北朝鮮のミサイル危機を煽ったのは北朝鮮とマスメディアだ。

 客観的に見て、北朝鮮はミサイルを撃たない。金政権にとって最大の敵は日米韓ではなく、満足に食料を配給していない国民の不満だ。


 北朝鮮は民主国家ではない。いうまでもなく世界に珍しい社会主義国家を標榜している。しかし実態は国民を養うよりも政権を養うのに汲々としている独裁・全体主義国家だ。


 


 自らの政権すら満足に養えない金とその取り巻きな取って、自分たちの暮らしこそが最重大事で、国家も国民もすべてはそのために存在している。春を迎えて食糧不足は深刻となり、ミサイルや核爆弾技術など北朝鮮の数少ない輸出商品を外国に売ろうにも武器輸出禁止や核技術拡散防止により売れないため脅しをかけたに過ぎない。


 しかし金政権は自暴自棄になったわけではない。食糧支援を引き出すための環境作りをしていただけだとみるべきだ。本当にミサイルを撃てば金・北朝鮮は一瞬にして瓦解するのを金政権の中枢は知っている。


 


 私の想像でしかないが、米国のステルス爆撃機やミサイルやトマホークが北朝鮮の軍事施設や政府の主要な施設に照準を定めて配備を終えているだろう。ただ単に飛来する北朝鮮のミサイルを撃ち落とすだけで米国が済ますわけがない。


 地下深くに避難している若い金独裁者も北がミサイルを発射すれば無事では済まないのを承知している。だから口先だけで日米韓に脅しをかけているが、未だに北によるサイバー攻撃すら始まっていない。


 


 現代の戦争はサイバー攻撃から始まるだろう。敵国のコンピュータが混乱し機能停止すれば近代兵器のほとんどは使い物にならないからだ。


 つい先日に韓国で起こった軍部や金融機関や政府機関の数万台のコンピュータへの再稼働不能はサイバー攻撃ではなく、マイクロソフト社によるwin7sp1更新プログラムの強制更新によるものだったとする説が有力になっている。


 


 つまりマイクロソフト社が韓国内の不正os使用問題に業を煮やしてwin7のsp1更新ソフトをwin7をosとして使用しているコンビータへ送信して相手の承諾なしに適用したからではないかといわれている。不正osの使用に関して、実際にマイクロソフト社は韓国軍部のwin7不正規os使用に対して141億円の損害賠償を請求している。


 北朝鮮の恫喝外交は米国と韓国から譲歩を引き出しつつある。世界にとって迷惑千万な北朝鮮だが、これ以上のチキンレースを金政権にやらせていて本当の自暴自棄に陥らないとも限らない。一瞬のうちら金政権を崩壊させるのは簡単だが、その後始末に中国を含めた関係諸国は大きな代償を支払わされ手を焼くことになる。それなら金政権を飼い馴らすしかない、と判断したのだろう。米国は中国と北朝鮮への対応に関して話し合いを始めた。


 


 しかし、それにしてもここ十日ばかりのこの国のマスメディアの歓喜に満ちたハシャギ振りは何だろうか。これで雑誌が売れるゾ、とでも思ったのだろうか。冷静に見ればミサイルを北朝鮮が発射しないのは分かっていたはずだ。


 国民に冷静な対応を求めるのがマスメディアの役目のはずだ。それが金政権と一緒になって「戦争の鳥羽口」を演出するとは何事だろうか。北朝鮮の脅しに慣れ切った韓国内の平穏な暮らしぶりを伝えていれば良かっただけだ。北朝鮮関係のコメントを述べるのを専門としているコメンテータもテレビ画面の中で深刻そうな顔をしていたが、本気で彼らは北朝鮮による戦争の危機を感じていたのだろうか。それとも金政権が自暴自棄になることを望んでいたのだろうか。



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