政治理念という背骨のない政治家たちの議論は個別的で魅力はゼロだ。

��民進党の代表選挙に立候補している前原元外相と枝野元官房長官は24日、愛媛県で討論会に臨んだ。法人税について両候補の意見が真っ向から対立する形となった。

 枝野元官房長官「法人税率を上げるということ。もちろん中小零細企業には配慮して、もうかっている所にはちゃんと払っていただく」

 前原元外相「それはそんな簡単な議論では、私はないと思います。世界は法人税は下げる方向でみんなが見直している。法人税を上げることになると、むしろ企業のクビを絞めてしまう可能性がある」

 枝野氏が「法人税を上げる方向を明確にすべき」と主張したのに対し、前原氏はアベノミクスによって企業が利益をためこんでいる状況にあると指摘しつつも、法人税を上げると「大変な状況になってしまう」として慎重な姿勢を示した。

 また、24日の訪問先である愛媛県に関連し、両候補は、今治市の加計学園獣医学部新設の問題について言及し、大学を誘致したいという地元の思いには理解を示す一方で、選定過程については今後も厳しく追及していく考えを強調した>(以上「日テレNEWS24」より引用)

 法人税を上げると「大変なことになる」と前原氏は指摘したが、いったいどういう事態を指しているのだろうか。かつて高度経済成長期の日本の法人税は37%を超えていた。しかし大変な事態にはなっていなかったし、高度経済成長するための投資の源となる資金力は削がれていなかった。
 その代わり、当時は法人に対しては様々な「租税特別措置」という減税の仕組みが用意されていた。たとえば研究・開発減税とか、特別減価償却とか、技術投資減税とか等々だ。つまり減税という飴を用いた政策により企業を誘導していた。

 現在の安倍自公政権は無策に近い法人減税を行って内部留保を溜め込ませているだけだ。そのため企業の労働分配率は低下し、企業の社会貢献も低下したままだ。内部留保がたまったから社会に還元する「社会貢献」活動を展開手する企業が一体何社あるというのだろうか。
 だから法人税は高くても一向に構わない。法人税は経費を差っ引いた「利益」にかかる税だから、赤字企業にとっては関係ない税金だ。そこが所得税と根本的に異なるところだ。

 前原氏の「法人の内部留保がたまったのはアベノミクスの効果だ」という認識も全く的外れだ。これほどの経済音痴が政治家であって良いのかと愕然とする。
 企業の内部留保が最大化しているのは労働分配率の低下が最大の要因だ。派遣などの非正規労働者を大量雇用して賃金を抑制しているからに他ならない。それにより実質労働賃金が一向に改善されず、貧困労働者が拡大し続けている。日本国民の貧困化は限界をすでに超えている、という現実を野党のトップを狙う政治家たちは知らないのだろうか。

 労働貴族の安定した身分保障に安住して闘争しなくなった労働組合「連合」は存在意義を失っている。しかし「連合」票と組織力が手放せないため、民進党は「連合」と一緒になって「貴族化」している。つまり地位に安住して働かなくなった。
 政治家が働くとは政策を立案し、それを実現させることだ。政策を立案するためにはバカであってはならない。政治理念を堅持して、理念を実現するために日本のあらゆる仕組みを構築する「構想力」を持たなければならない。

 安倍自公政権の政治理念の骨格は間違いなく「グローバル化」だし、透けて見える哲学は「友達優先」のために国会軽視と官邸政治の優先だ。
 そうした安倍自公政権の欠陥を付かない野党を国民は必要としない。国民が必要とする野党は立憲主義に基づく「国民の生活が第一」の政治だ。そうした政治の基本原理を争う議論が一向に見られない代表討論会というのは無意味な素人以下のダシモノでしかない。


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