闇雲にTPP参加を促すこの国のマスメディアの胡散臭さ。

  安倍首相の訪米と米国大統領との会談を控えて、何をお土産にすべきかとの議論がこの国のマスメディアを中心にしてかまびすしい。一つには財政の崖に直面している米国債の大量購入であり、一つには欠陥戦闘機のF35やB787などの購入実績報告と、残る一つがTPP参加表明だと騒ぎ立てている。


 なぜ米国の大統領と会談するのにお土産が必要なのだろうか。これまでも経常的に日本は世界でも飛び抜けた在日米軍予算負担率の負担を支払って来た。世界でも危険な基地とされている「普天間基地」返還の見返りに、辺野古沖移設を日本の予算でやらなければならないとマスメディアは大合唱を展開している。


 


 この国は一体何処で、誰が主人なのだろうか。いうまでもなくこの国は日本で日本国民が主人だ。米国の州の一つでもなければ米国人がご主人様でもない。


 その日本国民が普天間基地は危険だから閉鎖して米軍は移転せよ、と主張すれば米軍はサッサと移転すべき筋のはずだ。ドコソコに代替施設をどの程度の広さで造れと命じられる筋合いはない。


 確かに日米安保条約では日本は基地を提供する義務があると書かれているが、ドコソコに基地を設置すべきと場所の限定列挙はなされていない。何処へ移そうが主権国家日本の都合で決めて良いはずだ。


 


 尖閣諸島へ中国が触手を伸ばしているから沖縄に米軍が必要だ、との議論が俄然と勢いを得ているが、米軍が沖縄にいても中国は平気で触手を伸ばして来たし、中国艦船は沖縄列島の弧を突き破って太平洋まで進出している。米軍がいてもそうなったのだから沖縄米軍はまるで役立たずだったということになりはしないだろうか。


 普天間基地を移設するのなら辺野古沖ではなく、いっそのこと尖閣諸島へ移転して、キチンと日本国防衛の任務にあたって貰いたいものだ。それすら出来ないで日本国内に居座って米軍兵士が犯罪を繰り返すのなら、トットと引き揚げてもらいたいものだ。


 


 戦前軍部の暴走とそれを煽って応援するこの国のマスメディアにより近隣諸国民のみならず、すべての日本国民が大いなる不利益をこうむった。そうした「大本営発表」を垂れ流した報道姿勢をGHQにより真摯に反省させられたはずのこの国のマスメディアは忽ちGHQの広報機関になり下がった。


 米国で開催される野球の祭典に参加するチームを「侍ジャパン」と名付けたようだが、私たちの地方には「侍茶屋」という釜飯屋がある。侍が釜飯屋を経営しているとはチンプンカンプンな発想だが、侍が野球をするというのもチンプンカンプンな発想だ。日本国民にとって言葉は羽毛の如く軽いモノとなり「気分」や「雰囲気」だけのものに成り下がったかのようだ。


 


 しかしTPPとは単なる言葉遊びではないし、ましてや「関税の聖域なき完全撤廃か否か」の単純な話でもない。マスメディアはTPPの問題点を農業だけに限定したがっているようだし、それは安倍政権がTPP問題を矮小化しなうとする姿勢と軌を一にしている。つまりこの国のマスメディアは政府の広報機関そのものに成り下がっていることを如実に示している証拠の一つだ。


 この国の自由なマスメディアが存在しないと主張しているのは「国境なき記者団」の世界ランク53位にはっきりと示されている。それが間違っているというのならこの国のマスメディアは恥じて反省ずべきか、抗議すべきだが、そのいずれの行動も起こさなかった。つまり世界ランク53位の自由度しかないという事実を是認し、それに対して反省することもなかったということだ。


 


 TPPが問題なのは「非関税障壁」という概念だ。それは関税そのものではなく、その国の文化や仕組みまでもズカズカと土足で入り込んで大きな顔をして指摘し批判し賠償金をフンダクルという根拠条文に他ならない。その事の大きさを「聖域なき関税撤廃には応じられない」などと出来レースを窺わせるミエミエの猿芝居を安倍首相が演じ、マスメディアが乗っかって「聖域を設ければTPP参加は了だ」との国民合意形成に励んでいる。戦前の軍部に協力したマスメディアと今日のマスメディアの何処が異なるというのだろうか。腐り果てたマスメディアしか持てない日本国民は自分の頭でしっかりと考えないとこの国の未来を誤りかねない。



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