なんとも不誠実な首相答弁。

 昨日(1/28)から首相の方針演説に対する各野党党首の代表質問が始まった。当然のように原発再稼働に前のめりな安倍政権に対して今後の再稼働に対する姿勢を問う質問がなされ、それに対して安倍首相は「「徹底した省エネルギー社会の実現と、再生可能エネルギーの最大限の導入を進め、原発依存度は可能な限り低減させる」とこたえた。
 なんと不誠実な回答だろうか。安倍首相は先の衆・参選挙で脱原発を色濃くにじませていたのではなかっただろうか。それが安定政権というべき大勝を果たすや原発再稼働へと大きく舵を切った。まさしく民主党に続く「羊頭狗肉」政権と呼ぶべき不誠実さだ。

 現実は去年の夏に続いてこの冬も原発ゼロで乗り切っている。脱原発は果たされているのに、なぜ再稼働へ向けて着々と準備をしているのだろうか。安倍首相も国民の「安全」と国土の「保全」よりも原子力利権擁護の方が重いと判断したのだろうか。
 何度も指摘したきたところだから繰り返すつもりはないが、原発は未来の国民に大きな禍根をツケ回すだけだ。人類で対処不能な放射性廃棄物の山をいかにして処理するつもりなのだろうか、安倍氏は再稼働を宣言する前に放射性廃棄物の処理プログラムを明確にすべきだ。そして福島第一原発の放射能漏れを完全にブロックしコントロールするのが最優先課題ではないだろうか。

 自然再生エネルギーの最大限の導入を目指すというのなら、なぜこの3月から再エネ発電電気の買い取り価格を引き下げるのだろうか。かつて日本が太陽光パネル発電世界一だった頃、突如として補助戸数削減と補助率引き下げを行い太陽光パネル発電に対する国民の熱を冷ましたことがある。
 国民の熱が冷めた間にドイツや他の諸国が日本を追い抜き、置き去りにされて現在の先進諸国の後塵を拝する現状がある。何んというバカな政策変更を自民党はやったもの勝つ慨嘆したことがあったが、またしても「羊頭狗肉」安倍政権の愚かな原発依存発言には落胆するしかない。

 景気対策といえば公共事業大盤振る舞いといい、待機児童解消といえば保育園の増設との制度事業の拡大策を提示する、それらはかつての自民党の政策の再登板そのものではないだろうか。なぜ保育園が相も変わらず不足しているのか、そこで働く人たちが適切に処遇されていないからだという現実になぜ目がいかないで、保育園という施設建設だけを論じるのだろうか。
 財政出動による公共事業依存の景気対策は効果がほとんどないというのは自明の理だ。それなのに選挙で動く業界に税を注ぎ込み、自民党の足腰を強くするつもりなのか。保育園を建設しさえすれば「対策はやった、やった」と宣伝して終わりだとでも思っているのだろうか。現場で働く人たちが満足な報酬を手に出来ないで有資格者が職場から去っているのは介護の現場と同じことが起こっている。

 野党も通り一遍の質問ではなく、現場の問題点をえぐり出すような質問をすべく勉強すべきだ。制度事業における人件費は一人当たり給与を幾らと弾いて予算化しているのか、中身を問わなければあらゆる対策は画餅に帰す。
 福一原発周辺住民だけでなく世界に迷惑を掛けている原発放射能漏れ事故対策にすら三年近くも時を費やして放射能漏れのブロックも出来ていなければ事故原子炉のコントロールも出来ていない状態を安倍氏は認識し五輪誘致会議での自らの発言を恥ずべきだ。そのブロックとコントロール発言の責任を負う意味からも、原子力利権諸氏に猛省を促し、自然再生エネルギーへ軸足を移す決意表明としても「脱原発」を安倍氏は高らかに宣言すべきだった。


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