絶たなければならない。

　中東の人々は潤沢なオイルマネーからどれほどの恩恵を受けていると云うのか。オイルマネーに塗れた独裁者たちが世情を不安定にして、政治権力が自分に手から零れ落ちないようにしている。そのためにはアラブ人に独裁者が必要だと思わせ続ける必要がある。だから敵を米国に求めたり、ユダヤ人に求めたりしている。本当の敵は独裁者の心の中にこそ存在している、というのに。

　イランではまたヒジャブを着用してなかった、という理由で16歳の少女が警察官から暴行を受けて死亡した。こんな不条理な慣習を21世紀になっても女性に強要する独裁政権とは一体何だろうか。予言者マホメッドはヒジャブを着用しない女性は撲殺しても良い、と教え諭しているのだろうか。

　イスラム教の宗教指導者が聞いて呆れる。彼こそがイスラム教を冒涜していないか。独裁者として何年間、国民に君臨すれば気が済むのか。独裁者はいかなる意匠を纏おうが、独裁者であることに変わりない。独裁政権の国民が豊かで幸福な暮らしを送っている例を古今東西の人類史で見たことがない。必ず抑圧に満ちた暮らしを恐怖の中で送っている。社会を統制しているのは高度なモラルではなく、常に暴力でしかない。彼らは凶暴な暴力装置を使って、国民を恐怖の呪縛に取り込んでいる。それが独裁政権の正体だ。

　イスラエルが地上軍をガザ地区に侵攻させたという。無垢の市民が死傷するのは忍びないが、ハマスを撲滅するには、この手段しかないだろう。テロが割に合わないことを、すべてのアラブ人に知らしめる必要がある。そして国連は中東の独裁者たちに暴力団を支援してはならない、と制裁決議すべきではないか。