自公与党は軽減税率議論をしている場合か。

< 黒田東彦総裁は30日の記者会見で強調した。生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価指数の上昇率は9月に前年同月比1.2%となり、8月の1.1%から拡大。2013年の異次元緩和導入後の最大の伸び率を更新したことが根拠だ。
 ただ原油安の影響は大きく、エネルギーを含む総合指数は9月まで2カ月連続で下落した。原油の影響はいずれ剥落するとはいえ、0%程度で推移すれば人々の物価上昇期待が鈍りかねない。日銀内でも「基調に変化が出るか慎重に見極めないといけない」(幹部)との声は強まっている。
 「経済成長と物価にやや下方リスクが大きい」
 強気の発言が目立つ黒田総裁も下振れリスクには言及せざるを得なかった。新興国経済減速の影響が国内にも及んできたためだ。輸出や生産は鈍り、設備投資も「計画のわりに出てきていない」。賃金にも悪影響が出かねず、日銀が訴えていた「所得と支出の好循環」が狂いかねない状況だ。
 「物価だけが上がれば良いわけではない。賃金も上がり企業収益も増えていくという経済全体のバランスが取れた形でないと2%目標を安定的に達成するのは難しい」

 日銀の悩みは賃金上昇が広がりを欠き、物価上昇に追いついていないことだ。物価の影響を除いた実質賃金はプラス圏に浮上し始めたばかり。一段の賃上げが進まないなかで追加緩和に踏み切り、円安で物価ばかりが上がると、消費が冷え込み、かえって物価の安定した上昇が遠のく。政府内でも追加緩和への慎重論が広がっていた。
 黒田総裁は「物価の基調に変化が生じれば追加緩和であれ何であれちゅうちょなく調整する」としつつつも、追加緩和には「非常に微妙な判断がいる」と漏らした。
 「イングランド銀行は7割くらいまで買い進んだ」
 日銀の国債保有額は300兆円を超え、発行残高の3割に迫る。債券市場では「買い入れ余地は狭まっている」との声が多い。会見で「追加緩和の手段が尽きているのでは」と聞かれた黒田総裁は英国の例を引き、「手段に限界があるとは思っていない」と強調した。
 政策手段の限界が意識されれば、緩和効果も弱まりかねず、強気の姿勢を維持したとみられる。米利上げの影響を見極める必要もあり、数少ない追加緩和のカードを可能な限り取っておきたいとの意思も見え隠れする。
 「2年程度を念頭に置くことが無理だとか無駄だと思っていない」
 異次元緩和を導入した13年春に「2年程度を念頭に」としていた物価目標の達成時期は16年度後半に先送り。緩和導入から足かけ4年となり、日銀には「いつまでも先延ばしすると、人々の信認を失いかねない」(幹部)との焦りも出ている>(以上「日経新聞」より引用)

 アベノミクスは日銀の異次元金融緩和策だけの安倍自公政権不存在の経済政策だった。ただ安倍自公政権がやったのは個人所得を直撃する消費増税と労働者非正規化だけだ。個人の可処分所得を削減する政策だけをやっていて景気が上向くはずはなく、物価水準も対前年比マイナスに陥っている。
 それでも景気は緩やかに回復している、とする日銀総裁の景気観測はどんな実態を見ているのか疑問だ。日銀による国債買取も300兆円を超えて、もはやタコ足金融緩和の実態をあらわにしている。連結決算という概念を政府系法人に持ち込めば、日銀の株真の過半数を政府が有しているため政府と連結しなければならず、そうすると発行済み国債残の内、日銀保有の国債は相殺される。つまり国家会計の連結決算を実施すると日本の国債残は700兆円ということになる。

 それを異常とも思わず、日銀総裁は英国中央銀行は英国の発行済み国債の7割を買い入れているから日銀にはまだまだ国債を買い入れる余地があると強弁しているが、年間GDP以上もの国債を日銀が保有するとしたら国際的な信認どころか「円」の信用は地に墜ちてハイパーインフレを招くことに議論の余地はない。
 それでも自公与党政治家たちは財務官僚の掌で踊らされて軽減税率の議論を演じている。つまり毎日のように2017年4月から消費税を10%に上げると予告宣伝を行っているのだ。

 これ以上個人可処分所得を減少させて、どうやって経済成長させるつもりなのだろうか。法人減税を実施するまでもなく、法人の内部留保は最大を更新している。安倍自公政権が労働配分率を低下させる派遣業法の野放図な規制緩和という愚かな政策を進めているのだから当然の結果だ。
 安倍自公政権は金の卵を産むガチョウを殺してしまおうとしている。そんなことをしてはダメだという教訓を、安倍自公政権の政治家諸氏は知らないようだから、さそかし幼い頃に「金の卵を産むガチョウ」の童話を母親から読み聞かされていなかったのだろう。母親の愛情を知らずに成長した政治家たちが政権に座ると国民にかくも無慈悲な政策を強いて平気なのだろう。

 安倍自公政権はこの国を徹底的に破壊しようとしている。そして米国にすべてを貢ぎ、米国のポチそのものに成り下がろうとしている。腐り切ったマスメディアも無批判に米国の戦略に踊り、多くの国民を貧困層へ落とし込もうとしている。
 国民はしっかりと安倍自公政権に退陣を迫らないと、早晩国民の貧困化は引き返し不能な転落地点を経過してしまうだろう。しかし「国民の生活が第一」の政治を掲げる明確な野党は共産党と生活党と社民党しかないという、野党政治家の意識不全には絶望するしかないのだろうか。


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