嘘吐きは安倍の始まり。

　実態のないことを大声で叫んだり、嘘を繰り返し主張するのが世界的な潮流なのだろうか。隣国の大統領や主席は旧日本軍に関して大嘘を繰り返し、現在も領土に関して事実に反することを世界的に拡散している。
　そうしたことが国家を代表する人の言辞として流行っているのかも知れないが、安倍氏も実態のないことや大嘘を平気で主張している。それもマイクを通して拡声器で大声で叫んでいるから驚くしかない。

　国民は知らないとでも思っているのだろうか。アベノミクスは日銀の異次元金融緩和と財源なき公共事業の大盤振る舞いでしかないという現実を隠しに隠して、アベノミクスは成功している、と強弁している。普通の常識ある政治家なら恥ずかしくてとても自画自賛出来ない失政でしかないが、彼は続ければ来年は成果が出るとアベノミクスをゴリ押ししている。
　異次元金融緩和と財源なき公共事業の大盤振る舞いでこの国に何が起こっているか、国民は既に百も承知だ。それは円安により為替相場を通した株の世界的なバーゲンセールと、国内の公共事業費の高騰から民間建設素材の品薄と高騰だ。もちろん建設作業員も足りないが、建設業界に人材育成の余裕はなく、経験者が引く手あまたの状態だ。

　この国の経営者たちは長期的な視野を失っているようだ。短期的に最大利益をいかにして実現すれば良いかに血眼になっているかのようだ。建設機械や重機はリースで良く、建設作業員は派遣や臨時雇いでその場を糊塗する。それで建設された建物や橋梁の品質が確保されるわけがないことも、現場監督の段階では百も承知なのだが、経営者は目を瞑って最大利益に突っ走っている。
　それも仕方ないだろう。安倍首相からして臨時雇いの口がハローわーとに多く舞い込んでいることから「雇用は改善された」と大見得を切っているが、この間だけでも正規社員は二十数万人も減少している。「恒産なくして恒心なし」の古の人の言葉を安倍氏は知らないのだろう。

　安倍氏は国会で何度も政治は結果責任だ、と民主党を揶揄した。しかし現実は安倍氏の言葉とは逆だ。民主党政権下の三年余にもGDPは増加していたと、数字が証明している。翻って安倍氏が勇んで実施した消費増税によりGDPはマイナスに振れて通年でも安倍自公政権ヨイショの民間経済機関ですらコンマ以下の成長へと下方修正した。彼らは4-6月期の予想を上回るGDP縮小でも一時的で7-9月期にはプラスに転じると予測していた。実際は二四半期連続のマイナスを記録した。大甘の、政権運営に百害あって一利なしの節穴経済分析・予測機関だという自覚もないまま、しかしそれでも通期予測をコンマ以下の伸びに修正せざるを得ない経済状態だという認識は持っているようだ。しかし選挙直前に下方修正せざるを得ないほど悪化している経済だが、それでも正直に2014年通期で対前年比マイナスとは予測できなかったのだろう。

　アベノミクスは単なるマネーゲームに過ぎない。実体経済を動かすはずの財政支出は糞詰まり状態で地方自治体に「不調」という副作用を及ぼしているだけだ。経済成長策は未だに審議途上にあって、官僚や政権政治家たちは利権団体に綱引きを眺めて喜んでいる。
　この国のマスメディアは選挙騒動に関してアベノミクスを大々的に取り上げているが、この国の経済に大きな影響を及ぼすのが必至な中国経済の異常事態に関してほとんど何も伝えないのはなぜだろうか。それは財閥経済が異常事態に陥っている韓国経済に関しても伝えないのは同様だが、中国経済は確実に日本経済に大きなマイナスの影響を与えることは避けられないにも拘らず、無きが如くで無視しているのはマスメディアの怠慢というしかない。

　安倍氏の虚言壁にはウンザリだ。円安株高で1％にも満たない人たちが泡銭を掴み、99％以上の国民が円安に起因する物価高騰に窮している現実は彼の眼中にはないようだ。そして特定の人たちを批判するようで言いたくはないが、子育てをしたこともない安倍氏に子育て支援などという言葉を口にして欲しくない。
　専業主婦を家庭から引き剥がすような政策をやって、少子化対策に保育園を増やすと二年前に叫んでいたが、未だに待機児童は解消されていない。どうやらブレーキとアクセルを同時に踏むのが安倍氏はお好きらしい。それこそ政策資源の無駄遣いだと思わないのは生活で苦労したことのないお坊ちゃん育ちだからだろうか。

　税収は経済成長についてくる。かつて現在よりも減税されていた当時ですら税収が70兆円あったことを忘れているのではないだろうか。経済成長策に全精力を注ぎ込むべき時期に、消費増税をして、更に一年半先延ばしした10％増税は待ったなしだとは能天気もここに極まったというしかない。安倍氏は経済政策や財政策は手に余ると自ら暴露したに等しい。そうした認識すらないとしたら何をか況やだ。