みんなの分裂はコップの中の嵐に過ぎない。

 みんなの党から江田氏たち14名が離党するという。しかし「スワッ野党再編か」と騒ぐ向きもないのも当然だろう。単なるコップの中の嵐に過ぎないからだ。
 これまでもみんなの党で渡辺代表と江田元幹事長の軋轢は報じられてきた。それが特定秘密保護法でいよいよ抜き差しならぬものになったということのようだ。渡辺氏たちは秘密保護法に賛成し、江田氏たちは決議を欠席した。

 些細なコップの中の嵐はどうでもよいが、本格的な野党再編は必要だ。維新の会とみんなの党は従来から自民党の補完勢力だと断じて来た。特定秘密保護法を巡る駆け引きではしなくもその馬脚を現し、維新の会とみんなの党は「法案修正協議」という猿芝居を演じつつ成立に協力した。
 提案された法案に修正協議すべき事項があるのなら特別委員会の場で行うべきだ。公開の場で堂々と行うのが本筋で、与党自民党と密室で修正協議して法案をより良いものに仕上げたと自画自賛するのは卑怯の誹りを浴びても仕方ないだろう。

 江田氏たちは修正協議に積極的に賛成しなかったのだろうが、それならなぜ法案決議を棄権するのではなく、反対しなかったのだろうか。自民党補完勢力のパフォーマンス政党がパフォーマンスにより分裂したに過ぎない。彼らは口先では「官僚制度の改革」や「行政改革」を主張しているが、実際にどのような言動をしているのかを見れば実態は明らかだ。
 江田氏は小沢氏が消費増税に反対して民主党と袂を別った時に「小沢氏は過去の政治家」だと批判した。何を以て「過去の政治家」だと批判したのか不明だが、小沢氏がまさしく官僚の総力を結集した検察と最高裁(東京第五検審会)の謀略とそれに加担した官僚の走狗たるマスメディアにより総理大臣になるべきだった党代表を追われた同僚議員を一切庇うことなく根拠なき批判だけしたパフォーマンス野郎だ。

 彼らの行動には何も期待しない。自民党の補完勢力が分裂しただけだ。野党再編とは1%対99%の戦いを基本軸にした仕分けでなければならない。
 特定秘密保護法も表向きは日本版NSCを実態ならしめる情報管理とマスメディア支配だが、その実態は1%が99%を支配する「誰でも逮捕できる」特別法なのだ。誰でも官僚に睨まれると「特定秘密を持ち出した」として逮捕されるが、司法当局が「どんな情報を漏洩したのか」と行政と政府当局に問い合わせても「それは秘密です」といわれれば手出しが出来ないという法治国家の存立基盤を揺るがしかねない悪法だ。

 小沢氏が故なき人格攻撃の嵐に見舞われた「陸山会」事件も真相解明のないまま特定秘密保護法により「起訴議決をした」とされる検察審査会そのものも闇に葬られかねない。官僚の権力は国民から負託された政治家が本来は振るうべきものだ。それを長年権力の場に身を置くことにより自分たちこそが権力者だと勘違いした愚かな連中だ。
 しかしその愚かな連中を叱責すべき政治家が嬉々として官僚たちの掌で踊らされているのを見ると絶望的だ。安倍氏はまさしく官僚たちの意図した通りに猿芝居を演じている。官僚たちに民間人の突然の逮捕まで含める多くの裁量権を与える特定秘密保護法を成立させてしまった。国民は大きく口を開けた「官僚国家」の深淵の暗黒を払うためにも、1%対99%の戦いを認識した野党再編が起こることを期待するしかない。みんなの党のコップの中の嵐なぞどうでもよいことだ。


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