アラブ人の未来はアラブ人が決める。

<イスラエルとレバノンの親イラン武装組織ヒズボラが、現地時間19日午後4時(1300GMT)からの停戦で合‌意した。

 米政府高官がロイターに明らかにした。 高官は匿⁠名を条件に「ヒズボラとイスラエルが停戦に合意した」とし、米国とカタールの交渉担当者がイランの協力を得て今​回の合意をまとめたと述べた。その上で「きょう交戦があったが、イスラエルとヒズボラは現在は停戦‌状態にあると理解している」と語った。 
 イスラエル高官とヒズボラ関係者2人もロイターに対し、停戦が実施されたことを確認し‌た。イスラエル高官は「ヒ‌ズボラが攻撃してこなければ、われわれにと​って戦時下ではない」と述べた。 
 イスラエル軍報道官は、合意を尊重し、同国指‌導部の指示に従い行動すると述べた。同時に、イスラエル国民がヒズボラの脅威にさらさ‌れている限り、イスラ​エル軍は「緩衝地帯」に留まり、脅威に対して行動す‌る自由を有するとした。 ただ、停戦発効予定時刻から1時間近くたった後も、イスラ⁠エル北部にいるロイター記者は国境を越えたレバノン側でイスラエルによる攻撃が続いている様子を確認した。国境近くのレバノンの村の背後からは煙⁠が立ち上った。
  レバノンの治安当局筋2人によると、​イスラエルは停戦‌発効後最初の1時間に12回の空爆を実施した。午後5時以降は、空爆の報告はない。
 イスラエル軍当局者は、午後5時以降に攻撃はなかったと確認しつつも、⁠午後4時以降に12回攻撃を行ったことは否定した。
  レバノン保健省に⁠よると、同日未明以降、イスラエルの空爆でレバノンでは少なくとも47人が死⁠亡した。イスラエルはレバノン南部で兵士4人が死亡したと発表しており、ヒズボラ‌による攻⁠撃としては今回の戦闘で最も死者の多いものの一つとなっ​た。 米国とイランの和平合意公表当初は戦闘が収まったものの、今週に入り再び激化していた>(以上「REUTERS」より引用)




イスラエルとヒズボラ、停戦で合意 19日発効」というニュースが報じられた。イスラエルによるレバノン攻撃と、ヒズボラによるイスラエルへのミサイル攻撃が繰り返されてきたが、両者間で停戦合意が発効したという。
 イランとの停戦「合意」に従わないネタにエフに対して、トランプ氏が電話で「イスラエルが(イランやハマスやヒズボラを)攻撃し続けるなら、イスラエルは孤立するだろう」と脅したのが、効いたようだ。米国の支援無くしてイスラエルの存続はあり得ないからだ。
 ただイスラエルとヒズボラが「停戦合意が発効」しているとは到底いえない現状だ。それは今週に入ってイスラエルとヒズボラの応報が激化していたからだ。しかし突如として停戦合意が発効したという。両者の間に何らかの交渉チャンネルが存在していたのだろうか。

 イスラエルとレバノンのシーア派武装組織ヒズボラの歴史は、1982年のイスラエルによるレバノン侵攻に対する抵抗運動としてヒズボラが誕生して以来、40年以上にわたる対立と武力衝突を繰り返してきた。その歴史を振り返ると以下の通りだ。
1. ヒズボラの誕生(1982年)
 1982年、イスラエル軍はパレスチナ解放機構(PLO)の武装勢力を排除するためレバノンへ侵攻した。この侵攻を機に、イランの支援を受けたレバノンのイスラム教シーア派勢力が結集し、武装組織「ヒズボラ(神の党)」が結成された。

2. 南レバノン紛争(1982年〜2000年)
 イスラエルはレバノン南部を「緩衝地帯」として占領し続けた。ヒズボラはこれを不当な占領としてゲリラ攻撃を展開した。この長期にわたる戦闘の末、イスラエルは2000年にレバノン南部からの撤退を余儀なくされた。

3. レバノン侵攻・第二次レバノン戦争(2006年)
 2006年7月、ヒズボラがイスラエルへ越境攻撃を行い、イスラエル兵を拉致・殺害したことを契機に大規模な戦争が勃発した。イスラエルはレバノン全土へ空爆を行い、ヒズボラもイスラエル北部へ大量のロケット弾を発射した。約1ヶ月の戦闘ののち、国連安全保障理事会決議1701号に基づき停戦した。 

4. シリア内戦への参戦(2011年〜)
 ヒズボラはアサド政権を支援するためシリア内戦に大規模に介入し、実戦経験を積むとともに軍事力を大幅に増強した。この間も、イランからヒズボラへ渡る兵器ルートを阻止するため、イスラエルはシリア国内やレバノンでヒズボラ関連施設への空爆を散発的に行った。

5. 2023年〜2026年の衝突激化
 パレスチナのハマスによるイスラエル奇襲(2023年10月)の翌日、ヒズボラはパレスチナとの連帯を表明してイスラエル北部への攻撃を開始し、両者は再び事実上の交戦状態に突入した。この紛争は長期化し、イスラエル軍によるヒズボラ司令官の暗殺やベイルートへの大規模空爆、レバノン南部での地上作戦、ヒズボラによるイスラエル奥地へのロケット攻撃などが常態化していた。

 イスラエルとヒズボラの紛争が今回の停戦合意で終息するとは思えないが、米国とイランの停戦協議により「イランはヒズボラやハマスやシーア派への援助を行わない」と確約され、それらへの資金と武器の支援が絶たれたなら、それらの組織は弱体化し自然消滅することになる。
 ヒズボラは紛争請負人というべき組織だが、それも潤沢な支援があってこそ存続が可能になる。支援が無くなれば組織は弱体化し、戦闘員は一人また一人と組織から去っていくだろう。米国とイランとの停戦協議の推移が、中東の未来を決める。イランの核開発放棄ももちろん重要だが、それと同じく中東の平和を考えるなら、イランが中東に手を出さないと確約させることが重要だ。アラブ人の未来はアラブ人が決める。ペルシャ人の国が関与してはならない、とイラン革命政府に宣言させる必要がある。

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