橋下氏は講演で「野党再編は新党で」と述べたようだが、

 講演で橋下氏が「野党再編は政党ブロックや政党協力ではなく、新党結成で自民に対抗する勢力を作るべきだ」と主張したようだ。まさしくその通りだが、ただし野党新党の結成に橋下氏は必要とされない。というより、橋下氏の政治的な立場は自民党と対立する野党新党を結成するのに邪魔ですらある。
 第一、大阪都構想が政治主題になるような思考構造の人に政治の全体像を語ることは出来ない。そもそも大阪都構想とは行政区分の改編の一部に過ぎないからだ。それは全国的な行政区分の改編を目指す道州制ですらない。地方の行政区分を大きくして国の所管事務を地方に移管し、地方の事務量と決済権限を増やすのは一種の行政改革だが、それだけで行政にダブついた内臓脂肪が排除されて劇的にスリム化するとは思えない。

 そうした意味で、橋下氏の行政区分の変更たる大阪都構想が何を目指しているのかすら判然としない。行政の内臓脂肪を除去するのなら、まず公的簿記・会計すべてを複式簿記・会計に変更し、企業会計原則に準じた厳しい会計原則を公的会計にも適用することだ。
 そうすれば自と「総額主義の原則」から特会の存在は会計基準違反となる。期間損益確定主義により摩訶不思議な「基金」などの創設は許されないだろう。歳入庁を創設するまでもなく、国に入るすべての税や負担金や手数料などは会計が一本化され、国民は全国どこからでもコンビニなどで支払出来るようになるだろう。

 政治家はなぜそうした抜本的な改革を大きく主張し、志さないのだろうか。会計基準が統一されれば市販されている会計システムなどで簡単にすべての公的機関の会計がT化され、すべての公的機関の連結決算も瞬時にして出来るだろう。そうしなければこの国の社会インフラの維持・管理に一体いくら予算が必要なのかすら、判然としない手探り状態で官僚の出す数字を信用するしかない状態が続くことになる。
 国民はこの国を支える税や負担金などを支払っている。だからすべての公的情報を知る権利を有する。株式上場している企業は証券取引所に有価証券報告書を報告する義務を有している。それと全く同じことが国や地方自治体や公的機関に課されてしかるべきが、おざなりの会計報告が官報等に掲載されるだけで、全体像を知るのは容易ではない。

 橋下氏やみんなの渡辺氏たちは自民党の補完勢力でしかない、とかねがね批判してきた。消費増税やTPPに対する彼らの容認度は野党とは云い難い。もちろん「野合三党合意」した民主党も自民党の補完勢力でしかない。
 そうした意味で国民は野党各党に対して心から自民党に対立する野党と見なすことが出来なくなっている。だから共産党が支持を伸ばしたのだ。真の第二極を形成しなければ自公政権はやりたい放題に日本を米国のポチへとさらに貶めるだろう。

 まず新野党政党は主張として日本の国家としての独立を実体の伴うものにすべきと掲げるべきだ。独立国とは軍事統帥権と課税徴収権と関税自主権を有する国家組織を指す。残念ながら日本は首都圏の周辺に外国軍の駐留を許し、とても「独立国」とは云い難い。安保条約は必要だが、国家の防衛に必要な米国軍の配置は首都圏ではないはずだ。在日米軍のありようはあたかも日本の米国からの離反に備えているかのような布陣にしか見えない。
 そして関税自主権のすべてを放棄し、貿易に関連すると称して国民生活に土足で踏み込むような内政干渉までもISD条項で求められる条約に参加するとは狂気の沙汰でしかない。日本の未来に大きな禍根を残しかねない暴挙になぜ共産党と社民党を除く野党は真剣に「反対」を唱えないのだろうか。

 課税徴収権という国民を苦しめる権限だけを日本は遺憾なく発揮して国民生活を貧困に陥れようとしている。この国の政治家たちは何処を見て政治をやっているのだろうか。
 最低限、消費増税に反対する政治家たちを糾合しなければならない。それが野党の新党結成の基軸になるだろう。すべての消費に対して8%の税を課す日本の消費税は世界でも最高税率の消費税だということを忘れてはならない。マスメディアは欧州各国の消費税(付加価値税)が20%前後の高税率だと喧伝しているが、なぜか日本のマスメディアは欧州各国が食料品や医療費など人間の生存権に関係する消費税は非課税か数%の低税率としていることを伝えようとしない。国税収入に対する消費税の割合は欧州と比較しても20%前後と既に日本の消費税は肩を並べているのだ。直間比率のありようを論じるなら、消費増税をするのなら所得税の超過累進税率の復活をまず議論すべきだ。

 政治は基本に立ち返るべきだ。マチマチとした「花一文目」の遊びで政党ごっこを続けてはならない。政治家は基本となる政治理念を共有すべきだ。同床異夢などという便宜主義を持ち込んではならない。野党結成に向けて基本的な理念を一致した者たちで政策を論じあうべきだ。そうすれば消費増税で民主党と袂を分かった小沢氏たちが野党再編の中心となるべきなのは自明の理だろう。


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