100日以上も経って出てきた復興対策。

 6/25日に復興構想会議から提言が首相へ出されたが、誰もが当然考える範囲で目新しいものは何もなかった。


 「逃げる」を基本にして町造りせよ、とは提言されるまでもなくスーパー堤防と称された防潮堤すら易々と越えられた実態を見れば、大津波の最高高を想定した対策は想定が崩れれば何にもならないことが証明されている。だから「逃げる」を結論とするいうのは当然のことだ。


 


 復興構想会議の「復興への提言」の要旨を挙げれば次の通りとなる。

1・災害時の被害を最小化する「減災」の考え方が重要

2・地形、産業が多様な被災地を5類型に分け、復興施策のポイントを提示

3・区域・期間を限定し、規制・権限の特例などを設ける「特区」手法の活用

4・復旧・復興財源は、次の世代に負担を先送りせず、臨時増税措置を基幹税を中心に多角的に検討

5・国は一刻も早く原発事故を収束させ、原因究明と影響評価、事故対応の妥当性の検証を徹底的に行う

6・再生可能エネルギー導入を加速。全量買い取り制度の早期成立、実施が不可欠



 上記の結論を得るためにこれまでの時間を掛けたのかと愕然とする。4項目以外は誰でも当然のことと考える事項ばかりだ。


 4の財源に関しては種々異論がある。増税しか財源がないのか、ということだ。この際だから米国債を売却して財源にしても良いのではないだろうか。次世代へ負担を先送りせず、との文言は一見マトモにみえるが、そのために次世代の日本をマトモな国にするための「子供手当」をなくせという議論は頂けない。


 特殊出生率が改善されたとはいえ、まだ1.39では日本は急速な人口減社会のままだ。年々人口が減少する事態ほど次世代の国民に与える大きな負担はないだろう。人口減がどれほど地域社会を破壊するかを、災害を契機として考えなければならない。それが全国に及ぶのが「人口減」社会の病理なのだ。


 


 菅首相の肝煎りで策定された「平凡な」結論を手にして、復興はやっと本格的に始まるのだろうか。瓦礫は未だに散乱してハエが大量発生して、これからはネズミなどの大量発生にも備えなければならないのかと懸念を覚える。それらを介して感染症が蔓延しないかと高温多湿な夏を目前にして対策はどうなっているのかと政治家に問いたい。


 なんともチョースローな政権だ。そして原発の廃止を訴えない提言が、財源に関してだけは「次世代に負担を先送りしない」と特段の項目を設けて記載するとは能天気といわざるをえない。被災地に大きな負荷を掛けているのは原発事故ではないだろうか。それはまさしく次世代を狙い撃ちする。


 それならなぜ原発事故に関連して「年間1ミリシーベルト」を超える地域のすべての幼・児・生の疎開をすべき、と提言しなかったのだろうか。現政府の最大の罪悪は放射能被曝にたいして深刻に捉えていないことだ。可及的速やかに疎開させなければ日々被曝している幼児や子供たちの健康は蝕まれている事実を直視しなければならない。しかし復興会議は見事にスルーしている。時間を掛けてしかも有効な提言は何もない、実に平凡ありきたりの財務官僚の作文そのものだった。菅政権とその仲間には失望を禁じ得ない。「馬鹿げた提言を策定するよりも、被災者が最も良く実態を知っているし、地域の人たちの叡智に任せるしかないのだから、政府は一日も早くカネを作って被災した地方自治体へ送金せよ」と会議への招聘を断った人はいなかったのだろうか。


 



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