政権政党要人の発言とブロガーとは立場が異なる。
枝野氏の幼児性には驚きを禁じ得ない。幹事長代理といえば党の要人だ。それが中国を大衆の面前で悪し様に扱き下ろしてはいけない。いかに腹立たしかろうと、表現すべき文言は立場から自ずと制限がある。 中国といえども建前は法治国家だ。法に基づいて中国共産党が一党独裁政権を続けている。そこで法を捻じ曲げて共産党幹部や地方政府の高官が賄賂を公然と要求しているだけだ。そもそも法治国家でなければ賄賂という概念は存在しないはずだ。 ネットのブロガーが自分のブログで中国を「人治」国家だと表現するのは、そうした無原則な政治的・行政的状態を皮肉っていっているだけだ。それに悪乗りして政権党の要人たる枝野氏までも「中国は法治国家ではない」なぞと講演で述べるのは逸脱した行為だ。 さらに言えば、検察が政府の意向を忖度して「釈放した」というのはありうるかもしれない、とは何事だ。検察が政府の意向を忖度したかしないかすら、政党の要人は言及すべきではない。それが司法の独立性というものだ。忖度したということは政府の影響を司法が受けたということに他ならず、そうしたことはあってはならないことだし、司法当局をバカにしたことになる。 残念ながら枝野氏は責任ある立場に立つべき人物ではないと言わざるを得ない。余りに軽い発言はこの国に舌禍を招かないとも限らない。どのような力量があってこんにちの立場を獲得したのか詳らかには知らないが、民主党という政党には人物評価する規定なるモノすら存在しないのではないかと疑念を抱かざるを得ない。