訪中を競う欧州諸国は中国に何を求めているのか。
<ドイツのメルツ首相が25日、就任後初めて訪中し、北京で習近平国家主席と会談した。西半球重視の「ドンロー主義」を掲げ、欧州軽視が顕著なトランプ米政権との関係悪化を背景に、中国に接近して経済関係を強化しようと、欧州首脳の「中国詣で」が相次ぐ。習政権にとって欧米の離反は願ってもない好機で、欧州の取り込みに懸命だ。
「世界が混乱すればするほど、中独両国は戦略的な意思疎通を強化すべきだ」 中国国営中央テレビによると、25日、北京でメルツ氏と会談した習氏はこう強調し、秋波を送った。メルツ氏と李強首相との会談では2国間関係の深化で一致したという。
メルツ氏は26日には人工知能(AI)やロボット産業の先進地、浙江省杭州市を訪れる予定。地元企業幹部らを引き連れて訪中したメルツ氏への中国側の厚遇ぶりは明らかだ。
「世界が混乱すればするほど、中独両国は戦略的な意思疎通を強化すべきだ」 中国国営中央テレビによると、25日、北京でメルツ氏と会談した習氏はこう強調し、秋波を送った。メルツ氏と李強首相との会談では2国間関係の深化で一致したという。
メルツ氏は26日には人工知能(AI)やロボット産業の先進地、浙江省杭州市を訪れる予定。地元企業幹部らを引き連れて訪中したメルツ氏への中国側の厚遇ぶりは明らかだ。
中国には欧州首脳の訪中が相次いでいる。昨年12月にはフランスのマクロン大統領、今年1月は英国のスターマー首相とアイルランドのマーティン首相、フィンランドのオルポ首相が相次いで訪問。スペインのサンチェス首相も年内に訪中すると報じられている。
背景には欧米関係の悪化がある。トランプ政権は同盟国である欧州に対しても関税を強化し、ドイツも基幹産業の自動車などが打撃を受けた。この影響で、2025年には米国を抜いて中国がドイツの最大の貿易相手国となった。
背景には欧米関係の悪化がある。トランプ政権は同盟国である欧州に対しても関税を強化し、ドイツも基幹産業の自動車などが打撃を受けた。この影響で、2025年には米国を抜いて中国がドイツの最大の貿易相手国となった。
さらに、今年に入ってトランプ氏はデンマーク自治領グリーンランドの領有を目指す姿勢を強め、欧州側が強く反発。米国との溝は深まり、欧州各国は経済面で中国との関係を強化してバランスを取ろうとしている。
中国側には、3月末に想定されるトランプ氏の訪中を前に、できるだけ欧州を引き寄せて、交渉を有利に進めたい思惑もある。中国は韓国、カナダとも関係改善を進めており、「米国の振る舞いが中国を利している面は否定できない」と北京の外交関係者は指摘する。中国は対立を深める日本について、外国首脳らとの会談で繰り返し非難して孤立させようとしている。 ただ、欧州各国は中国の輸出攻勢で貿易赤字が拡大しており、経済摩擦も強まっている。昨年11月に台湾の蕭美琴副総統が欧州連合(EU)欧州議会で演説した際に中国側が強く反発するなど台湾問題でも溝は深く、関係が一本調子で改善するかは見通せない>(以上「西日本新聞」より引用)
「欧州首脳の訪中相次ぐ 背景に米国不信…習政権に願ってもない好機」との記事に慨嘆する。イギリス首相やフランス大統領の訪中に次いでドイツのメルツ首相が25日訪中した。彼らは中国と協力し合うことが自民の対外リスクを少なくする道だと考えているのだろうか。
中国側には、3月末に想定されるトランプ氏の訪中を前に、できるだけ欧州を引き寄せて、交渉を有利に進めたい思惑もある。中国は韓国、カナダとも関係改善を進めており、「米国の振る舞いが中国を利している面は否定できない」と北京の外交関係者は指摘する。中国は対立を深める日本について、外国首脳らとの会談で繰り返し非難して孤立させようとしている。 ただ、欧州各国は中国の輸出攻勢で貿易赤字が拡大しており、経済摩擦も強まっている。昨年11月に台湾の蕭美琴副総統が欧州連合(EU)欧州議会で演説した際に中国側が強く反発するなど台湾問題でも溝は深く、関係が一本調子で改善するかは見通せない>(以上「西日本新聞」より引用)
「欧州首脳の訪中相次ぐ 背景に米国不信…習政権に願ってもない好機」との記事に慨嘆する。イギリス首相やフランス大統領の訪中に次いでドイツのメルツ首相が25日訪中した。彼らは中国と協力し合うことが自民の対外リスクを少なくする道だと考えているのだろうか。
イギリスは米国との親密な関係にあり、アジアで行われた米国主導の軍事演習にも空母を派遣した。もちろん日英伊で次世代戦闘機F-3の開発を行っている関係もある。そうした西側諸国との関係を維持しつつ、中国とも関係を深めるのは如何なものだろうか。もちろん香港返還に際して約束した「一国二制度」を中共政府が反故にした経緯に関して、英国政府は無関心なのだろうか。
フランスは何かにつけて欧州の異端児的振舞いを行っているが、トランプ関税を強行している米国とのバランスを取ろうとしているのか、フランス大統領マクロン氏は中国に御執心のようだ。 2019年以降、両国は高レベルな実務協力を継続し、戦略的パートナーシップを締結して頻繁な首脳会談(電話会談含む)を行っている。
しかしドイツに到ってはメリケル元首相の時代に中国との関係を深化させ、抜き差しならない経済関係になっている。フリードリヒ・メルツ首相は25日、就任後初めて中国を公式訪問し、習近平国家主席や李強首相と会談した。メルツ氏は会談後、中国との大きな貿易不均衡について「健全ではない」と記者団に述べた。
ドイツ連邦統計局によると、同国の中国からの輸入額は昨年、中国への輸出額の2倍以上に達している。メルツ氏は、この5年間で「4倍」に膨らんだ「貿易赤字を縮小する」方法を模索したいと述べたという。また、ウクライナでの戦争終結に向けて、中国政府がその影響力をロシア政府に対して行使するよう求めたことも明らかにした。
ドイツ連邦統計局によると、同国の中国からの輸入額は昨年、中国への輸出額の2倍以上に達している。メルツ氏は、この5年間で「4倍」に膨らんだ「貿易赤字を縮小する」方法を模索したいと述べたという。また、ウクライナでの戦争終結に向けて、中国政府がその影響力をロシア政府に対して行使するよう求めたことも明らかにした。
ドイツは「デカップリング(分断)」ではなく「デリスク」を 中国との関係を完全に断つのではなく、極端な依存度を引き下げようとしている。そのため 中国からの原材料や中間財の輸入に偏ったサプライチェーンを見直し、東南アジアや他の地域へ分散させ、ドイツ企業の懸念材料である輸出規制の不透明性や手続きの長さ(ライセンス承認の遅れ)を改善し、円滑な対中輸出をサポートする、としている。また貿易赤字に関しては エアバスの航空機受注(約120機)のような大型案件を推進し、一時的ながら輸出額の底上げを図るつもりのようだ。
しかし中共政府は対米貿易不均衡の打開策としてボーイングが最大500機規模の販売契約(2017年以来の大型)一旦は大量購入契約が進むも、トランプ政権の関税強化(2025年4月)に対する報復措置として納入・受注が停止され、その後、関税の緩和(2025年5月)を受けて制限が解除される」というサイクルを繰り返している。
ことほど左様に、中国の対外政策は安定を欠き、ことがある毎に激しく揺れる。だが2025年のドイツ企業の対中直接投資は、前年の45億ユーロから急増し、4年ぶりの高水準となる70億ユーロを超えた(1-11月速報値)。それは米との貿易摩擦などを背景に、自動車や化学などの大企業が中国現地でのサプライチェーン強化や再投資を優先しているようだ。しかし中国との経済関係が深化しすぎたため、中国経済が崩壊したならドイツはその影響を強く受けることが予想される。いわば時限爆弾を抱えているようなものだが、そうした関係からリリスキングすべきだが、実際はそうなっていない。
ドイツが誇る「ドイツ車」の殆どすべてが中国製になった現在、ホルクスワーゲンにしろベンツにしろポルシェにしろ、品質が低下しているのではないかと顧客から苦情が相次いている。EVから内燃機関とのHV生産に切り替えるにしても国内のすべてのエンジン製造設備を廃棄したため、エンジン製造工場をドイツ国内に新設する必要があり、中国との二重投資に陥っている。
しかし貿易不均衡を是正するためにもドイツ国内に製造業の復活を図るべきであり、ドイツ政府は対中政策との兼ね合いに苦慮するところだ。しかし中国経済崩壊は不可逆的な段階に入っていて、その影響を回避して最小限にするための回避行動を行うべき時に入っていることを認識すべきだ。中共政府のエアバスの大量購入契約も、米国の例を見るまでもなく、絵に描いた餅になりかねないことを認識しておくべきだ。デカップリングでもリリスキングでも何でも良い、中国との関係は少なければ少ないほど中国経済崩壊の衝撃波の影響を少なくできる。