分割民営化した高速道路会計を全国一体にせよ。
＜国土交通省は、高速道路の料金徴収期限を、2065年から50年延長する方針を固めた。
2005年の旧道路公団の民営化に際して掲げた無料化は遠のき、事実上、半永久的に有料となる。1月23日召集の通常国会に、道路整備特別措置法などの改正案を提出する。1月14日、各メディアが報じた。
高速道路は、法律で、借金約40兆円の返済に料金収入をあて、完済後は無料化することが決められている。だが、全国の高速道路は老朽化が深刻で、補強や修繕が必要な場所が増えている。渋滞解消や安全性の向上に向けた新規投資も求められており、利用料を取り続けることで、維持や更新にかかる費用を確保する。
「1956年に施行された道路整備特別措置法により、借金して道路を作り、利用料で返済、返済が終了すれば道路を無料化するという仕組みができました。
この仕組みにより、東名高速、首都高、阪神高速などの都市高速道路、そして、一般有料道路の建設が始まりました。当初は、それぞれの道路ごとに、借金返済が終了すれば無料とする方針でした。
しかし、田中角栄政権下の1972年に全国料金プール制が導入され、高速道路はまとめて計算され、まとめて償還される制度が始まります。高速道路のネットワークは全国に拡大しますが、その一方、各高速道路の無料化は先延ばしとなります。
2005年には、小泉純一郎政権下で日本道路公団が民営化されました。同時に、一般有料道路の一部が高速道路とまとめられることになりました。当時の借金は約40兆円で、2050年までに借金を返済し、無料化すると法律で定められました。
ところが2012年、中央自動車道の笹子トンネルで天井板崩落事故が起き、巨額の維持費を確保する必要があるとして、2014年に返済期限を2065年に延長。今回、さらに50年の延長に踏み切ったのです」（政治担当記者）
高速道路の料金徴収期限が2115年までと、事実上、半永久的となったことで、SNSでは怒りの声が巻き起こった。
《年金の支払い期間45年延長案もそうだが、ゴールを勝手に動かすことは、許されるのか！！ おかしくないか》
《国家レベルの詐欺》
一方で、あきらめにも似た声も多くあがった。
《今生きている人はほとんど無料の恩恵に授かれない》
《無料化実現はドラえもんの誕生（2112年）よりもあとじゃないか…》
《この国、無えかもよ（笑）》
防衛費増額の財源をまかなうため、東日本大震災からの復興にあてる「復興特別所得税」の徴収期間も20年程度延長される予定だ。国民との約束をなし崩し的に延長する岸田政権の姿勢、なんとかならないものか＞(以上「FLASH」より引用)
国家ぐるみの詐欺ではないか。本当にそう思わざるを得ない。なぜなら揮発油税を一般財源にして、財務省が好き勝手に使っていながら、高速道路の無料化の財源にしようともしないからだ。
本来なら揮発油税はすべて道路財源のはずだ。それがフンダンニあるからと云って一般財源化してしまった。もちろん財務相だけで勝手に出来るものでないから、私たちの代表者たる国会議員の賛成多数で決定されたのだろうが。
同様に、高速道路無料化延期法案が国会に提出され、おそらく政権与党の自公国会議員が賛成して、決定するのだろう。高速道路を所管する国交省の大臣は何代にも渡って公明党の議員が就任しているから、公明党と創価学会も高速道路無料化延期に賛成しているのだろう。
道路財源を国交省が手放したのも公明党の国交大臣当時のことだ。こうしたことが民間で行われたなら、詐欺罪に問われ確実に有罪判決が下るだろう。しかし国が行えば詐欺罪に問われることもない。国会議員の見識のなさには呆れるしかない。
揮発油税を道路財源の目的税に戻し、道路の維持・管理に使用した剰余金を高速道路の利用料金引き下げに使うべきだ。日本の高速道路は欧米諸国と比較して余りに高すぎる。高速道路料金が引き下げられれば、首都圏や都市近郊の観光地や温泉地へ家族連れが多く出掛けるだろう。
インバウンドに頼ることはない。インバウンドでは京都など海外に名の知れた観光地に偏る傾向が強いが、高速道路を利用して日本国民が出掛けるなら、地方の活性化に資すること大ではないか。
さらに一言。高速道路の利用料金はプール制になっているのに、高速道路は分割されているのは何故だろうか。それだけ無用な社長や役員が本社ビルに雁首を並べて、仕事らしい仕事もしていないという構図は一掃されるべきではないか。
料金がプール制で全国一律なら、高速道路会社も全国一社で良い。しかも国の重要なインフラなら、国有化で何が不都合なのだろうか。民営化して官僚たちが心置きなく天下れる、ということかも知れないが、国有化して国会で経営方針や企業会計のチェックを行うべきではないか。