ヘタな民営化をやめて、すべて公務員にすべきだ。

　省庁の外郭各種団体や公益法人をすべて官庁に取り込み、そこの職員を公務員にすべきだ。そうすれば天下りはなくなる。すべてが省庁の部局に取り込まれるのだから、高額な家賃を支払っている公益法人は霞が関の庁舎へ入れば良いし、公務員だから公務員法の規定に則った報酬で働くことになる。職員が15人しかいない宝クジの広報活動部署が年間約18000万円もの家賃を支払って高級ビルに入居している必要はなくなり、霞が関ビルが満杯になれば廊下に机を並べればいいだろう。

 

　かくも膨れ上がった官僚の利権外郭団体を放置したまま、一部を事業仕分けで改革しても、時間がたてばまたぞろ元の木阿弥に帰すのは明らかだ。それなら国会議員の目に見える省庁の中に取り込んでガバナンスを働かす方が余程マシだ。そして公務員の人数が単位国民あたり少数だという不当な宣伝をさせないことだ。国家予算の丸投げと本来なら国庫に入るべき講習会費などを法人の収益として勝手に使われているのだ。それが公務員でなくてなんだろうか。

 

　ここは一旦すべてを公務員に取り込み、その上で必要な事業か否かを国会議員与野党で特別委員会をすべての省庁単位に設け一年中国会を開き、全員参加で仕分けすべきだ。

　公務員とは放置しておけば仕事を無限に作るものだ、という箴言がある。それをチェックするのが議員のはずだが、議員が公務員を甘やかして口利きを聞いてもらってきた持ちつ持たれつの関係が長く続いてきた。そうした国民不在の利権構造で水膨れに膨れ上がった準公務員を外郭団体職員として国民の目から隠して利権を温存させるのではなく、公務員に取り込むことにより徹底的に可視化して不合理な部分と病巣を削除することだ。

 

　それは国だけのことではない。どの地方でも県庁所在地の電話帳を捲ってみると良い。どれほど日頃聞きなれない公益法人や～協会というその他の法人が多いか驚くばかりだ。それらもすべて県の所管部課に取り込んで公務員にすべきだ。そして今後一切の外郭団体の創出を許さないことだ。

　取り込んだ公務員の仕事が何か、地方議員は本気で取り込むことだ。都道府県議会議員の報酬が実に高額なのは承知の通りで、議員としての仕事と見合っていないと不満を抱いているのは私だけではないだろう。さらに市町村にも同じような外郭団体が無数に存在する。ためしに何処の自治体でも予算書を取り寄せて補助金なるものを洗い出してみると良い。誰でも補助金交付団体の数の多さに驚くだろう。

 

　財政破綻したギリシアが公務員天国で悪評を浴びている。４人に1人というのは余りに酷いが、日本もそうして外郭団体を取り込んでから改めて検証すればギリシアとそれほど変わらないと気づくだろう。いうまでもなく破綻させずに国が支援したJALも公務員としてカウントすべきだし、各JRも清算事業団へ移した旧国鉄債務がある限り公務員としてカウントすべきだ。郵政も公務員だし、地域独占を保障されている電力会社も公務員だ。そして公的資金で救済され、銀行法で手厚く守られている銀行も公務員だ。専売公社からJTや塩事業へ看板を変えても独占事業のままなのも公務員だ。もちろんNHKも公務員だ。そうしてカウントすれば日本の単位人口当たり公務員の数が「先進国では少ない」と自慢できなくなるだろう。

 

　看板だけ架け替えて中身が変わらないという誤魔化しは止めよう。この国がいかに官僚天国なのか、実態をしっかりと見るために誤魔化しのフィルターを取り除いて見なければ実像は明らかにならない。そうしないと本当の改革はできない。上っ面だけを掠め取っても、膿の芯は体の深層部に残ったままだ。

　国民は官僚によって操作された数字を見せられている。本質を見なければ何も変革できない。このブログで以前公会計に会計システムを導入せよ、と書いた。単式簿記で連綿と済ませてきた官公庁の実にいい加減な数値管理を企業会計原則が適用できるように複式簿記に改め、しかも国民の誰もが検証できるように会計情報としてネット上に公開すべきだ。

　食料自給率もカロリーベースで発表しているのは日本と韓国ぐらいで先進国では消費金額方式を採用している。そうした小手先の情報操作で国民に不当に食糧危機を煽っている。農水省は食糧自給率が低く食糧危機が身近であればあるほど自給率向上対策予算を多く獲れる。そうした現実があるためカロリーベースで自給率を発表し続け、41％しかないと国民に不安感を煽っている。マスコミも大本営発表を国民に伝達するだけの政府広報機関になっているため、言論界のチェックも働かない。

　他の先進国のように金額ベースで計算すれば日本の自給率は67％となり英国の６１％を上回る。そうしたこともしっかりと国民に伝える省庁とマスコミになって欲しいものだ。