南スーダンの「駆け付け警護」は決して安全ではない。

<南スーダンの首都ジュバでは、ことし7月に政府軍と反政府勢力の戦闘が再燃し、避難民を保護する施設や国連の施設が襲撃されて市民を含む多数の死傷者がでました。

これを受けて、国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長は、PKO部隊の指揮命令系統が不適切だったことや市民を守ろうとしない対応が被害につながったと指摘し、現地の国連の部隊を指揮するケニア人の司令官を解任することを決めました。

これに対して、司令官の出身国のケニア政府は2日、声明を出し、「南スーダンのPKOが構造的な機能不全に陥っているにもかかわらず、特定の一個人に責任を押しつけようとしている」などとして強く反発しました。そのうえで、およそ1000人のケニア軍部隊を南スーダンから引き揚げ、今後は南スーダンの和平協議の仲介も行わないと表明しました。

南スーダンのPKOには日本の陸上自衛隊の部隊を含むおよそ1万3000人が参加していますが、南スーダンの平和維持や和平協議に深く関わってきた隣国ケニアが混乱する南スーダンから手を引く事態になれば、PKOの活動に影響を及ぼすおそれもあります>(以上「NHKウェッブ」より引用)

 南スーダンは政府軍と反政府軍とが入り混じって戦闘を繰り広げている。そこで国連機関の入っているビルに反政府軍が乱入した際に国連PKO軍が駆けつけなかったとしてケニヤの司令官が批判された。
 それに対して司令官は反発して1000人ものケニヤ軍の撤退を表明した。PKO軍12000人の一割にあたる軍の撤退は国連PKO機関の警護に大きな懸念を抱かせる。そこに日本から自衛隊の「駆け付け警護」の任務を負わされた部隊が派遣される。彼らが到着早々に戦闘に直面するのは火を見るよりも明らかだ。

 日本は国連にどれほどの責任を負わなければならないのだろうか。国連負担金では米国に次いで多く支払っているが、安保理では「戦勝」五ヶ国が大きな顔をして「拒否権」という特権に胡坐をかいている。
 国連に日本は貢献しているが、国連は日本に何をしてくれただろうか。国連機関のユネスコはいたずらに南京大虐殺や慰安婦などを「記憶遺産」として承認している。そうしたデマゴーグは採用しているが、北朝鮮の核開発には反対表明し経済制裁を課している。しかし安保理の常任理事国の核兵器に関しては「経済制裁」どころか、非難決議もしていない。

 こうした国連のあり方に疑義を提起しないで、国連のPKOなら諸手を挙げて賛成し、戦闘に自衛隊が巻き込まれる可能性の高い「駆け付け警護」に派遣するという。
 なぜホドホドの付き合いが出来ないのだろうか。国連は全幅の信頼を寄せるに足りる国際機関なのだろうか。とてもそうは思えない。

 一方を「悪」と決めつけ、他方を「善」と決めつける根拠が国連にあるというのだろうか。日本は憲法の規定で「国際紛争に武力の行使を用いない」としている。
 国家を転覆させたり、国民を虐殺するのは「悪」だから国連が乗り出す、というのなら、なぜ中共軍が国民党軍に戦争を仕掛けているときに国連は国民党軍を支援しなかったのだろうか。当時の国民党は中国を代表する政府して国連に加盟していた。

 この欺瞞に満ちた国際社会に「国連絶対主義」を掲げて自衛隊を戦闘地域へ派遣する安倍自公政権の危うさを日本のマスメディアがスルーしているのはなぜだろうか。それとも危険を察知するセンサーまでも腐り切ったということなのだろうか。


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