戦前の時代感覚に陥る政治家たち。

 自公は「特定秘密保護法案」で維新との修正協議を経て合意に到り、来週にも成立する見通しだという。それにより秘密を漏洩した公務員は10年の懲役刑という厳しい罰を受けることになり、政府はあらゆる省で「これは秘密だ」と指定すれば60年は公開しないことが出来る。
 国民の知る権利は大幅に制限され、しかも防衛・外交文書に関しては暗号などは60年ルールから外すとしているから、もちろん普通の国民は暗号解読できないため、永遠に防衛・外交の暗号により打電された文章の公開はなされないことになる。

 なぜこの時期にこうした前世紀の遺物のような法律を作る必要があるのだろうか。考えられることは日本版NSCの設置と軌を一にし、憲法解釈による集団的自衛権行使の議論が安倍政権により表面化したことと一致していることだ。
 安倍政権は内閣法制局の人事を断行して、安倍カラーの強い官僚を登用したといわれている。衆参で多数を握る巨大与党と化した安倍自民党は日本をどのような国にしようとしているのだろうか。

 安倍氏が目指している日本とは決して彼の選挙公約「美しい日本」でないことは明らかだ。国土強靭化と称して大盤振る舞いの公共事業を全国各地で始動して国土を掘り返している。しかし、もう一つの安倍氏のスローガン「日本を取り戻す」は実際のところ意味不明だ。
 まさか「(戦前の)日本を取り戻す」という意味でないだろうが、「(国民のための)日本を取り戻す」ことでもないようだ。なぜなら財政再建と称して消費増税一直線の安倍政権は大半の国民苛めに他ならない。

 真の独立を希求した民主党政権から安倍政権成立により安倍氏の祖父・岸信介氏が米国と「日米安保条約」を締結して米国の軍事拠点の一つ「極東の守り」の要石として日本国土を差し出した精神に立ち返り、今度は米国国家財政の悪化により従前の軍事費維持が困難になった肩代わりとして日本が米国の世界戦略の一翼を担う「密約」を果たそうとしているのではないかと疑いを抱かざるを得ない。
 安倍政権の一連の政策決定が一つの思惑の下に進められているとすれば、まつしく米軍の肩代わりの準備としての日本国内の法整備や組織改編が必要となったための、特定秘密保護法案であり、日本版NSCの設立であり、集団的自衛権議論の大幅容認への画策ではないだろうか。安倍氏はもしかすると本気で「(戦前の交戦権行使の出来る)日本を取り戻す」決意を固めているのではないだろうか。

 このブログで指摘してきた通り、特定秘密保護法案の国会議論の過程で維新とみんなが自民党の補完政党ということが明らかになった。彼らは米政党の看板を掲げた自民党派閥り一つに過ぎない。前回総選挙で非自民勢力を徹底して破壊するために送り込まれた「野党への刺客」に過ぎなかった。
 国民は日本で何が行われているかを冷静に観察すべきだ。ネットの中にも大量の安倍親衛隊が紛れ込み、「小沢氏は過去の政治家」だとの刷り込みに腐心しているし、「陸山会事件」の暗黒治安維持法よりも悪質な日本の官僚とマスメディアの総力を挙げた捏造事件による「小沢氏」という稀代の政治家をスポイルするための大芝居だったことに心の底からの怒りを持たなければならない。検察や最高裁が「小沢氏」に関してどのような策謀を張り巡らしたのかも闇に葬り去れかねない。

 誰が何と言おうと「主権在民」は日本国憲法の神髄だ。国民から徴収した税により国家が運営されている限り、すべての政治・行政の果実は国民に帰属しなければならない。つまり最終的にすべての情報は開示されるべきだ。
 そうした国民の権利意識の強い米国ではすべての情報は25年後には開示されることになっている。だが、日本では60年後とし、一部機密に関しては永遠に闇の中に置くという。これが民主主義国家の法律だろうか。目の前の危機に対して国民は顔を上げて目を見開くべきだ。


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