トランプ氏はモグラ叩きを続けて、イラン革命防衛隊が音を上げるのを待てば良い。

<米中央軍は26日、原油輸送の要衝ホルムズ海峡でイランが25日に行った商船攻撃への報復として、イランのミサイルや無人機の格納施設などを攻撃したと発表した。これに先立ちトランプ大統領はSNSで「(商船攻撃は)明らかに愚かな停戦違反だ」と非難した。

 戦闘終結を定めた覚書が17日に発効して以降、米軍がイランを攻撃するのは初めて。トランプ氏は最終合意の交渉への影響には言及しなかったが、一時停戦の不安定さを露呈した形だ。
 中央軍によれば、シンガポール船籍の貨物船は25日、同海峡のオマーン沿岸を航行中に無人機攻撃を受けた。トランプ氏によると、イランは少なくとも4機の無人機を発射。1機が貨物船のデッキに直撃し、米軍が3機を撃墜した。
 一方、イラン側は反発している。同国国会の安全保障・外交政策委員会のアジジ委員長は27日、X(旧ツイッター)への投稿で、米軍の報復攻撃を「無謀な停戦違反だ」と批判。詳細は不明ながら、イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」は湾岸地域の米軍拠点に報復攻撃を加えたと主張した>(以上「時事通信」より引用)




 イラン革命政府は全土を完全に掌握しているわけではない。彼らの近衛兵だったイラン革命防衛隊が経済権益を握って以来、立場が逆転してしまったままだ。「イランが「愚かな停戦違反」 商船に無人機、米軍は報復―トランプ氏」と停戦合意に違反して、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡を通過しようとする船舶を攻撃しているようだ。
 日本の諺に「飼い犬に手を噛まれる」と云うのがあるが、まさにイラン革命政府は飼い犬に手を嚙まれている。パーレビ国王を追放して、イラン革命政府を樹立した過程で近衛兵を必要としたのは確かだ。パーレビ体制を支えていた国軍はイラン革命当時は「中立」だったからだ。

 革命政府を樹立してから、イラン国軍は国境守備に回されて、首都テヘランや原油関係施設から遠ざけられた。そしてイラン革命政府がオイルマネーを潤沢に使ってイラン革命防衛隊を手懐けている内に、石油利権をイラン革命防衛隊に奪われて立場が逆転してしまった。
 そうした過程は日本史上でも同様の例がある。貴族が支配していた平安期に、貴族が所有する荘園を夜盗から守るために武力集団を雇用した。その内、武力集団が次第に勢力を持ち始めて荘園を乗っ取るようになった。源氏や平家といった武家棟梁の出現があって、武士が貴族社会に浸透して力関係の逆転をもたらした。

 イラン革命防衛隊は武力を有している。だからイラン国民を人質に取り、ホルムズ海峡を人質にとって国際社会を相手に大立回りを演じている。彼らにとって北朝鮮を手本にするまでもなく、核兵器を手中に収めたなら世界無敵となる。中東のイラン革命防衛隊ではなく、世界を人質にとって米国を脅すことだって可能だ。
 だからイラン革命政府が停戦協議の席に着くのを何としてでも阻止したい。云うことを聞かない閣僚は殺害すれば済む話だ。それこそ「ジハード」と唱えれば、すべてが正当化される。

 イラン革命防衛隊がホルムズ海峡へ向かっている船舶をミサイル攻撃したという。それに対して、米軍がミサイルや無人兵器の倉庫を空爆したという。イラン革命防衛隊が船舶を攻撃すれば、直ちに米軍は監視している偵察衛星から情報を得て、イラン革命防衛隊の倉庫などの座標を特定し、ピンポイントで爆撃する。今後とも、こうしたイタチごっこが何度か起きるだろう。
 しかし確実にオマーン湾へ向かって、多くの船舶がホルムズ海峡に殺到している。日本関係の船舶だけでも36隻がオマーン湾へ向かっている。乗船していた日本人乗組員は全員無事にペルシャ湾から脱出したという。

 オールドメディアが「ナフサは六月に詰む」と無責任な発言を繰り返していたが、現実は六月のナフサ調達量は例年の180%に達しているという。ナフサ不足どころか、ナフサ不足を見越して買いだめした中間業者がナフサで一儲けするどころか、買い溜めしたナフサをいかにして捌かすかに頭を悩ますことになる。
 断っておくがナフサ(粗製ガソリン)は揮発しやすく酸化して変質しやすいため、数週間から数か月以内の使用が推奨される。特に化学原料として使用する場合、長期保管すると不具合の原因になる。使用推奨期間は灯油や軽油(6か月)よりも短く、一般的に「数週間から数か月以内」とされている。

 これからも紆余曲折があるだろうが、イラン戦争は終結に向かって着実に進展する。なぜならイラン国民の忍耐も極限に達しているからだ。イランは水だけでなく、食糧不足も深刻になっている。イラン革命防衛隊の「強硬派」もテロ行為を断続的に続ければ、兵員や武器も断続的に米軍の反撃にあって損耗する。損耗した兵器の補給はまず見込めない。そのうえ戦費調達も途絶している。トランプ氏はモグラ叩きを続けて、イラン革命防衛隊が音を上げるのを待てば良い。

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