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中東の戦禍を拡大しているのは宗教指導者たちだ。

<イスラエル軍は28日、レバノンのイスラム教シーア派の民兵組織ヒズボラの指導者ナスララ師を殺害したと発表した。レバノンの首都ベイルート南郊にあるヒズボラの本部を27日に空爆した。  ヒズボラもナスララ師の死亡を確認した。ヒズボラと後ろ盾であるイランにとって大きな打撃となる。  ヒズボラは声明で、ガザとパレスチナを支援し、レバノン市民を守るためイスラエルとの戦いを続けるとした。ナスララ師がどのようにして殺害されたのかは明らかにしていない。 ナスララ師はイランの支援を受けるヒズボラを32年間率いて勢力を拡大し、イランの影響力を中東全域に広げる役割を担ってきた。  イラン国営メディアによると最高指導者のハメネイ師は声明で、イスラム教徒に対しイスラエルと対峙するレバノンとヒズボラへの支援を呼びかけた。  イスラエル軍は、別の最高幹部アリ・カラキ氏も殺害したとしている。軍は声明で「ヒズボラの指揮官らが本部で活動し、イスラエル国民に対するテロを画策する中で攻撃を実施した」と発表した。地下にいたナスララ師を狙って本部を空爆し、アリ・カラキ氏のほか他の司令官も殺害したという。  イスラエル軍は27日、ヒズボラ本部を空爆したと発表していた>(以上「REUTERS」より引用) 「 イスラエル、空爆でヒズボラ指導者ナスララ師殺害 イランにも打撃 」との見出しがあるが、なぜヒズボラの指導者ナスララ師が殺害されたらイランにも打撃があるのか。それはイランのハメネイ師独裁政権がレバノンに拠点を置くテロ集団ヒズボラの宗教指導者ナスララ師を援助していたからだ。  ヒズボラはイランから武器、資金、人員などの支援を受けているとみられていて、その金額をアメリカ政府は年間1億ドル(140億円)以上と推計している。それだけの支援をイランから受けていて、ハマスとイランがイスラエルと戦っているのを傍観することは不可能だ。テロ集団にはテロ集団の生き方があって、イランから手厚く支援を受けているテロ集団ハマスの苦境を救うためにヒズボラも対イ戦争に介入せざるを得なかったのだろう。  かつてヒズボラの指導者ナスララ師はヒズボラの戦闘員は10万人いると豪語していた。しかし 米中央情報局(CIA)の「ザ・ワールド・ファクトブック」によると、22年時点の戦闘員は推定4万5000人で、うち2万人が現役兵で2万5000人が予備兵だと...

石破政権に国民は何を期待すれば良いのか。

<自民党総裁選は27日、石破茂元幹事長(67)が決選投票の末、第1回投票でトップだった高市早苗経済安保相(63)に逆転して新総裁に選出された。最終盤で、石破氏は「岸田文雄首相の路線継承」を打ち出して旧岸田派(宏池会)の支持を得た。石破氏は30日にも新執行部を立ち上げ、来月1日召集の臨時国会で102代首相に指名される。党内にリベラル系と保守系の分断が顕在化するなか、新閣僚・党役員は「岸田院政」を感じさせる布陣となるのか。石破氏の政権運営については、早くも外交・安全保障や経済政策で懸念が噴出しており、日経平均株価先物は一時2000円超も急落するなど、「石破ショック」が語られ始めた。 ◇ 「国民を信じ、勇気と真心を持って真実を語り、日本をもう一度、皆が笑顔で暮らせる安全で安心な国にするため全身全霊を尽くす」  石破氏は27日午後、自民党本部で新総裁としてこう語り、党の結束と国民の信頼回復を呼びかけた。  今回の逆転勝利は、内閣支持率が30%以下の「危険水域」に沈み込み、総裁再選を断念した岸田首相の力が大きい。総裁選のキングメーカーとみられた麻生太郎副総裁と菅義偉前首相がにらみ合うなか、岸田首相が27日午前、「決選投票は、高市氏以外の党員票が多い候補でいく」と旧岸田派議員らに〝指令〟を出し、流れは決まった。今後、岸田首相は「闇将軍」のように振る舞いそうだ。 その石破氏に早くも懸念の声が出ている。  まず、外交・安保姿勢だ。石破氏の「政治の師」は、日中国交正常化を成し遂げた田中角栄元首相であり、対中融和傾向が強い。総裁選では、「アジア版NATO(北大西洋条約機構)構想」や「日米地位協定の改定」を掲げた。  米国政治に詳しい福井県立大名誉教授の島田洋一氏は「米国は現在、覇権主義的傾向を強める中国を警戒し、半導体分野などを中心にデカップリング(切り離し)を進めている。石破政権が『米中等距離外交』を打ち出すようなら、日米関係は極度に悪化する。『アジア版NATO構想』や『日米地位協定の改定』も懸念事項だ。あやふやな対中姿勢も相まって、米政界には早くも石破政権を不安視する声があがっている」と語る。 北朝鮮による拉致被害者救出でも大いに不安がある。  石破氏は総裁選で「東京・平壌での連絡事務所開設」を掲げ、被害者家族会の猛反発を受けた。「拉致問題の幕引き」が警戒された「日朝合同調査委員会...

増税するまでもなく、PB黒字化は実現する。

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< 日本の財政は大幅に改善している  長年の間「日本の財政が厳しい」と言われてきたが、ここに来て財政指標が大幅に改善している。2024年1~3月期時点の「政府債務残高の対GDP比(粗債務)」を見ると、前年から▲5%ポイント近く低下し、コロナ前の水準に戻っている。 「政府純債務/GDP比」に至っては、前年から▲17%ポイント以上低下し、2010年1~3月期以来、実に14年ぶりに100%を下回った。  図表1を見れば、日本の財政が急速に改善していることがお分かりいただけるだろう。 出所=日銀、内閣府 筆者作成 財政改善の最大の理由は「インフレ」  なぜ財政が急速に改善しているのか。その最大の理由は「インフレ」だ。  岸田政権を含め、近年の政権によって進められた増税によって、政府の税収が増えていることも一因だが、「インフレ」の影響が最も大きいと考えられる。  一般的に、政府債務残高の対GDP比は、経済成長率やインフレ率によって変動する(※)。2023年度の低下幅(▲11.0%ポイント)の中身を詳しく見てみると、「増税などで財政収支が改善した影響」より、「名目経済成長率(経済成長率+インフレ率)」の影響のほうがはるかに大きい。名目経済成長率の中でも、「インフレ率上昇」の影響が95%以上と、はるかに大きいことがわかる。 出所=日銀、内閣府データを基に筆者作成 (※)一般的に、B:政府債務残高、Y:名目GDP、PB:基礎的財政収支、i:名目利子率(=当期利払費/前期債務残高)、g:名目GDP成長率(=rg:実質GDP成長率+d:GDPデフレーター伸び率)とすると、債務残高/GDPの変動については以下の式により要因分解できることが知られている。 B/Y-B(-1)/Y(-1)=PB/Y+(i-rg-d)×B(-1)/Y つまり、基礎的財政収支要因:PB/Y、利払費要因:i×B(-1)/Y、経済成長率要因:-rg×B(-1)/Y、インフレ率要因:-d×B(-1)/Yとなる。 増税しなくても財政は改善する  なお、23年度の財政改善の幅は「過去最大」(現基準の資金循環統計が公表された98年以降)である。日本政府は、「政府債務残高/GDP比」の上昇を抑制するために、「プライマリーバランス(PB)」(基礎的な財政支出と税収が均衡している状態)を目標としてきた。  だが、財政を改善するには...

覆水盆に返らず。中国の反日に日本人が本気で怒りを覚えた。

<木原防衛大臣は、イスラエル軍とイスラム組織の交戦が続く中東レバノンに在住している日本人の退避に備え、自衛隊機を周辺国に派遣し待機するよう命じました。  中東レバノンでは、現地に拠点を持つイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」と、イスラエル軍の交戦が続いています。 防衛省によりますと、きょう、上川外務大臣から木原防衛大臣に対し、レバノンに滞在する日本人の国外退避に向けた準備要請があったということです。   これを受け、木原防衛大臣は航空自衛隊の輸送機を周辺のヨルダンとギリシャに派遣し、待機させるよう命じました。 外務省関係者によりますと、レバノンには現在50人ほどの日本人が滞在しており、このうち国外退避を希望しているのは10人に満たないということです>(以上「TBS」より引用) 「 レバノン情勢受け、自衛隊機を周辺国に派遣へ 木原防衛大臣が命令 」との見出しが目に付いた。中東の戦禍はレバノンにも及び、そこで暮らす邦人保護に政府が乗り出すという。  現在レバノンには50人ほどの日本人が在留しているが、帰国を望んでいるのは10人ほどだという。10ほどなら自衛隊機を一機ほど派遣すれば全員搭乗できる。  しかし、これが中国だとどうだろうか。2022年段階で中国に在留する日本人の数は約10万2066人だ。コロナ禍があって減少したとはいえ、10万人を超える日本人が中国にいる。中国経済が極端に悪化し、中国民の不満が外国人傷害事件として見られるようになっている。  先日あった深圳の日本人学校へ登校途上の10歳の日本人男児が刺殺された事件に対して、中国政府は正式に謝罪すらしていない。しかも「個別的な事件」として、政府による反日教育が日本男児刺殺事件の遠因になっていることを認めていない。日本人にとって中国民も危険だが、それ以上に日本人の刺殺事件があっても日本国民に謝罪すらしない中共政府の方がもっと危険だ。  日本人がレバノンから避難するのはレバノンに拠点を置くテロ集団ヒズボラがイスラエルをミサイル攻撃し、その報復としてイスラエル空軍戦闘機がレバノンを空爆したからだ。レバノンがイスラエルの攻撃目標とされ、そこでの暮らしが安全でなくなった。  しかし中国の場合は違う。中国民が日本人を攻撃目標として、身体的に弱い子供を標的として襲う、という極めて危険な状況にある。政府は中国に進出している...

中共政府はハリボテ・ポンコツ兵器を大量に製造して何をするつもりか。

<米国の国防当局者は26日、中国が最新鋭の原子力潜水艦の沈没を隠蔽(いんぺい)していると語った。   今年、造船所で発生したとされる沈没については同日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が最初に報道。後に衛星写真で、大型のクレーンが潜水艦を引き揚げる様子が確認された。   国防当局者は匿名を条件に、「人民解放軍(PLA)海軍が、新型の攻撃型原子力潜水艦が桟橋付近で沈没した事実を隠そうとするのは驚くべきことではない」と発言。  さらに「訓練基準や装備の質に明白な疑問があるのは当然として、この出来事は人民解放軍内部の責任と、中国の防衛産業に対する監督をめぐる、より深い疑問を浮き彫りにしている。中国の防衛産業は長年、腐敗に悩まされている」と指摘した。  最新鋭原潜の沈没は、世界最大の海軍の近代化を進める中国にとって大きな打撃となる>(以上「AFP」より引用) 「 中国、最新鋭原潜沈没を「隠蔽」 米国防当局者 」とAFPが世界に配信した。中国の原潜が沈没したのではないか、と噂されるのは今回が初めてではない。これまでも何回かそうした兆候があった。  今回は軍港の桟橋付近で「衛星写真で、大型のクレーンが潜水艦を引き揚げる様子が確認された」というものだ。幸いにもまだ就航前の原潜内部の艤装段階で、原子炉の爆破による「事故」ではないようだ。しかし原潜が沈没すれば、それなりに犠牲者は出ただろう。  日付も場所も秘匿されていて明確になっていないが、昨年のある時に中国本土からそれほど離れていない太平洋で中国原潜が沈没した、との「未確認情報」が流れたことがある。それは海中に設置した地震計に不自然な波形が現れ、その近海の海水から放射能濃度の高い特別な核種が観測された、という。  観測したのが海上自衛隊なのか、それとも米軍なのか明らかになっていないが、おそらく原潜を追尾していた海上自衛隊の可能性が高いが、中国原潜の乗組員は全員一瞬にして溶けたのではないかと思われる。実に痛ましいことだが、中共政府はそこまでして世界水準の海軍力を手に入れて何をしようとしているのだろうか。  引用記事では米軍当局が「「訓練基準や装備の質に明白な疑問があるのは当然として、この出来事は人民解放軍内部の責任と、中国の防衛産業に対する監督をめぐる、より深い疑問を浮き彫りにしている。中国の防衛産業...

石破総裁とは、国民にとっても日本にとっても最悪だ。

< 29歳 当時 全国最年少で初当選  鳥取県知事や自治大臣を務めた石破二朗氏の長男として生まれました。  慶応大学を卒業後、銀行に勤めていましたが、田中角栄・元総理大臣の勧めで政治の世界に入りました。  田中派の事務局職員を経て1986年の衆議院選挙に立候補し、当時、全国最年少となる29歳で初当選します。そして、リクルート事件をきっかけに党内の若手議員が結成した研究会に参加し、小選挙区制の導入など政治改革を訴えました。  1993年には、政治改革法案の取り扱いをめぐって、野党が提出した宮沢内閣に対する不信任決議案に賛成して自民党を離党。新生党、新進党を経て、1997年に自民党に復党しました。2002年に小泉内閣で防衛庁長官として初入閣し、防衛大臣、農林水産大臣を歴任しました。 2012年の総裁選挙で安倍氏に敗れる  自民党が野党だった2012年の総裁選挙では最も多くの党員票を獲得しましたが、決選投票で安倍元総理大臣に敗れました。  第2次安倍政権発足後は、党の幹事長や地方創生担当大臣として政権を支えましたが、退任したあとは、安倍氏と距離を置きます。4回目の挑戦となった2020年の総裁選挙では菅前総理大臣に敗れ、前回・3年前の総裁選挙には立候補せず河野デジタル大臣を支援しました。  2015年に立ち上げた派閥は、所属議員の減少などを受けて3年前に事実上解散し、その後は近い議員と政策勉強会を重ね、全国各地を回って講演するなど活動を続けてきました。そして、今回の総裁選挙では先月24日に地元・鳥取の神社で立候補を表明し、選挙戦では、災害時の対応に一元的にあたる「防災省」の創設や地方の活性化を実現すると訴え、岸田総理大臣の経済政策を引き継ぐ考えも示していました。 「防衛オタク」「鉄道オタク」料理好きとしても知られる    安全保障政策に精通していることで知られ、戦闘機や軍艦のプラモデル作りを趣味としていることもあって「防衛オタク」とも呼ばれています。また、東京と地元・鳥取の間をあえて鉄道で移動するなど、「鉄道オタク」であることも公言しています。かつての人気アイドルグループ「キャンディーズ」のファンで、ラジオ番組に出演した際、彼女らの解散宣言に触れ「キャンディーズに及びもつかないが普通のおじさんに戻りたい」と述べて話題になりました。  夏目漱石や森鴎外といった文学から...

OECDの見通しでは2024年も日本のGDPはマイナス0.1%になるという。依然として「失われた30年」は続いている。

<経済協力開発機構(OECD)は25日、世界経済見通しの中間評価を発表した。2024年の日本の国内総生産(GDP)の実質成長率は前回5月時点の予想に比べ0.6ポイント引き下げ、マイナス0.1%になるとした。主要7カ国(G7)では唯一のマイナス成長となる。25年は1.4%とプラスを見込んでいる。  OECDのチーフエコノミストのアルバロ・ペレイラ氏は朝日新聞のインタビューに応じ、大幅な下方修正は、1~3月期のGDPがマイナス成長になったことを踏まえたものだと説明。「日本の成長は今年の残りの時期、そして来年はかなり力強い」との見方を示した。日本銀行が進める利上げについては「日銀はやるべきことをやっている。緩やかな利上げは適切だ」と述べた。  24年の世界経済全体の実質経済成長率は3.2%と前回予想より0.1ポイント上方修正した。G7の中では米国が2.6%と最も成長率が高く、日本に次いで低いのはドイツの0.1%。中国は4.9%とした>(以上「朝日新聞」より引用) 「 日本の24年経済成長率はマイナスに G7で唯一、OECD見通し 」という見出しに驚いた。なぜなら日銀がマイナス金利政策から金融引き締めに転じたばかりだからだ。日銀は何をしているのか、と日本の経済動向と日銀の金利政策とのチグハグ感に納得いかない。  経済成長がマイナスなら、経済政策は金融拡大と経済拡大策を展開するのが常識だ。しかし日本の金融政策と経済政策はアベコベでも一向に構わない、ただただPB黒字化目標だけ達成できれば良い、とするバカな政治家ばかりだからだ。  OECDは2024年日本のGDPはマイナス0.1%になるとの見通しだという。それなら日銀は金利引き上げなどすべきではないし、政府はデフレ経済であることを認めてデフレギャップを埋めるために積極財政に舵を取るべきだ。  しかし自民党岸田政権も立憲党の野田代表も積極財政に舵を切ろうとしない。呆れるばかりの「ザイム真理教」の信徒たちだが、それでは国民が益々貧困化するだけだ。もちろん日本国家は衰退し、国力を増すどころではないし、国土強靭化の公共事業予算も割増しで実行することはない。  国民の喫緊の政治要請は「失われた30年」からの脱却だ。政治家はいかにして「失われた30年」を終わらせるかを語らなければならない。しかし立憲党代表になった野田氏は街頭に立って「政治改...

日本の戦後を終わらせる高市総理であれ。

< 深圳で刺された日本人男児が亡くなった翌日、日中で交わされた「重要な合意」  9月18日、中国広東省深圳で、日本人学校に通う10歳の日本人男児が、44歳の失業者の中国人男性に刃物で襲われ、翌日に死亡する事件が起こった。この問題は、いままさに佳境に入っている自民党総裁選でも、9人の候補者たちが揃って怒りを表明するなど、新たな日中問題の火種となっている。  22日には柘植芳文外務副大臣が急遽、訪中して、翌日に孫衛東中国外交部副部長に抗議。国連総会が開かれているニューヨークでも、日本時間の24日に上川陽子外相が、中国の王毅外相と会談し、抗議した。  中国の王毅外相と会談した上川陽子外相。深圳市で起きた日本人男児刺殺事件について容疑者の厳正な処罰を申し入れたが、王毅氏から「日本側は事件を冷静かつ理性的に扱うべきであり、政治問題化し、拡大させることを避けるべきだ」などと釘を刺され、握手までしてきた。  この一週間というもの、まさに深圳の凶悪事件に、日中関係は振り回された感がある。だがそんな中で、20日に日中間で「重要な合意」がなされていた。  中国は昨年8月24日から、福島第一原発のALPS処理水(トリチウムを除くすべての放射性物質を安全基準を満たすまで浄化した水)が、太平洋に放出され始めたことを理由に、日本産水産物の輸入を禁止してきた。その輸入を段階的に再開していくという合意だ。9月20日午後、日本外務省と中国外交部が、ほぼ同時に発表した。  だがこの両国の発表文、内容が微妙に違うのである。合意した内容は一つのはずなので、おかしな話だ。 悪事を働いた日本を中国が叱ったかのような表現  まず発表文のタイトルが、日本側は「日中間の共有された認識」となっている。一方の中国側は、「中日双方が福島第一原発の核汚染水の海洋排出問題で達した共通認識」。つまり日本側では、「何について」共有されたかが明記されていないが、中国側は「核汚染水の海洋排出問題」と明記している。「核汚染水」とは、「ALPS処理水」の中国側の呼称で、危険さを強調するためにこう呼んでいるものと思われる。  次に「前文」は、日本側では以下の通りだ。 「日本と中国の関係当局は、福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の海洋放出に関し、建設的な態度をもって協議と対話を通じて問題を解決する方法を見いだしていくという首脳間の共...

高市総裁で自民党は劇的に変わる。

< 進次郎氏早くも失速で、自民党総裁選劇場のシナリオに狂い  自民党総裁選で、大本命とみられた小泉進次郎氏の勢いが失速しているようだ。もしかして、高市早苗氏または石破茂氏が総理・総裁の座に就く可能性もあるのだろうか。  そうなると、“刷新感”の衣を纏った進次郎劇場を総選挙に向けて繰り広げ、国民を幻惑しようとする自民党裏選対のシナリオは崩れてしまい、逆に地味な代表選を続ける立憲民主党にとっては、一筋の光明となる可能性がある。  16日の読売新聞オンラインに、党員・党友への電話調査(14、15日)と、国会議員に投票先を取材した結果が掲載されている。  それによると、党員・党友の投票先は、石破氏が26%、高市氏が25%、小泉氏が16%で、他の候補者に圧倒的な差をつけている。これを票として試算すると、石破氏が97票、高市氏が94票、小泉氏が60票になるという。  また、誰に投票するかを党所属国会議員の96%に当たる352人から聞き取りしたところ、小泉進次郎氏(45人)、小林鷹之氏(40人)、林芳正氏(35人)、茂木敏充氏(33人)、高市早苗氏(29人)、石破茂氏(26人)、河野太郎氏(24人)、上川陽子氏(23人)、加藤勝信氏(21人)の順になった。もっとも、「未定」と「未回答」の91人がどうするのかは、わからない。“勝ち馬”を見定めたいということだろうか。 「石破氏vs高市氏」の決選投票になる可能性  今回の総裁選は9人もが乱立しているため、票が分散し、国会議員367票、党員・党友367票による1回目の投票で過半数を獲得する候補者はいないとみられている。注目のマトは、決選投票にのぞめる上位2人が誰になるかだ。  そこで、この読売調査で判明した党員票と議員票を足してみると、高市、石破両氏が123票で並び、小泉氏が105票となった。実に意外な結果である。  読売だけではない。日本経済新聞社とテレビ東京の世論調査(13~15日)でも、自民党支持層に限れば、トップの石破氏が25%、2位の高市氏が22%。小泉氏は21%で、前回のトップから3位に転落した。  石破氏への支持はもともと高かったので不思議はない。特筆すべきは、ついこの間まで小泉氏や石破氏の後塵を拝していた高市氏の急伸だ。もともとネット上では、安倍元首相の後継者として人気があったが、ここへきて岩盤保守層の界隈では、高市総裁...

崩壊する中国は何処へ向かうのか。

<中国人の富裕層が今年、数千億ドル(数十兆円)規模の資産を海外に移転させている-。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は11月下旬、こう報じた。中国人富裕層は日本で高級マンションの物件を相次いで購入したり、海外の貯蓄型保険商品を購入したりと、資産移転の形態は様々だ。背景には自国の不動産不況や、習近平指導部の独裁体制強化といった諸要因がありそうだ。 スーツケースに大量の札束 「金の延べ棒に東京のマンション、中国のカネがいかに海外に流れているか」  NYT紙(電子版)は11月28日、世界第2位の経済大国・中国から、富裕層が資産を海外に相次ぎ移転させている現状を派手な見出しとともに伝えた。  豪華な庭で有名な東京の超高級マンション「ブランズタワー豊洲」や、夜の美しい姿が水面に映る「パークタワー晴海」の写真も掲載。中国本土からの購入者を「魅了している」との説明も添えた。  東京の300万ドル(約4億4000万円)超の高級マンションの物件購入者として中国人が台頭し、札束をスーツケースに詰め込んで支払う-との中国人向け不動産業「神居秒算」の趙潔氏のコメントも紹介している。  趙氏は「これぐらいの量の札束を数えるのは骨が折れる」と興奮気味に説明。活況に喜びを隠せない様子が浮かび上がる。  同氏によると、中国人はコロナ禍前、東京の33万ドル(約4850万円)以下のワンルームを個人の居住用に使うケースが多かったという。ところが今は、富裕層が家族のメンバー用に「より大きな部屋を購入する」傾向にあるという。 機内の手荷物に金の延べ棒  中国人富裕層は当局の規制をかいくぐる形で、金の延べ棒や、換金した外貨を航空機内の手荷物の中に忍ばせることもある。  また、香港で銀行口座を開設し、海外の貯蓄型保険商品を購入するため送金も行うという。NYT紙によると、香港・九龍半島の銀行前では、開店1時間半前の午前7時半から、本土から来た中国人の長い行列があった。人気商品は3万~5万ドル(約440万~740万円)。富裕層や中国民間企業が今年、海外に毎月持ち出している額は推定500億ドル(約7兆3500億円)に上るという。 習近平政権体制に懸念  中国はコロナ禍の約3年間、厳格な「ゼロコロナ」政策を敷き、都市封鎖(ロックダウン)をはじめ極端な政策が自国経済に大きな打撃を与えた経緯がある。  個人投資家の投機対...