「解釈改憲」は「違憲立法」行為に他ならない。

<公明党の山口那津男代表は26日夜、NHKの番組に出演し、集団的自衛権の行使容認をめぐる閣議決定の修正案について「二重三重の歯止めが効いており、拡大解釈の恐れはないと判断している」と述べ、受け入れる意向を表明した>(以上「時事通信」引用)
 自公与党内の猿芝居は終わりのようだ。いよいよ「解釈改憲」を自公政権は閣議決定により行い、関連法を国会に提案して巨大与党で押し切ろうというシナリオ通りに進む。立憲主義国家として憲法に抵触することへの虞も何もない、ただただ政権の厚かましい自己都合があるだけだ。

 本来なら「解釈改憲」を政権が選択すると判明した時に最高裁判所が「違憲立法審査」を行わざるを得ない、と記者会見で発言すべきであった。それが巨大与党を背景に行政府と立法府の「国会議員」たちによる暴走を止める「三権分立」という立憲主義国家の安全装置だったはずだ。
 しかしこの国の安全装置は「砂川判決」により駐留米軍が軍事力でない、とする最高裁の判断により憲法は形骸化してしまった。武力行使を放棄するとした憲法を蔑にする「砂川判決」は米国と政府の都合を最大限考慮したものとして、爾来政府は憲法の死を意味する「集団的自衛権」を否定した来た。それが最高裁を「砂川判決」でゴリ押しした政府の贖罪であったはずだ。

 しかし安倍政権は戦後レジュームを破壊する、と称して戦後レジュームの隠蔽されてきたレジュームそのものを日の光の下に晒そうとしている。それは米軍の代役で武力行使する自衛隊の存在を合法化する企みだ。
 しかし憲法は「砂川判決」により形骸化したが、死んではいなかった。それなりに存在して政府の武力行使に対する『ためらい』として機能してきた。だが安倍政権による集団的自衛権容認の「解釈改憲」により日本国憲法は死亡宣告されることになる。そうした重大な立憲国家への裏切りを自公政権が仕出かそうとしている飛んでもないことをマスメディアは一言も批判しないで、猿芝居の推移ばかりを報道していた。それは第三の権力の死をも意味することだ。

 国会が集団的自衛権行使の諸立法を行った際に、最高裁判所が「違憲立法審査権」を行使しなければ、この国の立憲主義国家が終焉したことを国民は認識すべきだ。三権分立も大嘘っぱちで、行政府と立法府がタッグを組めば何でもできることを絶望とともに目撃するしかない。それは戦前の戦争へと突き進んだ無原則な軍部の暴走とどれほど異なるというのだろうか。
 私は集団的自衛権そのものに反対しているのではない。この国の権力の牽制装置として構築されている「三権分立」が事実上崩れ去り、「違憲状態の国会」により成立した政府と国会の暴走を鎮静化させる装置が壊れているのを危機感を以て警告する。最高裁が「違憲立法審査権」を行使しなければまさしく、この国は戦前のいつか来た道を歩いていると認めるしかない。

 「解釈改憲」による集団的自衛権行使と「憲法改正」による集団的自衛権行使とでは天と地ほど異なる。そのことを認識しない政治家やマスメディア関係者言論人は能天気というしかない。


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