司法当局と検察はこの国の「法と正義」をどうするつもりなのか。

  司法当局は純然たる「法と正義」に奉仕する機関でなければならない。いかなる政治勢力に利用されることもなく、たとえ仲間といえども「法と正義」に悖る者には厳しくその罪を問わなければならない。その司法当局の一角をなす検察が今何をしているのか、国民に胸を張って説明できるだろうか。いうまでもない、陸山会捏造疑惑事件のことだ。


 


 どのように決着をつけるつもりなのか、検察当局に司法当局は事情聴取しなければならない時期を既に過ぎている。小沢氏を法廷に引っ張り出した時点で、この国の司法当局の「法と正義」は瓦解していた。それも常識では到底考えられない驚くべき「推認」に次ぐ「推認」による秘書三人に対する有罪判決が出る前に、幕引きを考えなければならなかった。


 


 司法当局が一線を超えたのは小沢氏に対する「強制起訴」の段階だった。今もって第五検審会の委員はもとより、審議議事録すら公開されていない。法廷ですら公開の原則があるのに、市民による検察審査会が全くの非公開で、それによって「強制起訴」されるという前代未聞の責任の所在すら明確でない「起訴件」の超法規的存在をこの国の司法当局は認めたのだ。


 


 指摘するまでもなく、日本国憲法の根幹として三権分立が定められている。しかし東京地裁第五検察審査会という摩訶不思議な機関により、小沢氏は「強制起訴」された。司法でもなく行政でもない機関が起訴権限を持つという異常事態に法学者や法曹界から異議の申し立てが行われないのはどうしてだろうか。この国は既に三権分立の大原則は溶解して、何でもアリの状態になっていると理解すべきなのだろうか。それなら法治国家とはいえない、司法当局により恣意的に誰でも起訴できる魔女狩り裁判の存在する国家だといわざるを得ない。


 


 小沢氏の裁判を司法当局はこれ以降も続けるつもりなのだろうか。公訴棄却すべき事由に事欠かない以上、司法当局は「法と正義」に基づき処分すべき検察官を処分して、これ以上日本の検察制度が壊れるのを防がなければならない。さもなくばこの国の司法当局に対する国民の信頼は地に堕ちるだろう。それがどのようなことをこの国の社会にもたらすか、当局者たちは胸に手を当てて真摯に思惟を巡らすべきだ。この国の「法と正義」を司法当局はどうするつもりなのか、あなた方の挙動をじっと息を潜め見詰めている大勢の国民がいることを忘れてはならない。



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