不透明な大阪万博EVバス購入過程。
<国産といっていたのに中国で製造
「このような危ないバスを国民、市民の税金で買っておいて、半年ほど使った途端に廃車です。誰も責任をとろうとしない。こんなことが許されてはいけないと立ち上がりました」
こう憤るのは、東京都の男性・Aさんだ。手にしているのは大阪地検特捜部と検事総長への「告発状」。告発されたのは、大阪市高速電気軌道株式会社(大阪メトロ)の河井英明社長である。罪名は「背任罪」「補助金適格化法違反」だ。
大阪メトロは、大阪市が100%出資するいわば「大阪市民」の会社で、大阪の地下鉄や市バスを手がける。なぜ、Aさんは告発に踏み切ったのか。
昨年10月、大阪・関西万博が閉幕した。会場内や駐車場への輸送手段として使われた電気自動車バス(EVバス)は、開催中から事故を繰り返し安全性に問題があった。
「国産」とされたこのEVバスを運行していたのが大阪メトロだった。EVモーターズ・ジャパン(EVMJ社、本社・福岡県北九州市)を通じて導入した。
EVMJ社の元社員はこう語る。
「表向き、国産と言われていましたが、中国で製造し、ほぼ完成させた状態のEVバスです。それを日本に持ち込み、料金システムなどのみ、日本のEVMJ社の工場で設置作業した。言ってみれば、工場でちょっと化粧をして架装していただけです。実態は中国製でした。
中国でも、公道で走行できる強制製品認証制度(CCC認証)という安全基準を満たしていなかった。あくまで日本に輸出するということで製造許可を受けていた車両なのです」
このように、安全性が担保されないまま走行させたことが事故頻発の原因だったとみられる。
とても路線バスに使用できない不具合
2025年10月、国土交通省は道路運送車両法に基づき、EVMJ社に立ち入り調査を実施。その後、ブレーキなどに不具合があることが公表された。
大阪メトロは、万博関連で150台のEVバスを購入している。大阪市議会では、大阪メトロがEVバス150台を約75億1500万円で購入したことが明らかになっている。
そのうち、国土交通省、環境省など国からの補助金は約38億7000万円。大阪府と大阪市の補助金が約4億8000万円。大阪メトロの負担は約31億6000万円。
「大阪メトロ社長が背任罪で刑事告発された…不具合だらけの大阪万博「中国製のEVバス」は130台雨ざらし!67億円の特別損失で株主の大阪市も激怒」との記事に「やはり」との感が深い。なぜなら大阪万博開始以前でも、国産のEVバスは存在していたからだ。いすゞ自動車や日野自動車などは既にEVバスを製造販売していた。それにも拘らず、中国製EVバスを大量に購入して大阪万博で僅か半年使用しただけ、駐車場に捨てられている。万博後には路線バスに転用する、との触れ込みは何だったのか。
「このような危ないバスを国民、市民の税金で買っておいて、半年ほど使った途端に廃車です。誰も責任をとろうとしない。こんなことが許されてはいけないと立ち上がりました」
こう憤るのは、東京都の男性・Aさんだ。手にしているのは大阪地検特捜部と検事総長への「告発状」。告発されたのは、大阪市高速電気軌道株式会社(大阪メトロ)の河井英明社長である。罪名は「背任罪」「補助金適格化法違反」だ。
大阪メトロは、大阪市が100%出資するいわば「大阪市民」の会社で、大阪の地下鉄や市バスを手がける。なぜ、Aさんは告発に踏み切ったのか。
昨年10月、大阪・関西万博が閉幕した。会場内や駐車場への輸送手段として使われた電気自動車バス(EVバス)は、開催中から事故を繰り返し安全性に問題があった。
「国産」とされたこのEVバスを運行していたのが大阪メトロだった。EVモーターズ・ジャパン(EVMJ社、本社・福岡県北九州市)を通じて導入した。
EVMJ社の元社員はこう語る。
「表向き、国産と言われていましたが、中国で製造し、ほぼ完成させた状態のEVバスです。それを日本に持ち込み、料金システムなどのみ、日本のEVMJ社の工場で設置作業した。言ってみれば、工場でちょっと化粧をして架装していただけです。実態は中国製でした。
中国でも、公道で走行できる強制製品認証制度(CCC認証)という安全基準を満たしていなかった。あくまで日本に輸出するということで製造許可を受けていた車両なのです」
このように、安全性が担保されないまま走行させたことが事故頻発の原因だったとみられる。
とても路線バスに使用できない不具合
2025年10月、国土交通省は道路運送車両法に基づき、EVMJ社に立ち入り調査を実施。その後、ブレーキなどに不具合があることが公表された。
大阪メトロは、万博関連で150台のEVバスを購入している。大阪市議会では、大阪メトロがEVバス150台を約75億1500万円で購入したことが明らかになっている。
そのうち、国土交通省、環境省など国からの補助金は約38億7000万円。大阪府と大阪市の補助金が約4億8000万円。大阪メトロの負担は約31億6000万円。
約60%が税金から支出されているのだ。
大阪メトロは、EVバスを万博で使用後、路線バスに転換して、「万博のレガシーとして路線バスで自動運転も実施」すると吉村洋文知事は豪語していた。しかし、その目論見は暗転する。
国土交通省の立入検査では、全国で稼働していたEVバス317台のうち3割を超す113台で、ブレーキホースなどの部品の損傷の不具合が確認された。とても路線バスで使用できるものではないことがわかったのだ。
3月末、大阪メトロはEVMJ社との契約を解除して、返金を求める方針を発表した。EVMJ社は「契約の解除は認められない」と反発したが、4月14日に民事再生手続きを申請し、経営破たんした。約130台のEVバスは大阪市城東区の大阪メトロの敷地内で雨ざらし状態となっていた。
冒頭のA氏が提出した告発状を読み進めると、「国産」の触れ込みだったEVバスが「中国製」であることを大阪メトロは事前に知っていたという。告発状では、令和8年4月14日の大阪市会・Osaka Metro・シティバス連絡会議での河井氏の発言内容として、
「EVモーターズ・ジャパンのEVバスが日本の道路運送法に基づく、保安基準に準拠し、自社でEV車両の仕様を決め中国メーカーに製造を委託している」
とある。つまり、河井氏自身が「中国製」であることを半ば認めていたのだ。
認証を満たしていないことを把握
「現代ビジネス」は、その会議録を入手した。河井氏はここで、
「二次架装や最終点検は日本で行っていること、また将来的には、九州地区にて自社工場を設け、車両を製造していくとのことで、日本企業が製造しており、国産車と同等という認識」
とも語っている。
大阪メトロは、5月14日の決算発表でEVバスの路線バス転用を断念したことで67億円の特別損失を計上している。告発状はこの点をとらえて「背任罪」だと指摘している。
Aさんによれば、
「EVMJ社からEVバスを導入するにあたって、2022年の春から秋にかけて複数回、大阪メトロの役員が中国の委託工場まで足を何度も運んで確認しています。その時点でバス本体は中国製で、認証を満たしていないことを把握しているはずです。それでも安全性を無視して万博関連で150台、その後路線バスのために40台、合計190台ものEVバスを購入して大きな損失を計上している。明らかに経営判断を誤っており、背任罪に該当します」
また、大阪メトロは、「今後多くの企業が大型の国産電気バス導入を検討する際の車両運用や充電運用のモデルになる」と、あくまでEVバスが「国産」だとして補助金申請をしている。これは、大阪メトロが国や大阪府、大阪市に「虚偽」の事実を記したものであり、その点が「補助金適格化法違反」にあたるとAさんは告発状で訴えている。
西村康稔の「EVMJ社推し」
Aさんがつづける。
「河井氏は巨額の損失を出し、乗客やドライバーを危険な目にあわせていながら、6月末の株主総会では会長に昇格するといいます。なんら反省もなく、責任もとらず、目に余るものがある。
万博関連ですから、大阪府警に告発しようと思っていました。しかし、裏に大物政治家の影があったので検察への告発に切り替えた。SNSをみてもらえばよくわかる」
「EVMJ社推し」だったのは、当時、経産大臣だった西村康稔氏だ。西村氏は、万博開幕直後の2025年4月15日、EVMJ社のEVバスを日本企業製だとして、こう奨励している。
「経産大臣当時、大阪のバス会社が中国製EVバスの導入を進めていたことに危機感を持ち、日本企業製のバスの導入を奨励しました。民間の取引ですので強制はできませんが、最終的に会場内・駐車場からのシャトルバスは約100台全て日本企業のEVMJ製造のバスに、桜島駅からのシャトルバス約100台のうち約3分の2が日本企業のEVMJといすゞ製造のバスとなっています。全体で約9割が日本企業製造のバスです」
2023年2月には、経産大臣の西村氏自ら北九州市のEVMJ社を訪問している。大阪市議のB氏はこう指摘する。
「当初、EVバスの採用を巡っては、実績のある別の中国企業の名前があがっていた。それが、2022年11月に西村氏と吉村知事が会談して、EVMJ社に変わったのではないかという疑惑もささやかれている。EVMJ社の導入経緯があまりにも不透明だ」
これまでEVバス問題に消極的な姿勢だった大阪市の横山英幸市長も、いまやこう不快感をあらわにしている。
「EVバスの購入について検証と報告を求めてきた。6月末の株主総会には報告が間に合わないと大阪メトロは連絡してきた。これだけ大きな話題になっており、手続きが遅い」
国土交通省の立入検査から半年以上が経過して検証すらできない、大阪メトロと大阪市。国民の税金が毀損されており、株主は大阪市民。うやむやにされる前に、刑事事件として早急に捜査されるべきである>(以上「現代ビジネス」より引用)
大阪メトロは、EVバスを万博で使用後、路線バスに転換して、「万博のレガシーとして路線バスで自動運転も実施」すると吉村洋文知事は豪語していた。しかし、その目論見は暗転する。
国土交通省の立入検査では、全国で稼働していたEVバス317台のうち3割を超す113台で、ブレーキホースなどの部品の損傷の不具合が確認された。とても路線バスで使用できるものではないことがわかったのだ。
3月末、大阪メトロはEVMJ社との契約を解除して、返金を求める方針を発表した。EVMJ社は「契約の解除は認められない」と反発したが、4月14日に民事再生手続きを申請し、経営破たんした。約130台のEVバスは大阪市城東区の大阪メトロの敷地内で雨ざらし状態となっていた。
冒頭のA氏が提出した告発状を読み進めると、「国産」の触れ込みだったEVバスが「中国製」であることを大阪メトロは事前に知っていたという。告発状では、令和8年4月14日の大阪市会・Osaka Metro・シティバス連絡会議での河井氏の発言内容として、
「EVモーターズ・ジャパンのEVバスが日本の道路運送法に基づく、保安基準に準拠し、自社でEV車両の仕様を決め中国メーカーに製造を委託している」
とある。つまり、河井氏自身が「中国製」であることを半ば認めていたのだ。
認証を満たしていないことを把握
「現代ビジネス」は、その会議録を入手した。河井氏はここで、
「二次架装や最終点検は日本で行っていること、また将来的には、九州地区にて自社工場を設け、車両を製造していくとのことで、日本企業が製造しており、国産車と同等という認識」
とも語っている。
大阪メトロは、5月14日の決算発表でEVバスの路線バス転用を断念したことで67億円の特別損失を計上している。告発状はこの点をとらえて「背任罪」だと指摘している。
Aさんによれば、
「EVMJ社からEVバスを導入するにあたって、2022年の春から秋にかけて複数回、大阪メトロの役員が中国の委託工場まで足を何度も運んで確認しています。その時点でバス本体は中国製で、認証を満たしていないことを把握しているはずです。それでも安全性を無視して万博関連で150台、その後路線バスのために40台、合計190台ものEVバスを購入して大きな損失を計上している。明らかに経営判断を誤っており、背任罪に該当します」
また、大阪メトロは、「今後多くの企業が大型の国産電気バス導入を検討する際の車両運用や充電運用のモデルになる」と、あくまでEVバスが「国産」だとして補助金申請をしている。これは、大阪メトロが国や大阪府、大阪市に「虚偽」の事実を記したものであり、その点が「補助金適格化法違反」にあたるとAさんは告発状で訴えている。
西村康稔の「EVMJ社推し」
Aさんがつづける。
「河井氏は巨額の損失を出し、乗客やドライバーを危険な目にあわせていながら、6月末の株主総会では会長に昇格するといいます。なんら反省もなく、責任もとらず、目に余るものがある。
万博関連ですから、大阪府警に告発しようと思っていました。しかし、裏に大物政治家の影があったので検察への告発に切り替えた。SNSをみてもらえばよくわかる」
「EVMJ社推し」だったのは、当時、経産大臣だった西村康稔氏だ。西村氏は、万博開幕直後の2025年4月15日、EVMJ社のEVバスを日本企業製だとして、こう奨励している。
「経産大臣当時、大阪のバス会社が中国製EVバスの導入を進めていたことに危機感を持ち、日本企業製のバスの導入を奨励しました。民間の取引ですので強制はできませんが、最終的に会場内・駐車場からのシャトルバスは約100台全て日本企業のEVMJ製造のバスに、桜島駅からのシャトルバス約100台のうち約3分の2が日本企業のEVMJといすゞ製造のバスとなっています。全体で約9割が日本企業製造のバスです」
2023年2月には、経産大臣の西村氏自ら北九州市のEVMJ社を訪問している。大阪市議のB氏はこう指摘する。
「当初、EVバスの採用を巡っては、実績のある別の中国企業の名前があがっていた。それが、2022年11月に西村氏と吉村知事が会談して、EVMJ社に変わったのではないかという疑惑もささやかれている。EVMJ社の導入経緯があまりにも不透明だ」
これまでEVバス問題に消極的な姿勢だった大阪市の横山英幸市長も、いまやこう不快感をあらわにしている。
「EVバスの購入について検証と報告を求めてきた。6月末の株主総会には報告が間に合わないと大阪メトロは連絡してきた。これだけ大きな話題になっており、手続きが遅い」
国土交通省の立入検査から半年以上が経過して検証すらできない、大阪メトロと大阪市。国民の税金が毀損されており、株主は大阪市民。うやむやにされる前に、刑事事件として早急に捜査されるべきである>(以上「現代ビジネス」より引用)
「大阪メトロ社長が背任罪で刑事告発された…不具合だらけの大阪万博「中国製のEVバス」は130台雨ざらし!67億円の特別損失で株主の大阪市も激怒」との記事に「やはり」との感が深い。なぜなら大阪万博開始以前でも、国産のEVバスは存在していたからだ。いすゞ自動車や日野自動車などは既にEVバスを製造販売していた。それにも拘らず、中国製EVバスを大量に購入して大阪万博で僅か半年使用しただけ、駐車場に捨てられている。万博後には路線バスに転用する、との触れ込みは何だったのか。
それだけではない。大阪万博には多くの外国人も来ていたが、彼らに日本製EVバスを印象付けることもなく、中国製EVバスの宣伝を大阪万博が果たしてことになる。大阪万博は何のために開催したのか。大阪府知事に見解を問いたい。
大阪メトロがEVMJ社のバスを購入することにした経緯も不自然なようだ。当時の経産大臣が大きく関与していたのは引用記事を一読すれば良く判る。またその経産大臣はEVMJ社のEVバスが日本の運行基準を満たしていないのを知っていた節がある、という。
また府知事も経産大臣の方針に従ってEVMJ社のEVバスに決めたようだが、巨額契約にも拘らずその経緯も不透明だ。ただ大阪メトロの役員は何度も中国の委託工場まで足を何度も運んで確認して、その時点でバス本体は中国製で、認証を満たしていないことを把握しているはずだ、という。そうした日本の安全基準を満たしてないEVバスを購入して大阪万博で観客の移動に運用していたことは事業主体として法的責任は免れない。
そして大阪万博終了後、果たして運行安全基準を満たしてないEVMJ製EVバスを大阪市営バスとして使用できないで野ざらしになっている。大阪メトロがEVMJ製EVバス購入にあたって国土交通省、環境省など国からの補助金は約38億7000万円。大阪府と大阪市の補助金が約4億8000万円の「税金」が支出され、大阪メトロも約31億6000万円を支出している。
それらの巨額予算を投じたEVバスが大阪万博終了後は運行されず、巨額予算が無駄になっている。その責任ある立場の者が責任を取るのは当然のことだ。不透明なEVMJ製EVバス購入決定までの経過と、そのバスが運行安全基準を満たしてないことを知りながら大阪万博で営業運行したこと等、問われるべき責任は多岐に渡り、その責任もまた重大だ。
実際に補助金を支出した関係省庁や大阪府と大阪市の担当者もいかなる検査を実施して補助金支出を決定したのか。まさか当時の経産大臣のツルの一声で決定したわけではないだろう。ことに大阪府と大阪市は議会審議を経て決定したはずだ。議会に如何なる資料を提出して、如何なる審議を経て決定したのか、それぞれの議会当局からも事情聴取すべきだ。
執行部の監視機関たる議会がその機能を喪失しているとしたら、由々しき問題だ。地方議会議員ですら「与党」とか「野党」と云った色分けがなされているようだが、地方議会は大統領制に近く、国会が議院内閣制を採っているのとは決定的に異なる。地方議会は市民側に立って執行部の監視機関であるべきだ。そうした機能を議会が持たないとするなら、地方議会議員の存在意義はない。彼らの責任もまた問われるべきではないだろうか。