スタンディングオペレーションが気持ち悪いのではなく、「兵隊さんありがとう」が気色悪いのだ。

<「スタンディングオベーションをすると叱られるというのは、グローバルスタンダードに合っているのか」。自民党の高村正彦副総裁は30日の役員連絡会でこう語った。

 米国議会の大統領演説では聴衆が立ち上がる場面がよく見られる。高村氏の発言は「国際標準」を持ち出すことで、批判をかわす狙いとみられる。党幹部の一人は「起立して拍手することを禁じている国などない」と語った。

 首相は衆院本会議での所信表明で領土や領海の警備を続ける海上保安庁、警察、自衛隊の活躍を挙げ、「今この場所から、心からの敬意を表そう」と呼び掛けた。首相自身も壇上で拍手したが、長引いたため大島理森議長が「ご着席ください」と議場を制した>(以上「毎日新聞」より引用)

 スタンディングオペレーションが気持ち悪い、といっているのではない。ことさら安倍氏が「警察、海保、自衛隊の各員に感謝の念を捧げよう」と呼びかけたのに対して、自民党議員が立ち上がって拍手した映像が戦前・戦中の国民学校児童が先生に唱和して「兵隊さんありがとう」と言わされていた図と重なって見えたから気色悪いのだ。
 高村氏がスタンディングオペレーションを禁止するのはグローバルスタンダードに合っていない、と発言したのはお門違いだ。なにもすべてのスタンディングオペレーションが悪いといっているのではない。「兵隊さんありがとう」と自民党国会議員が総立ちして拍手したのが、戦前・戦中の国民学校生徒でもあるまいに、と感じたからに他ならない。

 確かに安倍自公政権になって軍靴の響きが耳元で聞こえ始めた。彼が首相になって、日本はいきなり好戦国になったかのようだ。南シナ海に軍事基地を建設するなどして進出した中国に対して、日本の首相が中国を牽制するのはなぜだろうか。
 中国は南シナ海で日本は当事国ではない、余計な口出しをするな、と批判している。確かに中国のいうとおりだ。日本は南シナ海に領空も領海も有していない。そうした意味では日本は当事国ではない。
 ただ安倍氏の理屈は南シナ海を日本の船舶が多く航行しているから、シーレーンを守る意味から日本も当事国だ、というものだ。しかしそれは屁理屈というべきだろう。そうした伝でいけば世界中の出来事が日本も当事国ということになる。それは大変危険な発想だ。

 奇しくも高村氏はグローバルスタンダードという言葉を使った。平和憲法を制定していて軍隊(グローバルスタンダードに照らせば自衛隊は軍事力世界第10位の軍隊だ)を保有するのは立憲主義国のグローバルスタンダードにそぐわないのではないだろうか。
 安倍氏の下で自民党国会議員も日本の好戦国化を推し進めているかのようだ。「戦争法」制定はまさにその象徴だが、戦前の治安維持法に勝るとも劣らない「緊急事態法」の制定を目論んでいる。歴史に学ばない愚者たちの集団だと批判するしかない。そして愚者たちを選出する国民・有権者も戦争の体験に学ばない愚者以下だと敢えて批判する。


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