疑似餌で国民を釣り、好きに料理する安倍官邸政治。

��政府は24日、「人づくり革命」に関する提言を自民、公明両党から受け取り、12月に策定する2兆円規模の政策パッケージの最終調整に入った。0~2歳児と大学生は住民税非課税世帯に絞って支援する一方、認可保育所に通う3~5歳児は原則全世帯を無償化する方向となった。一方で、公明党が主張する私立高校授業料の無償化は財源が見通せない。

 自民党の岸田文雄政調会長と公明党の石田祝稔政調会長は24日、それぞれ官邸を訪れ、安倍晋三首相に提言を手渡した>(以上「共同通信」より引用)


 具体的な政策があって安倍氏は選挙で幼児無償化や高等学校無償化を掲げたわけではなかった。その証拠に、今になって幼児無償化は最高額2万5700円までの補助金だ、という具体的な政策を提示してきた。

 高等学校に関しては私立高校の授業料無償化には財源が見通せない、と自公の政調会長が官邸を訪れて安倍氏に提言を手渡ししている。つまり安倍氏が高等教育までの無償化を選挙に際して国民に訴えたが、それは具体的な制度にまで突っ込んで議論を経たものではなく、消費増税10%の飴玉として国民の前に提示しただけの話だ。


 さらに、選挙で大勝した今になって大増税案が次々と出てきた。あれほど海外大名行列好きで政府専用機で地球を何周もして漫遊したくせに、国民には出国税を支払えという。すべてに関して自由化を掲げるグローバル化を提唱する安倍自公政権の政治姿勢とは真逆のものではないか。

 安倍氏は国家の未来に対する投資(子供対する投資)には消費増税の一部を充当する、という財源ありきだが、ポンコツ兵器を米国から大量購入するには国会審議も防衛庁内の議論もすべてないままに、安倍氏が単独でトランプ氏に快諾している。これでは安倍氏以外のすべての国会議員は無視され、いよいよ立憲主義は形骸化したといわざるを得ない。


 本末転倒とはこのことだろう。国家の未来への投資は財源があろうがなかろうが、しいていえば日本の未来が財源だが、投資しなければ世界から取り残されるだけだ。その反対に防衛予算は日本の専守防衛の軍備の在り方を総合的に防衛省で戦略的に検討した上で国民の主権を委ねられた国会議員の慎重審議を経て決めるべきものだ。

 安倍氏は山口県四区の有権者の圧倒的支持を得て当選したようだが、それでも彼に投じられた「委託」票は10万票余りに過ぎない。全国民の支持を得たと勘違いしているのは国会で首班指名を得ただけであって、自公国会議員が彼を議院内閣制の制度に則って総理大臣に選出しただけだ。彼は国会と国民に対して責任を負っているのであって、官邸ですべて政治が完結しているわけではない。


 頭の悪い安倍晋三氏には理解出来ないようだが、官邸政治が取り巻きたちによる「忖度」政治を誘発し、官僚たちにも安倍氏に取り入れば例えば国税庁などへ出世ができると勘違いさせる結果を招く。それは政治を中世的な密室へ逆行させるだけでしかない。

 自公与党議員の責任たるや大だ。彼らが安倍氏のような独裁政権を五年以上も存続させている元凶だ。その間、国民の格差は拡大し貧困化している。ただ権力者におもねた者だけが優遇される、という現実を目の前に見ている。いや、官邸内では国民が目にしている以上の利権漁りの宴が繰り広げられているだろう。


 いつまで国民は疑似餌に釣られるのだろうか。これほど日本国民は知能が劣化したのだろうか。「国難突破」といわれれば子供騙しのJアラートに驚いて北朝鮮が9月か10月か11月に暴発するとでも思って恐怖に駆られたのだろうか。

 弱い犬ほど良く吠える、という。金正恩氏もトランプ氏も政権基盤が極めて脆弱だ。吠え続けるしか政権維持できない、という実態を日本国民は知って、安倍氏が叫ぶ「北朝鮮の脅威」は米国本土への脅威が増していることだと現実を良く知ることだ。そしてネトウヨや似非・軍事評論家モドキが北の暴発や米国の先制攻撃の「危機」を煽り立てる愚を冷静に批判すべきだ。


 一体いつの間に、日本国民はそうした戦略すら看破できない薄っぺらな「情弱」国民になり下がったのだろうか。いよいよ子供たちに対する「未来への投資」を本格的に実施しなければ、日本は後進国に成り下がりかねない所まで来ているようだ。



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