中共政府がイケダカな対応をやめない限り、日本が中国に歩み寄ることはない。

<岸田氏と向き合った李氏に笑顔はなく、直前に会談した中国外交を統括する楊潔篪(ヤンチエチー)国務委員(副首相級)も冒頭、「中日関係は依然として非常に脆弱(ぜいじゃく)で複雑」と指摘。王氏は「中日関係は絶えずぎくしゃくし、谷間に陥っている。原因は日本側がよく分かっているはずだ」と批判した。中国外務省によると、王氏は関係改善のための対中認識として「日本は対抗心を捨て、中国とともに地域の平和と安定の維持に努力すべきだ」など4点を要求した。

 これに対し、岸田氏は「関係改善のためには日中双方の努力が必要だ」と述べ、両国に責任があるとの考えを示した。中国が南シナ海や東シナ海で海洋進出の動きを強めている現状についても取り上げ、「突っ込んだ意見交換をした」と記者団に述べた。

 日本政府が中国との関係改善を目指すのは、特に核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応で、中国との連携が欠かせないとの考えからだ。岸田氏は、北朝鮮問題で「緊密に連携をしていくことで一致できたことは有意義だった」と記者団に語った。

 一方、中国側にも今年予定されている日中韓首脳会談や、9月に中国・杭州で行われる主要20カ国・地域(G20)首脳会議を控え、対立を避けたい考えがある。また、失速気味の経済を立て直すため、日本からの投資を呼び込みたいとの事情もある。李氏も「もう一度正常な軌道に戻れるよう共に取り組んでいく」と述べ、関係改善には中国側の取り組みも必要との認識を示した。

 ただ、中国側にはまずは日本側が歩み寄りの姿勢を示す時だという思いが強い。習政権は海洋権益を「核心的利益」と位置づけているだけに、中国外務省幹部は「日本が南シナ海のことを言えば言うほど、(日本と)テーブルにつけなくなる」と話す>(以上「朝日新聞」より引用)

 北朝鮮の脅威は日本だけに向けられたものではない。当然、ミサイルや核開発を続ける北朝鮮の脅威を中国も感じているはずだ。しかも現在の北朝鮮の核開発とミサイル開発に最も援助してきたのは中国だ。
 いわば鬼っ子を育てた責任は中国にある。中国には北朝鮮の中国人脈を通して北朝鮮をコントロールして来たし、今後もコントロールできると考えていたようだが、若い金氏は中国との関係を絶つように叔父を処刑してしまった。地続きの北朝鮮は中国東北地方内に大勢いる朝鮮族との関係から、無視できない鬼っ子という困った存在になっている。

 中国は経済崩壊の段階に到っている。今でも脆弱で少ない社会保障も今後は滞りがちになって来ざるを得ない。国営企業や集団農場に社会保障の役目を負わせていた制度はすでに崩壊し、国家が引き受けざるを得なくなっている。
 中国経済の立て直しに日本からの投資が必要だと考える中国政府は日本に投資を促しているようだが、日本の二倍以上と巨大になったGDPの崩壊を止めるには日本からの投資だけでは焼け石に水だ。

 中国は金融バブル崩壊から不動産バブル崩壊を経て、今は供給バブル崩壊の段階に到っている。金融バブルや不動産バブルの崩壊は投資した人たちが損害を被るだけだったが、供給バブル崩壊では数千万人もの失業者が都会や田舎にあふれることになる。最終的には2億人といわれる農民工に及び、政権の存続を脅かす政情不安を招くのは時間の問題だ。
 社会保障制度の未発達な社会主義とは何だろうか。社会主義は国家が生産手段と同時に土地のすべてを国有にして、生産剰余のすべてを等しく国民に分け与える社会制度だったはずだ。しかし中国はそうした社会主義とは全く別な社会主義を装った資本主義国家になっている。ただ大勢の国民を全体に奉仕し収奪される階級におとしめる社会主義の悪弊だけは恐怖政治により堅持している。

 そうした恐怖政治を強行している中共政府に国民がいつまでも唯々諾々として従うとは思えない。いや既に反政府暴動は全国各地で頻発しているといわれている。習近平主席夫人の暗殺計画が摘発されたり、習近平氏に対するテロ計画が事前に発覚しているともいわれている。
 日本に対して微塵も自国の軍拡膨張主義を反省しない中共政府と手を握る必要はない。辞を低くし、日本や近隣諸国との融和を基本外交とする政府にならない限り、日本は中国に援助の手を差し伸べてはならない。中共政府は日本や近隣諸国から疎まれているだけでなく、中国民の支持も失っている。幹が室になった巨木が倒れるのを、静かに冷やかに見守っているのが最善の方策だ。


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