2014年の出生数が100万人割り寸前。

 2014年の出生数が100万1000人と、100万人割り寸前だという。それに伴って昨年一年間の人口減は26万人となった。
 年間出生数が100万人ということは単純に全員が無事に80歳を迎えても、その総数は8000万人でしかない。日本の人口は確実に減少している。

 人口減少社会を止めるには相当思い切った子育て支援策がなければならない。昨年生まれた子供たちが将来幾らの新生児を出産するかは100万人を基にして出生率を乗じることになる。
 安倍氏は30年後の人口を1億人と設定したが、その具体的な政策は明らかになっていない。女性参画社会が人口減を止めるのに役立つとは思えないし、他の派遣業法の規制緩和が出生率改善に役立つとも思えない。むしろその逆に作用するのではないだろうか。

 人口減社会の深刻な事態は首都圏や大都市圏よりは地方、とりわけ中山間地や寒漁村などの人口減少に悩まされている地域に一層顕著に表れるだろう。集落が消滅し、その地域を通る道路や上・下水道の社会インフラの維持・管理が極めて困難になる。
 社会インフラは人がそこで暮らしていてこそ維持・管理される側面がある。膨大な総延長距離の国道や都道府県道や市町村道を維持管理するには住民の協力なくしては成り立たなくなっている。

 更に地域社会の消滅は地域の伝統文化や風俗の消滅をも意味する。現在は各地の伝統的な舞やお神楽などを地域の小学生たちが課外活動として支えているが、そうした地域の小学校が休・廃校となって担い手の消滅の危機に陥っている地域は数知れない。
 人口減社会の悲劇的なところは解決策がないことだ。人口減を人口増へと切り替えるしか解決策はない。日本の未来を外国人移民に頼る社会にしてはならず、日本国民による社会を維持してこそ、日本の国家と文化が守られるのだ。
 子育て支援策という「未来への投資」をおろそかにしてはならない。子宝という言葉がある通り、子供は国家の宝だ。

 ここ二十年近い労働政策は労働者を労働力とみなして、生産費用係数の一つくらいに考えてきた。そのため費用係数の低い国へ生産設備を移転する方が良い、と考える安易な経営者が陸続と工場などを海外展開してしまった。
 しかし自公政権は未だに労働者を生産費用係数の一つくらいに考えていて、彼らの安定的な生活や地域社会への企業貢献などといったものを排除する法改正へと傾斜している。そして口先で「賃上げ要請」を経営者に懇願して回るという愚かさだ。なぜキチンとした政策で労働者の権利を強化する法整備をしないのだろうか。

 子育て政策と同時に、子育て世代が安心して生活できる安定的な雇用の場を政府は国民に確保すべきだ。「恒産なくして恒心なし」という言葉通りに、二十年前後も子育て負担をするには所帯主に安定した雇用の場が必要なのはいうまでもない。
 ここ二十年近く、日本の政治はひたすら安定雇用の場を破壊する方向で終始してきた。そしてグローバル化の総決算としてTPPで日本国内の雇用を徹底破壊しようとしている。グローバル化とは米国流ということでしかなく、世界的な趨勢でも何でもない。日本は日本独自の労使関係を取り戻して、国内産業基盤の強化策を政府は責任を持って推進すべきだが、残念ながら、安倍氏の周囲には新自由主義と市場原理主義の連中がとぐろを巻いていて、格差是正どころの話ではないようだ。


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