「デフレ下の消費増税は誤り」は経済原則では常識だ。

<昨日(編注:5/14付)の日本経済新聞に、「消費増税再び延期 首相、サミット後に表明 地震・景気に配慮」という記事が掲載されました。
 ポイントを幾つか取り上げると、まずは「消費増税再び延期」 の具体的な中身です。一年延期か、数年延期か、あるいは「凍結」「減税」にまで踏み込めるか。ただの「延期」では、現在の停滞状況が続くことになってしまい、消費が回復することはないでしょう。結局、我々日本国民は、「将来的に消費税が増税される」という予想の下では、消費を拡大することはなく、むしろ「増税に備えて」預金を増やすのです。(無論、増税直前の駆け込み消費「のみ」はあるのですが)

実際、2014年の消費税増税後、日本国民の消費性向(所得から消費に回す割合)は、75%から72%に下がりました。増税で実質賃金を引き下げられ、かつ「将来、またもや増税」という話では、国民が預金の割合を増やすのも無理もありません。
 現在の日本経済は、消費税の増税延期ではなく「減税」最低でも「凍結」が必要な状況です。何しろ、消費税率を5%に戻したとして、それでようやく2013年度と同じ環境になったという話に過ぎません。

 また、安倍総理が消費税増税を再び見送った場合、完璧な公約違反になります。当然ながら、総理は説明責任を果たさなければなりませんが、「2014年度の消費増税が失敗であった」ことを、明確に認めることができるかどうかがポイントになります。「デフレ下の消費税増税は間違い」を政府が認め、国民に共有されない限り、結局は将来的に「また増税」という話になってしまい、我が国の経済低迷は継続することになります>(以上「三橋貴明氏の論文」より引用)

 きわめて当たり前のことを極めて明快に理論展開している三橋貴明氏の各種コメントはネットの世界では既に高い地位を占めている。ただ地上波などのマスメディアにほとんど露出されないため、一般国民の間では未だ広く認識されているとは言い難いのが残念だ。
 しかし三橋氏の論理展開に奇をてらっちたところは何もなく、むしろ経済学の入門書「経済原論」程度の分かりやすい論理を駆使し、根拠となる数字もすべて官公庁が公表しているものを使用するなど、極めて公正な経済論評だ。

 日銀短観などの企業経営者の「景況感」などという曖昧な数字をさも根拠があるかのごとく発表しているのとは大違いだ。もちろん財務官僚も三橋氏の論理展開に異を唱えることは出来ない。なぜなら彼が根拠としている数字を覆すことができないからだ。だから徹底して無視しいる。
 安倍氏も三橋氏のきわめて当たり前の提言を無視するのだろうか。政治家は己の名誉よりも己の良心に忠実でなければならない。彼が良心に忠実な政治家なら「消費増税は誤りであった」と認めることを屈辱的だと捉えるのではなく、国民に塗炭の苦しみを与えてしまった、と自らの拙速な政策判断を国民に詫びるべきだ。

 マスメディア各社もコメンテータを選ぶ際には政権べったりの御用評論家ばかりでなく、三橋氏のような当たり前のことを「当たり前」に発言する評論家を登用すべきだ。
 政権に対する批判精神を忘れたマスメディアなどに存在意義がないことは戦前の史実を改めて引っ張り出す必要もないだろう。きわめて当然なことを極めい「当然」に実施できるマスメディアであって欲しいものだ。


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