欧州諸国の対ロ制裁の輪に日本は加わるべきだ。
OHCHRは新たな報告書の中で「重大な人権侵害」の例として「恣意（しい）的な逮捕や身柄拘束、強制失踪、虐待や拷問、また少なくとも1件の裁判なしの死刑」を記録したと述べている。
OHCHRは報告書でロシアに対し、占領国としての義務を果たし、ロシアの治安部隊やクリミアの自衛組織のメンバーが関与したとみられる拷問、誘拐、殺害のすべてについて捜査するよう要求した。これらに関し、ゼイド・ラアド・アル・フセイン（Zeid Ra'ad Al Hussein）国連人権高等弁務官は声明で、直ちに説明責任と被害者の救済が求められると述べた。
報告書によると、これまでに収監されたうち数百人が違法にクリミアからロシアの刑務所に移送され、少なくとも3人が拘束中に適切な医療を受けられず死亡した。
報告書ではさらに、ロシア政府がウクライナ法に代えてロシア法を適用し、市民にロシア国籍の取得を強制していると非難している。公務員はウクライナ国籍を放棄しなければ解雇され、ロシア国籍を取得しないクリミア住民は地元で実質的に外国人として扱われ、「農地の保有や選挙の投票・立候補、宗教団体への登録、集会の開催や公職に就くことができず」、車の登録さえできない状態だという。さらにウクライナ語による教育はほとんど消滅しているとしている。
OHCHRの調査官はクリミアに入ることを許されていないため、報告はウクライナ本土で行われたインタビューに基づく＞(以上「時事通信」より引用)
ロシアの本性は上記記事にある通りだ。クリミア半島を併合したというが、実態は併合ではなく侵略だ。併合というならかつて日本が朝鮮半島にしたようでなければならない。
日本は朝鮮半島を併合後には朝鮮人を日本人と同等以上に遇した。そのため、半島全域にほとんど皆無だった医療施設や教育施設を建設し、教育手段としてハングルを採用した。
クリミア半島ではタタール人の文化を根底から否定するウクライナ語の使用を禁じ、ウクライナ語の教育を禁じ、タタール人を実質外国人として扱うという「ロシア化」を強硬に推進しているようだ。
それがロシアのやり方だ。プーチンの正体だということを日本国民は知るべきだ。クリミア半島を手に入れるためにロシア人はほぼ2世紀にわたってロシア人の入植を強要し、ついにロシア人の人口が六割に達した時点で「帰属を決める住民投票」を実施して、クリミア半島の帰属を「民主的」にロシアに決めさせた。
北方領土は終戦直後のドサクサ紛れに進駐したロシアに占領され、現地に暮らしていた1万5千人の日本国民は北方領土から強制退去させられた。それがロシア支配の始まりだ。
安倍氏は何か勘違いしているか、それとも騙されて「プーチンと仲良くしたら北方領土が返還される」と思い込まされているのだろうか。そうだとしたら大バカ者だ。ロシアがその程度のことで北方領土という極東最前線の「軍事基地」を返還するはずがない。
米国ですら、日本の独立がサンフランシスコ条約で果たされたのちも沖縄の施政権を容易に返還しようとはしなかった。そして返還後も「日米地位協定」という治外法権を維持させて、日本の国土全域に米軍基地を維持している。
ロシアがクリミア半島をウクライナに返還するとは思えないが、侵略ではなく「併合」だと主張するなら少なくともかつての日本の朝鮮半島の併合を習うべきだ。当時の日本は日本に対する悪意に満ちた国際連盟ですら「人権」を問題にすることはなかった。
北方領土に関して日ロ共同開発を持ち掛けられているようだが、決して乗ってはならない。北方領土の開発にロシアが手間取ろうが、北方領土に暮らすロシア人が困窮しようが、断じて手を差し伸べてはならない。
日本が善意の手を差し伸べたところでロシア政府は「してやったり」とほくそ笑むだけだ。かつてムネンハウスを建てたりした愚かな政治家やその手先となって働いた外交官がいたが、北方領土が1ミリでも日本に近づき返還の機運が醸成されただろうか。結果は逆に北方領土開発をロシア政府は強めると虚勢を張っている。日本政府は「ご勝手に」と放置すれば良いだけだ。失敗するのは目に見えているからだ。
ロシアを信用してはならない。日本政府は欧州諸国と一緒になってロシア制裁の輪に加わり、ロシアが瓦解するまで経済制裁を強めることだ。プーチンが大きな顔をしているほど、ロシアは大国ではない。経済規模では韓国並みに過ぎない。
民生産業も大したものはなくただ軍需産業と宇宙産業が突出しているだけだ。そうしたイビツな国を日本は恐れてはならない。断固とした態度で北方領土返還を強硬に主張していれば良い。安倍氏の対ロ外交も根底から間違っている。外交は「モリ、カケ」友達感覚で成就するほど甘いものではない。