プーチン態勢の転覆を口にしたバイデン氏は誤っているのだろうか。

＜ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、両国の代表団による停戦協議が28日にもトルコのイスタンブールで対面式で行われる見通しとなりました。
　トルコ政府によりますとプーチン大統領とエルドアン大統領が27日、電話で会談し、ロシアとウクライナの代表団による停戦協議をイスタンブールで行うことで合意したということです。
　ウクライナの交渉担当者は28日から30日まで対面で行われるとしています。一方、ロシアの代表団の一人は期間について29日から30日としています。
　停戦協議ではウクライナの「中立化」や「非武装化」が大きな焦点となっています。
　ゼレンスキー大統領は27日、ロシアメディアのインタビューで「中立化」をめぐっては第三者による保証と国民投票が必要との考えを示しました。また、ロシアが求める「非武装化」については「拒否している」と述べました。

　このロシアメディアによるインタビューについて、ロシアの規制当局は報道しないよう警告を出しました。ロイター通信によると、理由については明らかにしていないということです。
　一方、アメリカのバイデン大統領は27日、ロシアのプーチン大統領について「この男が権力の座にとどまってはならない」と批判した発言について、体制の転換を求めたものではないと釈明しました。
　バイデン大統領「（Ｑプーチン大統領が排除されてほしいか、ロシアの体制転換を求めたのか）違う」
　ブリンケン国務長官も、「アメリカはロシアにもどの国に対しても、体制の転換を目指すような戦略は持っていない。ロシアの人々次第だ」と強調しています＞(以上「Dmenu news」より引用)

　バイデン氏がロシア・プーチン氏の退陣を望むべく「ロシアは体制転換すべき」と発言したのが欧州各国で波紋を呼んでいるようだ。だが、なぜプーチン氏の退陣を望んだら行けないのだろうか。

　ロシアの「プーチン体制」の転換を望む発言が「良くない」とするのは、内政干渉だから、というのだろうか。しかし隣国に侵略戦争を仕掛けて、非戦闘員に対する無差別爆撃するのは明らかな国際法違反だ。国際法違反の無頼政権に対して退陣を望むのは極めて当たり前のことではないだろうか。

　地球が一つの国家だとしたら、そして200近い各国がそれぞれ民族の「家」だとしたら、家の敷地を広げようとして、隣家に境界の柵を越えて鉄砲を撃って隣家の住民を殺害したなら、直ちに治安維持のために警官が出動して殺害犯人を逮捕するだろう。それとプーチン氏の退陣をバイデン氏が望む発言をするのと、何処が異なるというのだろうか。

　国家が内政干渉を受けない、というのは国際社会の「公序良俗」に反しない限りにおいて場合でだ。国際法という国際的な取り決めに反したならば、その政権なり政治体制は国際的な裁きを受けるべきだ。そうした考えで、中共政府のウクライナ人に対するジェノサイドが制裁対象とされているのではないだろうか。

　非戦闘員であれプレスであれ、誰彼構わず攻撃するのは重大な犯罪だ。戦争は「殺し合い」だから、そこにはルールなどない、というのは誤りだ。ブーン氏が行っているのは悪魔の所業だ。彼には然るべき裁きと罰が与えられるべきだ。

　この残酷な侵略戦争を終わらせるために、戦争を始めたプーチン氏の「独裁政治体制の転覆を望む」と口にすることは非難されるべきではない。むしろプーチン氏をそこまで増長させた欧州諸国のこれまでの対応の方こそ批判されるべきだ。なぜチェチェン紛争の時に、欧州諸国は厳しくプーチン批判をしなかったのか。なぜジョージア紛争の時にプーチン氏に対する断固たる経済制裁を実施しなかったのだろうか。

　政治が「経済」主導となって久しい。現代の政治家の多くは経済界の「番頭さん」程度のレベルでしかない。いや、むしろ率先して経済界の利益を図ることを旨とする怪しげな政治家が登場している。政治が政治家の金儲けの道具と化している実情は危険だ。

　政治だけではない、五輪も金儲けの道具と化している。長く独りの人間が権力を掌握し続けると、必ずその権力は腐敗する。プーチン氏は20年間もロシアの政治権力を掌握してきた。彼の政権は当初とは大きく異なり、激しく腐敗している。それを正すべきマスメディアまで政権の宣伝機関に堕している。もはやプーチン独裁体制を転覆する以外にロシアを正すことは不可能だ。記事によると「ブリンケン国務長官も、「アメリカはロシアにもどの国に対しても、体制の転換を目指すような戦略は持っていない。ロシアの人々次第だ」と強調」したというが、洗脳されたロシア国民にプーチン氏の転覆を願うなど論外だ。それなら、なぜ米国は継戦能力を喪失した戦争末期の日本に二度まで原爆を投下したのか。内政干渉を排すべきは「公序良俗」に反しない場合、という限定条件付きだということを忘れてはならない。