猪瀬知事のオンゴールでオリンピック東京招致は終わった。

 大名行列のような米国旅行を満喫し、ニューヨーク州知事にオリンピック東京招致の協力をお願いしたまでは目的に合致した行動だったが、記者会見で「画竜点睛を欠く」の大失態を犯してしまった。こともあろうに2020年オリンピックの招致運動で鎬を削っているスペインやトルコの悪口を口走ってしまったのだ。


 オリンピック憲章では招致運動で他の招致を求める国や地域の悪口を言ってはならないと定められている。それを米国にとっても頭の痛い「イスラム教」を取り上げて批判したのだ。蛇足とはまさしくこのことだ。なぜ言わずもがなの宗教問題にまで言及したのだろうか。


 


 猪瀬氏は450万票を得て東京都知事に就任したと自慢していた。前の石原晋太郎知事よりも上回った得票数に足の踏み場もないほど躍り上がって喜んでいたが、これで何もかも失うだろう。それも猪瀬氏の思考回路が幼児ほど幼稚だったがためだ。


 イスラム教は争いばかりしている、とは何事だ。世界で争いを好むのはイスラム教の信者たちだけではない。キリスト教の信者たちもかなり戦争が好きなようだ。そうした事柄を論ってオリンピック招致とはオリンピック精神に反するだろう。


 


 世界に争いが絶えないから、せめてはオリンピック開催中だけでも戦争をやめて平和の祭典に集おう、というのがオリンピック精神ではなかったか。


 猪瀬氏は自ら東京招致運動をぶち壊してしまった。さて、これまで投じた招致費用の請求書を東京都民は猪瀬氏に突き付けようではないか。



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