テレビは上氏をなぜ排除したのか。

マスクがコロナ感染を予防する効果は低く、医学的なコンセンサスではない
 9月18日、米バイデン大統領はコロナ収束を表明した。9月23日には、米疾病予防管理センター(CDC)が、医療従事者向けのコロナ対応ガイドラインを改定し、大流行地域以外を除き、医療受持者に一律にマスクを義務化する方針を撤廃している。米国では、病院内でさえマスクをしなくなった。

 このあたり、日本とは対照的だ。街中を歩くと、すれ違う人は皆、マスクをしている。筆者は、閉鎖空間以外はマスクを外しているが、周囲の人から白い目で見られることが多い。岸田総理は10月3日の臨時国会冒頭の所信表明演説で、「引き続き、屋外は原則不要」と訴えたが、国民には届いていないようだ。
 なぜ、こうなるのか。それは、多くの国民がマスクは感染予防に有効と考えているからだろう。尾身茂・コロナ対策分科会会長をはじめ、政府の専門家は、ことある毎にマスクの有効性を訴え、着用を呼び掛けてきた。専門家と、医学の素人である岸田総理の発言のどちらの方が、説得力があるかは言うまでもない。

 では、なぜ、世界の人々はマスクをつけないのだろうか。コロナを怖がっていないのだろうか。私は、マスクの予防効果についての定量的な議論の差が原因であると考えている。
 実は、マスクがコロナ感染を予防する効果は低く、かつ医学的なコンセンサスではない。今年2月、韓国のサムスンメディカルセンターの医師たちがコロナに対するマスクの効果を検証したメタ解析を『医療ウイルス学』誌で発表した。
 メタ解析とは、複数の臨床試験をまとめて解析することだ。臨床試験は、特定の集団に介入するため、環境や対象を変えれば、結果が再現されるとは限らない。異なる環境で実施された複数の臨床研究をまとめて解析してはじめて、その結果が一般化できる。臨床医学の世界では、メタ解析の結果は「最高レベルのエビデンス」と評価される。
 では、韓国の研究はどんな結果だったろうか。彼らは新型コロナに加え、同じコロナ属の重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)ウイルスに対するマスクの予防効果を併せて検証した。その際、医療従事者が着用するN95という特殊なマスクと、一般人が着用するサージカルマスクについて、別個に解析した。

 まずは医療従事者がN95マスクを着用した場合の効果だ。報告されている14の臨床研究をまとめると、感染リスクを71%も減らしていた。極めて有効だ。ただ、N95マスクは着用すれば息が苦しくなり、一般人が日常的に着用するのは難しい。
 サージカルマスクはどうか。医療従事者を対象とした12の臨床試験をまとめると31%、一般人を対象とした2つの臨床試験をまとめると22%感染のリスクを減らしていた。しかしながら、両方とも、その差は統計的に有意ではなかった。これは、研究で示された有効性は単なる偶然でも説明が可能で、医学的には効果は証明されていないことを意味する。
 ちなみに、この結果はインフルエンザに対するマスクの有効性を検証したメタ解析の結果とも同じだ。先行研究とも一致し、今回の研究結果は信頼できそうだ。以上の事実は、一般人がマスクをつけた場合の有効性は医学的に証明されておらず、もしあったとしても2割程度ということになる。

 コロナの感染経路はエアロゾルによる空気感染だ。屋外で感染することはまずなく、感染はもっぱら屋内で起こる。この結果は、屋内でマスクを装着しても、効果は限定的ということを意味する。
 だから、マスクは付けるべきでないと、私は主張するつもりはない。ただ、現在の医学的エビデンスに基づけば、嫌がる人に装着を無理強いする必要はないし、マスクを装着していない人が周囲にいても、そこまで気にする必要はないということはできる。
 ワクチン接種や実際の感染による免疫獲得が進んだ現在、大流行の最中は兎も角、現在のような収束期にはマスクの有用性は低いといっていい。だからこそ、冒頭にご紹介したCDCの提言へと繋がった。マスクの着用については、科学的な議論が必要である>(以上「MAG2」より引用)




 まず大きさを認識して頂きたい。武漢肺炎ウィルスは約0.1㎛(マイクロメートル=1/1,000mm)だ。それに対して不織布マスクの穴の大きさは約5㎛だ。つまりウィルスの50倍の大きさで、それは魚を掬うのに魚の50倍の大きさの網目の網を使っているのと同じ理屈だ。
 上 昌広氏(医療ガバナンス研究所理事長)は引用した論評でそうしたことを解説している。実に科学的な説明ではないか。ただマスクの着用に効果があるとすれば、呼吸やお喋りで飛沫が体外へ飛散するのを防ぐだけだ。

 ただ勘違いしてならないのは「コロナの感染経路はエアロゾルによる空気感染」という事実だ。感染した患者を隔離するのが感染拡大を防ぐ有効な手段であることに変わりない。この場合も、マスクは感染拡大を防ぐ手段としては殆ど役に立たない。
 不織布のマスクは毒ガスマスクではない。ウィルスが呼気と共に体内へ入るのを防御する効果は殆どない。しかしマスクを着けたい人は付ければよいが、マスクを着けない人がいても、それほど気にすることはない。

 問題とすべきは上氏は武漢肺炎が社会問題化した当初、テレビ出演して病理解説などをしていたが、ある時期を境にしてテレビ画面から消え去った。それは上氏が「検査と隔離」を感染の蔓延を防ぐ必須の手立てだと主張した頃からではなかったか。
 一日数十万人のPCR検査しか実施しないで、しかも感染患者を自宅待機とする措置では感染症を防げないのは当然だ。しかし、政府はそうした方法が有効であるかのように宣伝した。マスメディアも政府広報に協力して、上氏などのマトモな医療関係者をテレビから排除した。これが世論統制でなくして何だろうか。

 武漢肺炎の国内蔓延はインバウンドを感染予防よりも優先した安倍自公政権の初期対応の大失態だった。そして大量PCR検査を抑制した医療官僚たちが感染拡大を加速させた。そうした検証なくして、次に現れる新感染症に対応できるだろうか。政府の広報機関と化したマスメディアに猛省を促す。

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