世界から自らをデカップリングする中国。

<中国メディアの観察者網は21日、「中国の対日レアアース輸出量が低迷、日本はエアコンを解体したり海底を掘ったりしても救いようがない」と題する記事を掲載した。

 記事は、中国税関総署のデータを引用し、6月の中国から日本へのレアアース磁石の輸出量は128トンだったと報道。前月より5トン増加したものの、依然として低水準にとどまっているとした。一方、中国の世界向け輸出量は前月比で約19%増加したと強調し、中国の対日レアアース磁石輸出量はこれまで1カ月当たり200トンを超えていたが、3月と4月には180トン台に減少し、5月以降は120トン台まで落ち込んでいると説明した。
 そして、中国側の輸出規制の影響で日本企業のレアアース調達コストは上昇していると指摘。サプライチェーンリスク管理会社Resilire(レジリア)が、レアアースや関連材料を調達する400社を対象に実施した調査では日本企業の調達コストが昨年以降20%以上上昇したことが明らかになったとしたほか、40%以上の企業がコスト上昇分の半分も販売価格に転嫁できていないと回答していることにも言及し、「日本企業のレアアース調達に占める中国依存度は平均61%に達している」と述べた。
 また、専門家から「供給不安が長期化すれば、日本国内の生産活動に影響が及ぶ可能性がある」との指摘が出ているとし、野村総合研究所の試算を基に、「レアアースの供給停止が3カ月続いた場合、日本経済への損失は約6600億円に達し、1年間続けば2兆6000億円に拡大する可能性がある」と説明した。
 記事は、「日本政府は中国依存の低減に向け、重要鉱物の安定確保を急いでいる」とし、その例として三菱電機などが使用済み家庭用エアコンからレアアースを抽出する取り組みを行っていることを紹介。回収した室外機から圧縮機を取り出して分解し、ネオジムなどのレアアースを含む磁石を取り出した後、精製して再び製品製造に利用するというもので、試算ではエアコン製造に必要なレアアースの約35%を再利用品で代替できるとした。
 一方で、「家電製品の分解は難しく、コストも高いほか、回収率や純度にも課題がある」と言及。「インバーター式エアコン1台に含まれるレアアースは約20~30グラムにすぎず、レアアース1キログラムを抽出するには数十台の廃棄エアコンを分解する必要がある。また、抽出できるのは主にネオジムなどの軽レアアースで、純度は80%未満にとどまる」と指摘した。
 さらに、「三菱電機は年間約23万台のエアコンを回収する計画だが、この規模では年間で回収できるレアアースは数トン程度。一方、日本が年間に消費するレアアース磁石は約2万トンに上り、当面の供給不足を解消するには不十分だと指摘されている」と伝えた。
 記事はこのほか、日本が南鳥島周辺の海底からレアアースを含む泥の採掘を計画していることについても、専門家から「実現までには10年以上かかる」との指摘が出ていること、コストは中国産レアアースの20倍に達する可能性があることなど、課題を列挙。世界屈指のレアアース埋蔵量を誇るグリーンランドに日本が代表団を派遣して調査を行ったことについても「グリーンランド政府や住民は、漁業や環境への影響を懸念し、レアアース採掘について慎重、あるいは反対の姿勢を示している」と強調した>(以上「Record China」より引用)




中国の対日レアアース輸出が低迷、「エアコン解体しても海底掘っても救えず」と中国メディア」と中国当局が発表をした翌日の2026年7月24日、日本政府の海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、南鳥島沖の深海6000メートルから引き揚げた泥の成分分析結果を発表し、イットリウムやネオジムなどの貴重なレアアースが複数確認されたと明らかにした。
 確かに6,000mの深海から泥を引き上げるのはコストがかかる。奴隷同然のウィグル人労働者を酷使して採掘し、放射能汚染も気にしないで精錬する中国製レアアースとは価格勝負できない。日本は南鳥島で精錬まで行う予定だが、その場合推定される価格は中国製の約20倍に達するとされる。

 しかしレアアースとは極めて微量だけ必要とされるもので、製造段階でレアアースを必要とする強力モーターの価格に転嫁される日本製レアアースによるコスト増は一製品当たり10円ほどだという。つまり気にしなくて済む程度でしかない。
 しかも南鳥島沖の深海から採れるレアアースは幸いなことに放射性物質を殆ど含んでいない。だから海洋汚染を気にすることなく南鳥島に精錬・精製工場を建設して、レアアースを製品にして島外へ搬出できる。その利点は計り知れなく、太平洋の真っただ中から直接輸出することが出来る。共同開発に名乗りを上げた米国にとっても悪い話ではない。

 欧州諸国でも中国離れが加速していて、日本のレアアースに熱い視線を注いでいる。そのためか、中国のレアアース精製現場では倉庫に在庫が積み上げられているという。それでも採掘現場を維持するため、レアアース採掘を止めることは出来ない。中国のレアアース価格が暴落するのも時間の問題になっている。
 中国が「世界の工場」としてサプライチェーンのカギを握っている、という「強み」を最大限発揮して世界各国に圧力をかけたが、それが却って中国のアキレス腱になりつつある。先進諸国が中国から生産工場を徹底されているからだ。指摘するまでもなく投資家たちは逸早く中国の金融市場から撤退している。中国の収縮する国内信用取引と、外資撤退のダブルパンチを受けて、中国は未曽有の金融不況に陥っている。それこそが中国民から明日への希望を奪い、社会に壮絶な喪失感を漂わせる根本要因だ。しかし中共政府は金融政策に余りに疎く、手を拱いて事態の悪化を見守っているだけだ。

 当時の首相李克強氏が「中国の人民のうち約六億人が月収1,000元(当時のレートで約1万5,000円)以下の貧困層だ」と発言したのは2020年5月28日だった。それから六年が経過して、事態はますます悪化している。
 もはや社会を機能させる基本的な公務員給与すら減給・遅配が当たり前となり、医師や看護師にマトモな給与が支払えず、基本給だけしか払っていない病院が圧倒的多数だ。もちろん人民解放軍兵士たちの給与も減額され、遅配だという。習近平氏は腐敗を理由に軍幹部の60%を粛清したという。だから軍事演習程度は出来ても、台湾進攻は基本的に無理だと軍幹部は認識している。

 これらのことから中国は覇権国家を目指すのではなく、近隣諸国との友好関係を基本とした福祉国家を目指すべきだ。もちろん国際的な「民族自決」を容認し、侵略している旧満州やモンゴル、新疆ウィグル地区やチベットや雲南省などの地域への支配から手を引くべきだ。
 漢民族は歴史的に漢民族が暮らしてきた地域で国家を形成すべきだ。それこそ身の丈に合った版図を国家とし、国民の最大幸福を目指す国家建設に舵を切り替えるべきだ。他民族の地域を併呑して、永遠に持続した歴史は古今東西にない。紛争の絶えない問題を抱えたまま、他国へ侵略戦争を仕掛けることなど自爆行為でしかない。たとえ台湾を統一したとして、それで中国人民にとって何か良い事でもあるのか。現在中国はチベット人やウィグル人やモンゴル人の暮らす地域を併呑しているが、それで漢民族にとって幸福度が増しているだろうか。

 他民族の国や地域を侵略した国は世界のどの国からも信頼されない。信頼のない国と、関係を深めて共に国益を分かち合う国はない。いつ掌を返されるか分からない国が世界のリーダーになることなどあり得ない。
 供給過剰な生産設備を建設して、世界中に洪水のように製品を輸出する国は相手国の産業を破壊する。一時的には安価な製品に飛びつくかも知れないが、それが自国民の雇用を奪い、自国民の貧困化の輸入だと気付いた時、洪水のような中国製品の流入から自国を守ろうとする。そうした動きにより、中国はますます世界各国からデカップリングされる。狭くなった地球で「唯我独尊」的な振る舞いは許容されない。排除されるだけだ。

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