一強多弱は野党の危機だけでなく、自民党内の危機的状況でもある。

 かつて自民党には拮抗する派閥があって、55年体制の長期政権を支えたのは自民党内での「政権交代」が機能していたからだ。しかし現在の自民党にはかつての活性が窺えない。
 すべては安倍総裁の下に鳴りを潜めて、公然とアベノミクスを批判する自民党議員たちの姿はない。それは民主党にもいえたことだ。やっと政権に就いた民主党は何を血迷ったか官僚に擦り寄り「消費税10%」などと愚かな雄叫びを上げた。

 それに公然と反対し対抗したのが小沢一郎氏とその仲間たちだった。デフレ経済下で消費増税を実施しては国民生活を痛めつけるだけだ、という正しい論理で小沢一郎氏たちは対抗したが、政権ボケに陥っていた民主党執行部たちは聞く耳を持たず、小沢一郎氏とそのかな真たちを党から追い出した。
 その時点で民主党の芽は消えた。今後いかに「刷新」だ「出直し」だと騒ごうと、国民の信が民主党に再び集まることはない。官僚政治なら自公政権に一日の長があり、仮免許運転の民主党に官僚政治を任せる必要はないからだ。

 安倍自公政権は明らかに国民に立脚した「国民政治」を実施していない。安倍自公政権は官僚の御用聞きに堕した官僚政治に邁進しているが、他に野党に官僚政治を打破して99%の国民の側に立つ政治を毅然と推進する政権交代可能な政治家集団はどこにも見当たらない。
 雨後の筍のように「口から先」人間が政治の風に吹かれて議席を得たり落選したりしているが、彼らにどれほどの政治信念と人間力が備わっているか疑わしい。鳩山氏は「際でも県外」発言した政治家としての資質は買うが、それ以後の迷走と首相辞任劇に彼の育ちのひ弱さを感じる。彼は政治家向きの強い意志を先祖から受け継がなかったようだし、自らも涵養しようとしなかったようだ。

 小沢一郎氏は三年有余も検察官僚とその三下マスメディアによって人格攻撃を執拗に受けて、民主党内の官僚御用聞き政治家たちによって「党員資格停止」という党内座敷牢に入れられたりし、ついには党から追放されたが、不屈の闘志で再び立ち上がっている。
 真の自公政権にとって替わろうとする野党政治家諸氏は小沢一郎氏の下に駆け参じるべきだ。なんとなく大きな口を叩いて政治家に補償された報酬と地位を満喫すれば良いという輩はなんとなく政界を遊泳していれはせ良いだろう、早晩風に吹かれて消え去るだけだから大して問題はない。

 自民党内に党内野党の機能が喪失しているのなら、自公政治家以外で「国民の生活が第一」の政治を奪還しようとする政治家たちは一日も早く小沢一郎氏の下に結集すべきだ。彼ほど政治的立場と旗色を鮮明にしている政治家は他にいない。
 自民党内に党内野党の受け皿がないのなら、安倍政権瓦解の後は野党へ政権が移るとみるのが自然ではないだろうか。その受け皿になるのは第二自民党の民主党でもなければ自民党の補完政党の維新の党でもない。もちろん「何でも反対」の共産党でないことは論を俟たないが。


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