オリンピック開催こそが悪い冗談だ。

＜塩野義製薬が鼻に吹き入れる新型コロナウイルスワクチンの研究をスタートします。

　大手製薬会社の塩野義製薬が研究を始めたのは、鼻の中に吹き入れて投与するワクチンで、感染経路となる鼻やのどの粘膜だけでなく、全身に免疫をつけることが期待できるということです。 従来のワクチンと違って、注射を打つ技術が不要で、医療環境が整っていない場所でも使いやすいというメリットがあります。 薬の成分を鼻の粘膜に届ける技術は、東京大学などから生まれたベンチャー企業「ハナバックス」のもので、塩野義製薬はライ センス契約を結ぶことで全世界での独占的な開発・販売権などを取得しました。

　 塩野義製薬では、注射で投与する国産ワクチンの開発も進めていて、最大年間6000万人分の生産体制を整え、東南アジアなどで最終段階の大規模な治験を検討しています＞(以上「関西テレビ」より引用)

　統計にはマジックがある。武漢肺炎の新規感染患者数で、日本は先進諸国の何処と比較しても圧倒的に少ない。桁数で一つないし二つは少ないので「日本は感染症対策が出来ている」と政府や厚労省は自慢したいようだ。

　実際にNHKのホームページを見ると「人口10万人当たり感染者数の国際比較」というのがあって、日本が他の国と比してどれほど感染拡大を抑え込んでいるかと公報している。しかしチョット考えて頂きたい。ワシントンポストが「日本の感染患者は政府が恣意的に操作しているのではないか」と指摘していたことを思い出して頂きたい。

　NHKの国際比較の数字が「恣意的な操作」により検査を抑制した結果としての感染患者数を基にして、10万人当たりの感染患者数を弾いているとしたら、それは恣意的な数字でしかない。

　ちなみに検査数と陽性患者数が判明している昨日の東京都の数字を提示してみるとどうなるか。昨日(7/22)東京都が発表した検査人数は8,206人で陽性患者数は1,979人だった。それを「人口10万人当たり感染患者数」ということに置き換えてみたら感染患者数は24,116人となる。とてもニューヨークやロンドンの一日当たり新規感染患者数を笑えない数字だ。

　いや日本の場合は「陽性の疑いのある者を検査」しているから陽性患者数が多いだけだ、という反論が聞こえてきそうだが、それなら検査数を拡大してランダムに一日二百万人規模の検査を実施すべきではないか。そうすれば信頼できる科学的な統計数字が取れるだろう。

　そうした努力を怠って、実に好い加減な「今日の感染患者」数字を一年半以上もテレビやマスメディアは報じ続けている。少しは科学的な統計数字にしようと思わないのだろうか。

　本日、菅氏はファイザー社のCEOを迎賓館に招いて、日本に提供する予定のワクチンを一日も早く頂きたいと懇願したようだ。なぜ一国の総理大臣が一外国企業のCEOに懇願するなどという、みっともないことをするのだろうか。日本政府・厚労省は正式なワクチン購入契約書をファイザー社と締結していないのだろうか。標準的な契約書を交わしているなら、その契約書には数量はもとより納入日までキチンと明示されているはずだ。ファイザー社のCEOとは契約を締結した厚労省の担当課長あたりが「納期を守ってネ」と電話すれば済む話ではないのか。

　もしかすると菅氏が会って懇願しなければならないような契約内容になっているのか、あるいは契約書に書かれている納入日実を前倒しして納品するように懇願したのか。一国の総理ともあろう者が一外国企業のCEOを迎賓館に招いて頭を下げる話ではないだろう。

　菅氏はなぜ国内製薬会社に赴いて「一日も早い実用化を」と懇願しないのだろうか。日本はいつまで外国のワクチンを他の後進国と争って手に入れなければならないのだろうか。

　日本の立場は後進国とワクチンを争っていてはならない。日本国内の製薬会社が開発した「安全」にして「効果」のあるワクチンを後進各国に提供し援助する立場であるべきではないか。新規感染患者数の発表にしても、彼らが感染した経路すら分からない状態で、どのようにして感染拡大を防ぐつもりだろうか。

　都知事の小池氏は「四連休だし、夏休みが始まったし、オリンピックもあるが、家にいて頂戴ネ」と悪い冗談のようなコメントしていた。この「熱中症の危険があるため外出は控えましょう」と気象庁が呼び掛ける時期にオリンピックを開催するなど、日本のなにもかもが悪い冗談のようだ。

　安倍氏はブエノスアイレスのオリンピック招致の演説で「東京の夏は温暖でスポーツをするのに適している」等々と嘘八百を並べたが、オリンピック準備の段階から演出関係者が何人辞職しただろうか。ここ数日間のことだげはない、もっと前の段階で野村萬斎氏や宮本亜門氏などがオリンピックの演出を辞退されている。オリンピックそのものが悪い冗談としか思えない。