99%のための情報民社化社会の実現を。

 政府機関の一部が閉鎖した「財政の壁」を巡り、米国が大統領と下院議会民主党との対立が抜き差しならないものになっている。10月17日までに米国が新たに国債を発行して財源を確保しなければ順次政府機関閉鎖が他の主要部署へも波及し、10月30日には償還期限を迎える米国債の償還が出来なくなるデフォルトに陥ることになる。
 大統領と下院民主党がチキンレースを演じている原因はオバマの社会保障制度改革にある。日本では暮らせない国民年金は放置したまま高額支給の共済年金や厚生年金の一部を温存したまま「社会保障費が足りない」という理由で貧困層に重税を課す「消費増税」を安倍氏は決定したが、反対に米国ではオバマ氏が貧困層にも医療保障を与える医療保険制度を発足させたことに民主党が反発しているのだ。

 米国の1%の保険会社や富裕層の利益を確保するために99%の人たちもすべて過重な医療費負担から解放してマトモな医療を施す医療保険制度をオバマ氏が推進したのが対立の原点だ。逆に日本では高齢者に対して1割負担から2割負担に増やし、年金も一律に減額するという暴挙を繰り広げている。
 米国では1%の富裕層の利益を優先する「新自由主義」が議会共和党を後押しし、オバマの社会保障拡充政策を潰そうとしている。米国では貧困問題も個人的な問題で、個人の自由な裁量と才覚で解決すべきだ、という伝統的な考え方がある。だからといって、富裕高齢者に対して高額な年金を支給するという発想もない。それも個人の自由な裁量と才覚だというのだ。

 日本では1%は就職の段階で決まる。有利な年金制度の職場に所属することが老後の生活すらも左右する。1%は実は国民の奉仕者面をしている公務員たちだ。ただ彼らは99%の人たちだけでなく、自分たちも税負担しているではないかと嘯くのが彼らの常套だ。しかし彼らが手にしている所得はすべて国民負担により賄われているのは紛れもない事実だ。
 日本の医療保険制度は優れている。しかし運用において信じられないロスが存在し、依然として放置されたままなのも事実だ。なぜカルテを電子化して全国一律管理しないのか、このIT社会において不思議でならない。医療水準を高度化し維持するためにもカルテは医師もしくは医療法人の個別的な所有物であってはならない。レセプト管理に別組織を必要としているのも膨大なカルテの点検を手作業で行っているからだ。そうした膨大な無駄と人的ミスの入り込む危険性を放置したままなのは官僚たちの怠慢そのものだ。

 個人情報を国家管理に委ねるのか、というバカな評論家や文化人が必ずいるが、彼らは人権の擁護者ではなく、むしろ製薬会社や医療法人や開業医団体の手先に過ぎない。国民の健康と医療を守るには監視機関が必要だ。国家によるカルテの一元管理は喫緊の課題だ。個人情報管理・運用は副次的な解決可能な問題に過ぎない。
 この国はマスメディアも含めて情報過疎社会だ。米国の深刻な財政問題をどれほど日本国民に報せているだろうか。米国の防衛・外務と日本の防衛・外務のドップが会って会談したのは何も対中関係を話すためだけではなかったはずだ。主眼は米国政府が財政危機に陥った場合の「安保の運用」だったと考えなければならないだろう。日本各地の米軍基地に約5万人の米軍兵士がいる。彼らを飢えさせないだけでなく日々の訓練や運用を可能ならしめる諸経費をいかに調達するのかを話し合ったとみなければならない。実際にどうするのか、という報道は日本のマスメディアに皆無だ。

 この国の報道機関は一体何を考えているのだろうか。何を国民に伝え、何を伝えないかを誰が何処で判断しているのだろうか。連綿と続く寡占報道マスメディアがテレビまでも支配し、この国の報道を云わば独占している状況は異常というしかない。99%の側に立つ報道機関を一日も早く立ち上げなければならないが、その萌芽はネットの中にある。それを育てて全国ネットのテレビ局の一つでも買収するまでにならなければこの国の情報民主化は実現できないだろう。


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