歌手殺害のタリバンは狂気の沙汰だが、CO2温暖化騒動を演じている欧米も同じタブーごっこを演じている。

＜タリバンがアフガニスタンの有名な歌手を殺害したと元内務大臣が語った。 歌手のファワド・アンダラビは、彼が住む渓谷の家から連れ出され、銃殺されたという。

「イスラム教では音楽は禁じられている」とタリバンの報道官が述べた数日後のことだった。 タリバンは、アフガニスタンの公共の場で音楽を演奏することを禁止すると報道官が発言した数日後に、アフガニスタンの人気歌手を殺害したと元大臣が発表した。 アフガニスタンのアシュラフ・ガニ（Ashraf Ghani）前大統領の下で内務大臣を務めたマスード・アンダラビ（Masoud Andarabi）は、歌手のファワード・アンダラビ（Fawad Andarabi）が8月28日に「残酷に殺された」とツイッターに投稿した。 LBCニュースによると、彼はパンジシール渓谷に近いアンダラブの村の家から引きずり出され、射殺されたという。 「今日、彼らは渓谷とそこに住む人々に喜びをもたらしていた歌手、ファワド・アンダラビを残酷に殺した」とマスード・アンダラビは歌手が演奏して歌っている動画を添えて投稿した。 タリバンの残虐行為はアンダラブでも続いている。 今日、彼らはこの谷とその人々に喜びをもたらしていた歌手、ファワド・アンダラビを残酷に殺した。 彼がここで歌ったように、「私たちの美しい谷…。私たちの祖先の土地…」はタリバンの残忍さに屈服しない。 タリバンの報道官は、8月25日付のニューヨーク・タイムズのインタビューの中で、「音楽はイスラム教では禁じられている」と述べている。 新政府の文化大臣の候補と見られているザビフラ・ムジャヒド（Zabihullah Mujahid）は、タリバンが音楽を演奏しないように「人々を説得」することを望んでいると同紙に語っている。

　ガーディアンによると、タリバンは以前に支配していた時、一部の宗教的な歌を除き、すべての音楽を禁止していた。カセットテープは破壊され、楽器は禁止され、飼育されている鳥の鳴き声も違法とされたと同紙は伝えている。 タリバンが取り締まろうとしているのは、音楽だけではない。India Todayによると、テレビやラジオから流れる女性の声も非合法化されてようとしているという＞(以上「Business Insider」より引用)

　これを「狂気の沙汰」といわずして、なんと表現すれば良いだろうか。記事によると「タリバンがアフガニスタンの有名な歌手を殺害したと元内務大臣が語った。 歌手のファワド・アンダラビは、彼が住む渓谷の家から連れ出され、銃殺された」という。

　同様なことは中共政府下の中国でも起きている。さすがに銃殺はしていないが、有名な女優が次々と旧悪を暴かれて、莫大な「罰金」と「税金」を徴収され、芸能界から完全に干されている。タリバンと中共政府に共通なのは「自分たちより人気のある者の存在を許さない」という点だ。

　タリバンと中共の共通点は「一神教」という点だ。しかも他宗教を邪宗として徹底的に排除する。タリバンはいわずと知れたイスラム教だが、中共は習近平教だ。中国に於いて彼よりも影響力のある者の存在を許さない、という点ではイスラム教と同様の「一神教」だ。

　イスラム教が音楽を禁じている、とは初耳だが、コーランを唱える声は音楽といえなくもない。しかし調べてみると「イスラム教の古典教義は楽器演奏や歌を禁じている」とものの本にある。だからファワド・アンダラビ氏の殺害が正当化されるとは思えない。

　「タリバンは以前に支配していた時、一部の宗教的な歌を除き、すべての音楽を禁止していた。カセットテープは破壊され、楽器は禁止され、飼育されている鳥の鳴き声も違法とされた。 タリバンが取り締まろうとしているのは、音楽だけではない。India Todayによると、テレビやラジオから流れる女性の声も非合法化されてようとしているという」から、まさに狂気の沙汰だ。

　タリバンの価値観は現代の国際社会通念に照らし合わせれば異端だ。男女差別をなくそうとしている国際機関はタリバンに抗議しないのだろうか。世界中の声楽家や音楽関係者は抗議しないのだろうか。

　しかし欧米社会ですら「CO2地球温暖化」という集団ヒステリーに見舞われて、内燃機関を動力とする自動車を使用禁止にする、という愚行を断行している。タリバンも欧米も五十歩百歩というところだろうか。

　だが、少なくとも内燃機関の自動車に乗っている人を欧米政府は射殺しないだろう。そこは根本的に異なるところだが、人が何らかの「忌避(タブー)」を設けて、タブーごっこで遊ぶのは古今東西変わらぬヒトの性癖なのだろうか。