プーチンが「停戦合意」を死守するとでも本気で思っているとしたら、トランプ氏は余程お目出度い。

<ロシア大統領府の発表によると、プーチン大統領は27日、ウクライナ侵略を続けるロシア軍の指揮所で軍幹部らと会合を開き、「ウクライナが和平を望まないなら、武力で全ての課題を解決する」と語った。28日に米国とウクライナの首脳会談が行われるのを前に、和平交渉で妥協しない姿勢を強調した。

 会合では露軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長がウクライナ東部ドネツク州の要衝ポクロウシクに近いミルノフラドや、南部ザポリージャ州フリャイポレなどを制圧したと説明した。プーチン氏は「前線の全てで確信を持って主導権を保持し、軍事作戦を遂行し続けている」と述べた。
 ロシアには、これまでウクライナに譲歩を迫ってきたトランプ米大統領に対し、米ウクライナ首脳会談を前に改めて露軍の優勢を印象付けたい思惑もあるとみられる。

露軍は首都キーウなどへの大規模攻撃も行った。
 ウクライナ軍などによると、露軍は26日夜から27日、ミサイル40発と無人機(ドローン)500機以上で各地を攻撃。キーウでは集合住宅などが被害を受け、1人が死亡、子どもを含む32人が負傷した。一帯では停電も発生した。
 ウクライナ軍参謀本部は27日、東部や南部の戦況に関する露軍の主張を否定したうえで、「大きな『成功』を収めたという偽の声明」をロシアが米国などに向けて流していると訴えた。>(以上「読売新聞」より引用)




プーチン氏「ウクライナが和平望まないなら、武力で全て解決」…和平交渉で妥協しない姿勢強調」と、プーチンはいよいよ強気のようだ。ウクライナがロシアの要求を呑まない限り、決して停戦する気はないという。
 いやウクライナがロシアの要求を呑めば、次の要求を突き付けてくるのは火を見るよりも明らかだ。なぜならプーチンにとってウクライナ戦争が継続している方が独裁者の地位を保つのに有利だからだ。プーチンに両国民が辛酸を舐めている現実など眼中にない。ただただ自身の地位安泰こそが最大の目的でしかない。

 ロシアはウクライナの民間施設や民間人が多く暮らしている発電所や都市を攻撃している。それは政治国際条約で禁止されている非戦闘員に対する犯罪行為だ。だからウクライナもロシアの石油精製所やモスクワの攻撃に踏み切っている。
 戦争が人類に幸福をもたらしたことなど過去に一度もない。悲惨で惨たらしいだけだ。ウクライナへの軍事侵略に踏み切ったプーチンこそ万死に値する。

 好い加減、トランプ氏はプーチン相手に停戦合意など無意味だと理解すべきだ。ウクライナ国民の多くは1994年12月5日のブダペスト覚書すら守れなかったではないか、とロシアに対する疑念が渦巻いているのではないか。
 ロシアとの国際条約など殆ど無意味だ。ブタペスト合意では、ウクライナが核兵器を放棄することと引き換えに、調印当事者の英国、米国、ロシアに義務が提示されていた。すなわち、この三国政府はウクライナの領土一体性に対して、軍事力を行使または利用しないことを保障し 、この規約への疑義が生じた場合には、英国、米国、ロシアが協議の場を持つことを義務づけていた。しかし、それらはすべて反故になっている。

 ブタペスト覚書はソ連崩壊以後にウクライナとロシアが国境や安全保障を巡って初の「国際的な合意」を英国と米国を「覚書」の裏書人として締結した。しかしそれ以後、ロシアがウクライナのクリミア半島や東部二州のロシア併合を一方的に宣言して、ブタペスト合意を破棄した。それに対して、英国と米国はロシアに対して経済制裁しただけで、覚書の裏書人として殆ど実効的な役割を果たしていない。
 トランプ氏はブタペスト合意に参加した民主党の大統領クリントン氏の尻拭いはしたくないだろうが、米国の大統領としてウクライナの停戦条件を全面的に呑むべきだ。出来ればブタペスト合意の線まで、ロシアを押し返す必要がある。そうしなければ「武力による国境線の変更」が国際的に承認されることになり、世界各地で紛争が起きる「導火線」になりかねない。未来への禍根を発つためにも、プチンを戦争犯罪人として国際司法裁判所で裁く必要がある。そうしたケジメすら付けられないのなら、トランプ氏は大きな顔をして停戦合意の仲介役などしてはならない。現代のチェンバレンとして汚名を歴史に刻むだけの未来が、トランプ氏には見えないのだろうか。プーチンが「停戦合意」を死守するとでも本気で思っているとしたら、トランプ氏は余程お目出度い。

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