橋下「維新の会」の正体が明らかになりつつある。

  これほどいかがわしい政党があっただろうか。まだ政党要件を整えていないというが、まさに動きは政党そのものだろう。なにしろ既成政党から政治家を引き抜いて政党要件を整えようとしているのだから。


 


 それも政治理念が何なのか首を傾げざるを得ない面々だ。参集しようとしている政治家一人ひとりは御立派なのかもしれないが、消費増税に対して賛否はどうなのか、脱原発に対する賛否はどうなのか、TPPに対する賛否はどうなのか、最低保障年金制度に対する賛否はどうなのか、少子化対策たる子供手当てに対する賛否はどうなのか、歳入庁創設に対する賛否はどうなのか等々、政治理念を共有する人たちが集まっているとはとても思えない。


 


 さらに橋下新党から出馬が取り沙汰されている人たちの名にテレビキャスターの辛坊治郎氏や元横浜市長の中田氏や元宮崎県知事の東国原氏などが聞こえてくると、一体橋下新党の政治理念は何なのか、疑いは一層深くなる。名が売れていれば誰でも良いのかと乱暴な人選に驚くし、そして安倍晋三氏にも声をかけていたと報じられているのを見ると、橋下新党は第三自民党だったのかと思わざるを得ない。


 


 年会費12万円を支払って橋下新党に参加した900人からの連中こそいい面の皮だろう。彼らは橋下氏の人気のバロメータに使われただけのことだ。もっとも一年程度石原都知事や東国原氏たちの講義を聴いただけで一人前の政治家が出来上がるとは到底思えない。松下政経塾の輩出した政治家たちがいざ政権に就くとどれほど無能・無力だったか、民主主義の根本原理たるマニフェストに書かれていることはやらず、マニフェストに書かれていないことに命を賭けるトンチンカンばかりだったことからも容易に解るだろう。


 


 マスメディアが作り上げた橋下新党のイメージを剥ぎ取り、その実態を仔細に検証しなければならない。果たしてこの国の政治の第三極たる政治勢力を担うべき力量があるのか。浮き草のような言葉だけの政治は松下政経塾生たちだけで沢山だ。国民生活に根ざした政策と、確実に実施する政治力を兼ね備えた政治勢力はどこに存在するか、問うまでもない。小沢氏たちの「国民の生活が第一」だけではないだろうか。



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