イラン当局を代表して、誰が「全権」として停戦協議の場に出て来るのか。

<トランプ米大統領は24日、仲介国パ​キスタンで行われるイ‌ランとの協議について、イランは米国の要求に応えること​を目的とした提案を行​うとの見方を示した。
 トラン⁠プ氏はロイターの電話​インタビューに対し、イラ​ンは協議を望んでおり、合意が可能かどうかを探っているとの​考えを示し、「イラン​は提案を出そうとしている。あとは‌様子⁠を見るしかない」と述べた。
 米国はイランとの協議にウィットコフ中東担当特使とトラ​ンプ大統​領の⁠娘婿ジャレッド・クシュナー氏をパキス​タンの首都イスラマバ​ード⁠に派遣する。
 パキスタン外務省によると、イランの⁠アラ​グチ外相は米国と​協議に参加するため、すでにイスラ​マバードに到着している>(以上「REUTERS」より引用)




 イラン当局は米国との停戦協議に前向きではなかった。それは米国が断固として3条件を譲らないからだ。それは1,核開発を諦める。2,現政治体制の転換3,ホルムズ海峡の航行の自由、の3条件だ。それら3条件は一つとして米国は譲らない、とトランプ氏は強硬な姿勢に徹してきた。  
 それに対して、イラン革命政府は一つとして譲ることはない。徹底的に戦うし、米軍がイランを攻撃すれば湾岸諸国の原油施設や水生成プラントを破壊する、と脅していた。しかし、イラン革命防衛隊に残された時間は少ない。なぜならホルムズ海峡を逆封鎖されて食糧輸入が止まっているからだ。もちろん原油輸出も停止して、イランの港から幽霊船で中国へ向かっていたコンテナ船も米海軍駆逐艦によって停船させられた。

 イラン国内では米イによる攻撃以来40%近く物価が高騰して、1ドル160万リアルという想像を絶する事態になっている。もちろんテヘランなどの大都市以外でも市民によるデモが発生して、体制転換を求めている。1月の国民的なデモに対しては重機関銃でデモ隊を大虐殺したが、現在のデモに対して今のところ軍が銃器で鎮圧したとの情報はない。
 だが、実質的にイラン革命政府は国民により選出された大統領が統治しているのではなく、姿を一切あらわさない宗教指導者モジタバ師が政権を維持しているのでもない。実権はイラン革命防衛隊が握っているという。国軍は予算などの大幅削減により弱体化され、イラン革命防衛隊に対抗できる勢力ではないようだ。

 「トランプ氏、イランが対米要求に応じる可能性示唆 25日に協議」とのニュースが報じられた。いよいよイラン革命防衛隊は腹を括って条件闘争に入ったのだろうか。前回の停戦会談以後、公の場から姿を消したアラグチ外相は出て来るのだろうか。
 昨日ホワイトハウスの記者会見で「核兵器を使うのか」と尋ねられて、トランプ氏は笑いながら否定していた。愚かな質問をした記者はイランの現状を全く知らないのだろう。核兵器を使うどころか、通常兵器で発電所などを破壊するまでもなく、イラン当局は白旗を用意している。ただイラン当局を代表して、誰が「全権」として停戦協議の場に出て来るのか。そこに関心が集まる。

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