この腐り切ったマスメディア。

 憲法に保障された思想・信条の自由も表現。報道の自由もすべて認める。すべて認めた上で、読売新聞の朝刊はなおも腹立たしい。
 第三面には昨日の「戦争法案」強行委員会採決に関して、「116時間審議の末」との大見出しが躍り、小見出しには「野党、批判に終始」とある。記事上段の横見出しには「安保法案 議論深まらず」と書かれている。そして横の社説には御丁寧に「首相は丁寧な説明を継続せよ」とある。

 強行採決して「戦争法案」は審議するまでもなく、憲法違反濃厚というよりも「憲法違反」を正面突破しようとする自公政権の醜悪な意図ミエミエの法律案ではないか。野党が一切委員会審議に参加しなかったとして、安倍自公政権が審議拒否だ、と憲法規定に則った国会法を盾にして、憲法違反の法律案を決めようとするのは滑稽というよりもヒトラーが「合法的」にワイマール憲法を停止し、ナチス政権を樹立したのと全く同じ手法だ。

 読売新聞は「野党 批判に終始」と野党を批判しているが、それならどうした方が良かったというのだろうか。まさか「違憲立法」に野党も手を貸すべきだ、というのではないだろう。
 同紙35面には「尖閣防衛「一歩前進」」と「強行採決おかしい」との見出しが並列列挙されている。前者は自公与党の見解で、後者は野党の見解を示したものと思われるが、尖閣防衛が「戦争法案」により一歩前進したとの具体的な論理を是非とも読売新聞には示してもらいたいものだ。

 米軍は直接尖閣防衛に出動しないと何度も明言しているではないか。領土防衛は自衛隊でやるべきだ、との見解を米国は示している。尖閣防衛がなぜ「戦争法案」で一歩前進するのか、読売新聞社は総力を挙げて国民に説明すべきだ。
 そして「強行採決はおかしい」と見出しを掲げた読売新聞社の見解もおかしい。野党は「強行採決」に反対したのであって、「おかしい」と疑問を呈したのではない。天下の読売新聞ともあろうお方が文言を巧みにすり替えてはならない。

 なんどでも書く。「戦争法案」は憲法違反だ。いかに日本国憲法を深読みしようと、自衛権が存立権として憲法規定以前に国家に付与されていると考えようと、そして憲法紙面の裏から詠もうと、自衛隊が集団的自衛権により危機事態に対処し出動できるとする「戦争法案」は専守防衛を定めた日本国憲法に適合しているとは解釈できない。
 安倍氏と自公国会議員が大学受験の現代国語で文章解釈問題を解いたとしたら村上氏を除く残り全員不合格だ。そうした誤った態度を国民衆目の前で演じてはならない。規律ある国会議員として憲法に則った手続きを踏むべきだ。それが国家の根幹を堅持することだ。もっとも米国に日本のすべてを売り渡そうとする売国奴集団なら、当然の行為ということだろう。

 この国のマスメディアは売国奴・安倍自公政権の悪行三昧に手を貸すとは、いかなるものだろうか。


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