確信犯に対していかなる交渉が可能なのか。

<中国を訪れている安倍首相は、日本時間の9日夜、ロシアのプーチン大統領と首脳会談を行い、北方領土交渉やウクライナ情勢をめぐって意見を交わした。
安倍首相は「しっかりと時間をとって、平和条約交渉、そしてまた国際情勢について、話をさせていただきたい」と述べた。
安倍首相とプーチン大統領の首脳会談は、2012年12月の第2次安倍政権発足後、7回目となる。
会談の冒頭、プーチン大統領が「2国間の連携に関し、いろいろ分析しながら、意見交換したい」と述べたのに対し、安倍首相は「しっかりと時間をとって、平和条約交渉、国際情勢について話をしたい」と応じた。
会談で、安倍首相は、北方領土交渉の進展に向け、プーチン大統領に早期の日本訪問を求めたものとみられている>(以上「ANNネット」引用)

 日本国民はロシアと日本とが対等な話し合いなど決して出来ないと覚悟しておくことだ。ウクライナ問題にせよ北方四島返還問題にせよ、共通点は『領土を奪おうとして不法行為を実行して先に領土を奪っている」ということにある。
 この時点で核保有国のロシアは絶対優位に立っている。ウクライナ政府が対決姿勢を示そうと、和解条件を示そうと、ロシアは手に入れたクリミア半島などの領土を手放す必要がない。同様に、対外軍事行動を自ら憲法で縛っている日本がロシアにいかなる話し合いを持ちかけて来ても、北方四島を手放さにければならない条件にはならない。

 領土問題に関していかに木で鼻を括った返答を返されても、日本はロシアの言い分に対抗する術を持たない。実際にロシアでは子供たちに学校で北方四島は第二次世界大戦で日本から正当な戦争行為で奪った『戦利品だ』と教えている。
 欧米諸国の常識では戦争で奪った領土は戦争で負けない限り奪い返されるものではない。だから日本が北方四島を返還せよ、という声は敗戦国の「ワケの解らない」非常識な要求だという認識でしかない。

 しかし北方四島は戦争で奪われた日本の領土ではなく、終戦後にロシア軍が武装解除した日本の領土に進駐したに過ぎない。そういう意味では米軍の日本進駐となんら変わらないのだが、ロシアは北方四島に住んでいた日本国民1万5千人を島外へ追放した。それは侵略された地域住民の運命が『虐殺』か『追放』かの二つに一つしかない侵略者アーリア民族の作法通りの仕儀だ。
 その後も侵略して奪った土地へ自国民を大量入植して、領土として実効支配する手法そのものだ。ウクライナのクリミア半島は更に歴史をさかのぼるロシア帝国時代からクリミア半島に侵攻してタタール人を大量追放し、その跡地にロシア人を入植させて実効支配地を拡大してきた。それに反発した英国などとクリミア半島で戦争したりしたが、黒海から地中海へ出る航路確保のためにロシアは決してクリミア半島を諦めなかった。

 クリミア半島を併合し、今度はウクライナの東部を蚕食すべく歴史的に大量入植させてきたロシア人を扇動して戦争行為を継続させて、ウクライナ東部もロシアの領土だと国際的な認知を得ようとしている。それを見習っているのが中国だ。チベットや新疆ウィグル地区へ漢族を大量入植させて実質的に中国に同化させて土地を奪い取ろうとしている。
 そうした姑息にして歴史的な手法を実施して領土を奪い取るのは全ヨーロッパの歴史そのものだ。フン族やゲルマン民族などの支配交代を経て、現在のアーリア人が広く欧州全域を支配する国々に分離独立する状況に到っている。つまり他国を侵略して自国の領土とするのは彼らのDNAだ。海洋国家で他国から日本人がすべて虐殺されて侵略されたことのない日本国民には想像し難いが、欧州のいかなる地域にもゲルマン民族が存在していないことからも明らかだろう。彼らはすべて抹殺されたのだ。

 国際法に「戦争」がなぜ禁止されずに、外交の最終手段だと記されて是認されているのか。それはアーリア人たる歴史そのものだからだ。戦争を否定することは彼らの先祖が他民族を虐殺して領土を奪い取ってきた歴史のすべてを否定し、贖罪の泥沼に嵌まり込むことになる。だから米国民も先住民600万人を虐殺して土地を奪って建国したことに心が少しも傷まない。それは戦争によって土地を奪うのは邪悪なことではなく、輝かしき「勝者」だからだ。
 日本にいかなる不当な要求を突き付けようと、米国は当然だと思っている。戦争の「勝者」に「敗者」が従うのは当然だという考えだからだ。しかし誇りある日本国民はそうした考えを持たない。戦争により他国民を抹殺することはかつて一度もしたことのない世界で異例な歴史を持つ国民だからだ。そうした根本的な観念の違いを認識した上で、外交は展開されなければならない。

 そうした世界の常識からいえば、北朝鮮の「拉致被害者」を奪還するには「金政権を倒す」という結論しかない。話し合いで無法を働いた者から「拉致被害者」が取り戻せる、と考えている日本国民の方が世界的に見れば非常識なのだ。他国へ法を無視して進入して「拉致」したのなら、同様に北朝鮮に不法に侵入して「解放」するか、不法に日本に進入して日本国民を拉致させた「金政権」を壊滅させて救出するしかない。残念だが、話し合いで「拉致被害者」をすべて奪還すると考えるのは現実的ではない。
 世界は未だに強大な軍事力を背景にした19世紀的な侵略国家が大きな顔をしてのさばっている。国連の常任理事国として大きな顔をしている連中の歴史を見れば歴然としているだろう。名を連ねていないが、欧州の他の諸国も多くは世界に植民地を持ち、他民族を使役し虐待し虐殺した歴史を有している。彼らの観念はそうした歴史により形作られていることを忘れてはならない。

 明治の日本がなぜ殖産興業と富国強兵に努めたか、それは欧米とはいかなるものかを現実的に明確に認識したからだ。明治の日本国民は無腰で「話し合おう」と欧米諸国に持掛ければ、アッという間に侵略されることを知っていた。
 現代日本は米国の腰ぎんちゃくになって平和を保っている。それも一つの叡智だが、米国の威信が衰えつつある現代、そうした手法がいつまで有効なのか、米国腰ぎんちゃく世界戦略構想の見直しと、独立国家日本の在り方を真摯に議論すべき時期に到っている。ロシアと「話し合いましょう」ではなく、「いつでも軍事侵攻するゾ」と脅せる存在にならない限り、北方四島は返還されないものと観念すべきだ。


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