衝撃的な都議選の結果を見ても、まだ民主党は原点回帰できないのか。

 　昨日（6/23）投開票の東京都議選で民主党は議会第一党から第四党へ転落する壊滅的な敗北をした。去年12月に大敗した衆議院議員のまま、民主党が解答的な出直しに本気で取り組まなかった結果が如実に現れているといえよう。

　この結果を見ても、民主党が解党的な改革が出来ないとしたら、一月にも満たず実施される参議院選挙で民主党候補者たちは軒並み落選すると覚悟しなければならないだろう。解党的改革こそが民主党に求められ、政権交代可能な野党が存在する健全な議会制民主主義がこの国に根付くためにも、民主党は改革しなければならない。

 

　民主党はなぜ大敗続きなのか、なぜ有権者の信を失ったのか、生半可な反省では信頼と支持を取り戻すことは出来ない。それで良い、自分たちさえ良ければ、この国の民主主義が危機にあるなどとは関係ない、というのなら次の選挙で落選するまでダラダラと議席を温めていれば良いだろう。確実にいえることは国民の信は戻らず、民主党は本当に瓦解することを覚悟するしかないだろう。

 

　2009民主党マニフェストにより民主党を支持し、民主党政権に期待した国民を裏切ったのはなぜだろうか、と民主党執行部は真摯に回顧すべきだ。2009当時の民主党と現在の民主党とを比較して、一体何が一番大きな変化かを検証すれば改めて指摘するまでもなく明らかだ。

　それでも現在の民主党で良いと、お座成りの反省で糊塗してかつての執行部を勤めた連中が碌に反省しないで党内に居座るとすれば民主党は滅ぶしかないか、一部労組支持者だけの弱小政党として無視される程度の政党として存在するのを余儀なくされるだろう。

 

　国民の信頼を取り戻し、国民政党として自公政権に対抗する第二極を形成するには2009マニフェストへ回帰することだ。それらは失敗したはずではないか、という反論が聞こえるとしたら、まさしく小沢氏を政権中枢から遠ざけたからに他ならない。

　民主党が急速に国民の信頼を失ったのは民主党の主導権を握った連中が2009マニフェストを裏切り国民の期待を裏切ったからに他ならない。いかにマスメディアが逆風を吹かせようと、民主党国会議員は一致結束して小沢氏を誹謗中傷するマスメディアと戦い、検察と戦う小沢氏を擁護すべきだった。政権政党ならそれが出来たはずだ。筋を通さず、マスメディアによって勝手に作られた世論に突き崩される程度の政治家たちの腰のフラツキ具合が国民の信頼を失う大きな原因になったという反省をなぜしないのだろうか。

 

　アベノミクスは放っていても早晩馬脚が現れる。中国経済は一次短期金利が30％に跳ね上がり、金融政策でソフトランディングを中共政府がコントロールできる段階を通り越している。韓国経済も既に「第二の徳政令」を朴政権に国民が求める段階に到っている。既に中・韓政府とも異常な外需頼りの経済運営に行き詰まり、バブル崩壊は確実に進行している。その影響が為替相場を通して我が国に及ぶのは時間の問題だ。

　経済政策として実態が何もないアベノミクスは国際金融の崩壊直前の凪状態に現れた金融緩和策による一時的な円安によるモノに過ぎない。中国金融策の失敗によるバブル崩壊規模は465兆円規模と、日本のバブル崩壊規模150兆円規模をはるかに上回るものだ。だから私は一日も早く中国から企業は撤退すべきだと警告し続けて来た。モロに直接中国バブル崩壊の波をかぶるのは中国へ進出していた企業たちだ。

 

　安倍政権の無能さはそろそろ実証されるが、翻って去年大敗して以来、民主党は一体何をして来たのか。「消費増税」を政策として提起しそれを「野合三党合意」により成立させ、民主党を大敗へと導いた民主党執行部たちを党から追放しただろうか。なんとなく「仲良しクラブ」のままで党の生温かい椅子に居座り続け、大きな顔をして民主党の実力者然として振舞うバカ者たちを一体いつまで放置し続けるつもりだろうか。

　民主党にもはや時間は残されていない。解党的改革を直ちに実施すべきだ。「消費増税」に賛成し「TPP参加」を画策し「原発再稼働」に手を貸した者たちを直ちに党から追い出すべく、両院議員総会を開いて路線を2009マニフェストへ回帰させるべきだ。当時の民主党がやったばら撒きと、現行安倍政権がやっている15ヶ月予算に見られるばら撒きと、どっちが大きなばら撒きで国民経済に対して効果の低いばら撒きかを国民に訴えるべきだ。

 

　官僚の御用聞きに堕した理念なき政治家は民主党から追い出し、理念の政治家小沢氏とその仲間を三顧の礼を以て民主党へ戻って頂くことだ。官僚が最も恐れ、国民が最も望む「国民政党」民主党の復活はそれ以外にあり得ない。一日も早い行動こそが「茫然自失、思考停止」状態からの脱却に必要だ。