猪瀬東京都知事の5000万円報道と小沢氏の「政治とカネ」報道とは均衡を逸していないか。
小沢氏は実態のない水谷建設からの政治献金5000万円で元秘書が強引に罪に問われようとした。その授受の創作芝居をテレビで「再現ビデオ」として放映までされて「クロ」との印象作りにマスメディアは躍起になって火のない所に煙を必死になって立てた。 しかし実態のない現金授受はついに立件されず、訴因から消えてなくなった。しかしマスメディアが小沢氏に対して報じた数限りない「政治とカネ」プロパガンダをマスメディアは国民と小沢氏に謝罪することもなく、テレビなどで口をきわめて小沢氏を罵った評論家たちも素知らぬ顔をして未だに出続けている。 一方、猪瀬氏の5000万円は実態のあるカネだ。猪瀬氏がいかに説明しようと、実態のあるカネが消えることはない。短期的に借りたと猪瀬氏が強弁しようと、借用書や金銭消費契約書などはおろか、念書や覚書などの走り書きの一通として存在しない5000万円もの「借入金」がこの世にあるはずがない。 よしんば借入金だとして、去年十二月に実施された総選挙と同時選挙となったと知事選挙に出馬した猪瀬氏がその一月前の11月に借り入れた5000万円の目的が選挙資金だったことは疑いようがない。それとも他に説明できる合理的な理由、たとえばマンション購入だとかといった事実がなければ下手な言い訳はしない方が良い。既に動かし難い過去の出来事だ。今更どのように言い繕うと真実を隠すことは不可能だ。 選挙絡みの借入金だとしたら、昨年12月までを会計年度とした2012年度政治資金収支報告書に「借入金」として記載がなければならない。たとえ猪瀬氏が個人的に徳田氏から借り入れたとしても、選挙資金への使途目的だったとしたら収支報告書に書き入れて選挙管理委員会に報告しなければならない。 しかしこの場合も5000万円が選挙資金目的だったとしたら東京都知事選挙に定める法定選挙資金の上限を超えるため、選挙違反は免れ得ない。ただ5000万円は妻名義の貸金庫に入れたまま一切手を付けていないとしたら、都知事選挙違反には問われないが、猪瀬氏が主張する借入金との言い訳は根拠のないものになる。 直ちに必要のないカネを借り入れる人はいない。しかも猪瀬氏が立候補した東京都でも総合病院事業を展開している医療法人から借り入れるとは不見識との誹りを免れない。 猪瀬氏が選挙資金目的で一憶円もの資金提供を徳田氏にもとめ、彼か