48年目の真実。検察から捜査権を取り上げよ。

 袴田事件が48年にして再審が決定した。死刑囚として人生の大半を刑務所で過ごさなければならなかったのはなぜだろうか。
 証拠採用された衣類を見れば袴田氏が犯人でないのは歴然としている。第一犯人が着用していた血染めのズボンは小さすぎて入らない。それを時間の経過により小さくなった、と検察は主張していたというから驚きだ。

 袴田氏は捏造された証拠により味噌屋会社の専務一家4人を殺害した犯人として30歳で捕えられ、78歳の今日まで死刑囚として死刑執行の恐怖の日々を刑務所で過ごしてきた。彼の人生は「無念」の一語に尽きるだろう。
 しかし、なぜこうしたことが起こったのか。あなたがある日突然、身に覚えのない冤罪で死刑判決を受け、刑務所に入れられたとしたらどうだろうか。二度とこうしたことがあってはならないが、一度としてあってはならないのも言うまでもない。

 公訴権と捜査権を併せ持つ検察の持つ権力の余りの大きさに危惧を覚える。彼らが捜査して『コイツが犯人だ』と睨めば、何としてでも犯人に仕立て上げることは出来るだろう。証拠を捏造し、マスメディアに嘘の情報を垂れ流せば良い。
 小沢一郎氏の場合がそうだった。取るに足らない『政治資金規正法の収支報告書』の『期ズレ』をあげつらって、さも重大事のように報道機関に捏造した情報を垂れ流した。不動産購入で手付を支払って仮登記を設定するのは『作為』の証拠のはならないし、決済時に登記をしなかったことが『操作』にも当たらないのは不動産取引にかかわる者なら常識だ。

 しかし決済時と登記時のズレを、さも重大事であるかのように検察は指摘してマスメディアに捜査情報として横流しした。それをマスメディアは検証することもなく垂れ流して小沢一郎氏の政治家としての影響力を殺ぐために人格攻撃を三年有余に亘って執拗に続けた。そして今もマスメディア関係者たちは素知らぬ顔をして正義面でテレビに出ている。
 検察の捜査権は取り上げるべきだ。彼らに捜査権がある限り、意図した捜査がなされ、自分たちの意図に沿わない事実が見つかれば無視し、意図したストーリーに合致する証拠が見つからなければ捏造しかねない。それが人間というものだ。
 検察官はスーパーヒーローではなく、ただの法律知識を普通の人よりほんの少しだけ頭に詰め込んだ人に過ぎない。だから検察上層部から指示されれば手柄を上げたい欲求に駆られたり、自分たちの見当違いを屁理屈をくっつけて補強したり証拠を捏造したりすることもありうるだろう。だから検察から捜査権を取り上げるべきだ。

 あくまでも捜査は警察が行い、検察は警察が持ち込んだ証拠を基に合理性と法に照らし合わせた事実だけで公訴すべきだ。公訴権だけを検察権力とすれば、検察は証拠を捏造する必要がない。犯人逮捕が自分たちの手柄とならないから、マスメディアを操って正義のヒーローになる必要もない。
 いや、この世に正義のヒーローはテレビや映画の世界だけでたくさんだ。淡々と警察が悪党を逮捕し、検察が法に照らし証拠を調べて公訴すれば良い。検察の変な正義のヒーロー演技のために、社会から抹殺され人生の48年間を死刑の恐怖にさらされるとは想像するだけでゾッとする。


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