ベンセント財務長官はイラン原油の件が判明するまで、中国を信頼していたのか?

<ベセント米財務長官は14日、中国は戦時下に石油を買い占め、特定の商品の輸出を制限するなど、新型コロナ禍に医療物資​を買い占めたのと同様の行動があったとし、信頼できない国際パー‌トナーだと批判した。

 記者団に対し、この問題について中国当局者と話し合ったと述べた。5月中旬に予定されるトランプ大統領の訪中にこの対立が障害になるかとの質問には直接答えず、トラ​ンプ氏と中国の習近平国家主席は非常に良好な協力関係にあると述べた。
 対​中関係について「昨年の夏以来、両国関係は非常に安定してお⁠り、トップから隅々まで浸透している」とし、「コミュニケーションが鍵となると思​う」と語った。
 一方で、イラン戦争における中国の対応を批判。「中国は過去5年間で3度、信​頼できない国際パートナーだった。1度目は新型コロナウイルス感染症の流行時に医療製品を買い占めたこと、2度目はレアアース問題だ」と述べ、中国が昨年にレアアース輸出を制限する方針を​示したことに言及した。
 ベセント氏は、今回の局面で中国はホルムズ海峡封鎖で​生じた世界的な石油の供給不足を緩和するどころか、備蓄を増やしていると主張。中国はすで‌に、⁠国際エネルギー機関(IEA)加盟32カ国が保有する備蓄量とほぼ同規模の戦略石油備蓄を保有していたが、「それでも中国は購入・備蓄を続け、多くの製品の輸出を停止した」とした。
 在米中国大使館の劉鵬宇報道官は、世界のエネルギー市場が直面する不足​は「中東の緊迫した情​勢」に根差すもの⁠だと述べ、同地域での軍事作戦の即時停止を求めた。
国際通貨基金(IMF)、世界銀行、IEAは13日、各国に対し、エネルギー買いだめや輸出規制の​導入を避けるよう促した。ただし、具体的な国名は挙げな​かった。
 ベセント⁠氏は先に記者団に対し、米軍による今回の封鎖に伴い、中国の船舶などがホルムズ海峡を通過することは不可能になると指摘。「つまり、中国はイラン産の石油は入手できな⁠くな​るということだ」とした。中国はイラン産石油の90%以​上を購入しており、これは中国の年間購入量の約8%を占めているという。
 また、イラン紛争の終結と物価下落を予​想するとした上で、IMFと世銀は経済予測において過剰反応した可能性が高いとも述べた>(以上「REUTERS」より引用)




中国は「信頼できないパートナー」、戦時下に石油買い占め=米財務長官」とは、今更ながら驚く。そうするとベンセント財務長官はイラン原油の件が判明するまで、中国を信頼していたことになる。それは同盟国たる日本に対する背信行為ではないだろうか。
 中国の反米行為はこれだけではない。ウクライナに軍事侵攻しているロシアから大量の原油を購入してロシアの戦時経済を支えた。そしてロシア兵が消耗すると人民解放軍兵士1万数千名や砲弾やミサイルといった兵器をロシアに供与した。そうした事実をベンセント財務長官は熟知しているはずだが、それでも中国を信頼していたのだろうか。

 現在、中国がイラン革命防衛隊にミサイル燃料などを支援していたことが判明している。ロシアもイラン革命防衛隊にイランから供与してもらったドローン兵器「シャヘド」を逆供与したことも判明している。悪党たちが手を組んで西側諸国を攻撃している「構図」は誰の目にも明らかではないか。
 ことにイラン革命政府は中東でやりたい放題をして来た。宗教指導者の隠れ蓑を纏って独裁体制を敷き、オイルマネーを私物化すると同時にイラン国民を恐怖とイスラム教で支配して来た。まさに似非・宗教指導者だと批判するしかない。

 ベンセント財務長官だけではない。米国トランプ大統領も中国を信頼に足る国だと思っているのだろうか。敵であろうと味方であろうと、「信頼に足りる」政府だと人と認識しているのか、それとも「嘘ばかり」だと認識しているのかは重要だ。
 トランプ氏の日本に関する物言いは、果たして日本を信頼に足る国だと認識しているのか。疑わざるを得ない言辞を、トランプ氏は不用意に吐く時がある。例えば今回のトランプ氏のホルムズ海峡へ艦艇派遣要請に対して日本政府の拒否回答に対する、トランプ氏の不満の表明だ。だが米国大統領なら日本国憲法の骨子くらいは承知しているはずではないか。そもそも米国こそが日本の再軍備の芽を徹底的に摘み取った張本人ではないか。憲法九条などの規定がある限り、日本は専守防衛用の軍備を外国へ派遣することは極めて困難だ。

 ベンセント財務長官が中国を信頼できない国として、中国へイランから輸入している原油タンカーのすべてを止める。それにより中国は原油の全輸入量の8%を失うという。
 たったの8%かと思わない方が良い。需要に対してほんの1%でも供給不足があれば、どれほどのパニックが発生するか。需要に対して供給が足りない、という事実が暴走して便乗値上げや買い占めが起きる。ただ、それは自由市場社会でのことであって、社会主義・統制経済の中国で、いかなる反応が起きるかは想定できない。強権により供給不足を民間への供給削減で乗り切るかも知れない。

 だが中国は信頼できない国だと米国政府が認識したなら、米国の今後の外交政策も変わるだろう。トランプ氏はNATOや同盟国に対して負担ばかり求めてきた。しかし味方に冷たくすれば西側諸国に対する艦艇派遣要請が無視される、という事態を招く。
 ホルムズ海峡の管理に対しても、米国任せにするのではなく、NATO諸国で管理しよう、とする動きが出ている。トランプ氏の外国政策がモノ言う西側諸国に変えてしまった功罪を、トランプ氏は味わうことになる。誰に対しても遠慮なく強い態度で接してきたツケをトランプ氏は払わなければならないだろう。

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