安倍氏は国益よりも「手柄」を優先ているのか。それにしても愚策だ。

<よほど安倍首相が強い指令を現場に出しているのだろうが、強行採決を予告するのは異常だ。それにしても、なぜ首相は、ここまでTPPに執着しているのか。「北方領土返還のためだ」という意外な解説が流れている。政界関係者が言う。

「支持率をアップさせたい安倍首相は、ロシアに巨額な経済支援を約束してでも北方領土の返還を実現させたい。でも、オバマ大統領は、日ロの急接近を不快に思っている。そのオバマ大統領をなだめる材料がTPPだとみられているのです。TPPをレガシーにしたいオバマ大統領は、まだ成立を諦めていない。安倍首相は、TPP成立を後押しする代わりに、日ロの接近について認めてもらうつもりだろうと囁かれています」
 バーターということなのか。元外交官の天木直人氏はこう言う。
「もし、オバマ大統領のためにTPPに執着しているとしたらナンセンスです。もう、オバマ大統領は力を失っている。大統領候補のヒラリー、トランプの2人もTPPに反対している。安倍首相がTPPにこだわっているのは、中国に対する敵愾心からでしょう。アジアの秩序は中国につくらせない、という気持ちだと思います」

 いずれにしろ、国益は度外視ということだ。TPP交渉はコメ、麦、砂糖、牛肉・豚肉、乳製品といった“聖域”さえ守られなかった。TPPが導入されると国益は大きく損なわれる。なのに、安倍自民党は“強行成立”させるつもりなのだから、とんでもない話だ>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)

 TPPは死に体になっている。たとえオバマ氏が批准を強行しようとしてても、米国議会は承認しないだろう。なぜなら大統領任期が後わずかとなっている「死に体大統領」の機嫌を議会が取るとは思えないからだ。
 しかも次期大統領候補の二人ともオバマ氏のTPPを継承して成立させようとはしていない。トランプ氏はTPPそのものに反対しているし、ヒラリー氏は現在のTPPには賛成できない、内容変更交渉は避けられないとしている。だが、安倍氏はTPP交渉で妥結した現在のTPPを変更するつもりはないと国会で断言している。

 つまり安倍氏はオバマ氏と心中するつもりのように見える。少なくともオバマ氏が後わずかな任期の間は現行TPPの批准を「強行」する気のようだ。
 しかしヒラリー氏が大統領になれば日本が批准したTPPは反故にされて、内容変更交渉が再開されるのは火を見るよりも明らかだ。それは米国議会は日本が大量の自動車を米国に輸出して米国民の職場を奪っている、と勘違いしているからだ。
 トランプ氏に至っては日本は憎っくき敵役のように思い込んでいる。仇を討つには日本が再び海洋軍事大国になるのを抑え込んでいる「日米安保条約」を廃棄しても良いと考えているようだ。戦後71年間のGHQ以来の米国の対日戦略の大転換を行うつもりのように見える。しかし当のトランプ氏はそうしたパラダイムシフトの大転換をするつもりで発言したのではなく、単に米国民の歓心を買うためのリップサービス程度にしか考えていないのだろうが、彼の発言は重大だ。

 安倍氏はいずれが大統領に当選するにせよ、TPPを批准したところで米国から無視されるだけだ。そしてヒラリー氏が勝てばTPPの再交渉に応じるしかないことになる。だがトランプ氏が当選すれば安倍氏は真っ向から米国大統領と対立することになる。
 オバマ氏の機嫌を取ってまでプーチン氏に領土問題の端緒を付けるというのは余りに幼稚的に過ぎる。代償として経済援助を行う、というのは馬鹿げたことだ。対中経済支援がどんな形になって日本に災いをもたらしているか、経験に学ぶ愚者以下の安倍氏ということになるだろう。それこそが彼の実像といえばその通りなのだが。


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