プーチンの犯罪を国連は国際刑事裁判所に提訴せよ。

<ウクライナ当局が進める戦争犯罪捜査を支援する国際犯罪弁護士によると、ロシア軍司令官らがウクライナで兵士による性的暴行を認識し、時には奨励や命令さえしていたことを示す証拠が見つかっている。

 英弁護士のウェイン・ジョーダッシュ氏はロイターに対し、最も捜査が進んでいる首都キーウ周辺の地域では、一部の性的暴行にロシア軍の一定レベルの組織が関与していると話した。「組織的なレベルで計画されていたことを物語っている」という。
 ジョーダッシュ氏は、ウクライナに法的専門知識を提供する西側チームの一員。最近ウクライナが奪取した北東部や南部での捜査はまだ初期段階にあるため、こうした慣行がどれほど広がっていたかについて結論を出すのはまだ早いと同氏は話した。ただ、これまで発覚したパターンを見る限り、長期間にわたって占領されていた地域では、性的暴行が「もっと頻繁に行われていたかもしれない」と述べた。証拠は示していない。

 ロイターは、被害を受けた可能性がある人たちに協力している法執行機関の関係者、医師、弁護士など20人余りと、強姦された可能性がある人物1人、さらに別の被害者の家族らに話を聞いた。
 それによると、ウクライナのさまざまな場所でロシア軍が性的暴行を行った疑いがある。家族に暴行の様子を見るよう命じたり、複数の兵士が関わったり、銃口を向けて暴行したケースも多数あった。
 ロイターが独自に証言の裏付けを取ることはできなかった。国連に委託された捜査組織が先月公表した報告書にも、家族が強姦を目撃したなどの事例が記録されている。報告書によると、被害者の年齢は4歳から80歳以上に及んだ。
 ウクライナ北部チェルニヒウの地裁判決によると、ロシアの第80戦車連隊の兵士は3月、同地域で少女に繰り返し性的暴行を加え、家族を殺すと脅した。
 ジュネーブ諸条約は、強姦は戦争犯罪に該当し得ると定めている。また大々的、もしくは組織的な性的暴行であれば、より重いとされる「人道に対する罪」と見なされる可能性もあると、法律の専門家は話している。
 ロイターはロシア大統領府に対し、司令官が認識していたか、あるいは組織的だったかを含め、同国軍が性的暴行を働いた可能性について質問したところ、これを否定した。詳細な質問は国防省に問い合わせるよう指示されたが、同省から返答はない。

 ウクライナ検察総長の事務所は、ロシアのウクライナに対する戦争は「ウクライナ人を絶滅させるのが狙い」であり、性的暴行は「恐怖状態を敷き、ウクライナ国民の間に苦しみと恐れを引き起こすことを意図した」ものだとコメントした。
 プラミラ・パッテン国連事務総長特別代表(紛争下の性的暴力担当)はロイターに対し、家族の前での強姦や集団強姦、裸の強要などの証言に触れ、「性的暴行が戦争の武器として使われていた形跡がある」と述べた。

<白い敷物>
 ウクライナは、ロシア軍兵士による数万件の戦争犯罪容疑を捜査中としており、性的暴行はその一部にすぎない。今回の戦争に関しては、国際刑事裁判所(ICC)など複数の主体が戦争犯罪捜査を行っており、ウクライナによる捜査がその中心を成している。
 ICCの顧問でワシントン大学研究准教授のキム・シュイ・シーリンガー氏は、性的暴行が計画的なものだったことを示す証拠が見つかれば、組織的攻撃の一部だった可能性や、特定レベルの司令官が承知していた可能性が示されると言う。
 キーウ近郊の村に住む女性ビクトリアさん(42)はロイターに対し、3月にロシア軍部隊が到着した直後、ある兵士から白い敷物を家の外に吊すよう命じられたと話した。兵士はその夜、他のロシア人2人と一緒に彼女の家に戻ってきたという。
 そのうち1人がビクトリアさんに対し、兵士2人は酔っぱらい、楽しみたがっていると告げたという。その人物は兵士らよりずっと年上で、兵士らの呼び方からも司令官だったと考えればつじつまが合うと彼女は話した。
 ビクトリアさんによると、兵士2人は隣家に彼女を連れて行き、その家にいた女性とともに近くの家まで連行された。妻であるその女性を守ろうとした男性は、兵士の1人に射殺された。ビクトリアさんは強姦され、彼女と女性の家族によると、その女性も強姦された。
 家族によると、女性はウクライナから脱出しており、ロイターは連絡を取ることができなかった。
 ロイターが7月に村を訪れた際、男性が射殺されたという場所には飛び散った血が見て取れた。この事件の後、ビクトリアさんは泣くのを抑えきれなくなり、今でも大きな物音がするとびくびくするという。
 ポーランドの婦人科医、Agnieszka Kurczuk氏によると、同氏が世話をするウクライナ東部からの難民女性は、ロシア兵が村の女性らに白いベッドシートかタオルを吊すよう告げた後、9歳の娘がいるそばで強姦されたと話したという。
 ロイターは、こうした目印と強姦容疑に直接的な関係があるかどうか確認できなかった。

<被害者はさらに多い可能性>
 ロイターや国連の調査組織が集めた証言により、強姦と性的暴行の疑いはロシアがウクライナに侵攻した2月24日の直後から浮上していた。
 春にウクライナから脱出してきた女性7人の世話をしているポーランドの婦人科医Rafal Kuzlik氏と、心的外傷が専門の心理学者である妻のIwona Kuzlik氏はロイターに対し、彼女らからロシア兵に強姦された話を聞いたと語った。
 ウクライナの弁護士Larysa Denysenko氏は強姦被害者とされる9人の弁護をしており、うち7人は複数のロシア兵が関わったと主張している。一部は家族の前で殴られたり強姦されたりしたと供述した。
 ウクライナ検事総長の事務所は、ロシア兵による女性、子ども、男性に対する性的暴行に関し、数十件の刑事訴訟を始めたと明かした。
 ウクライナ当局やその他の専門家は、国の一部が依然占領されている上、被害者は往々にして被害を申し出ないため、その数は現在把握しているよりずっと多い可能性があると述べている。
 国連人権理事会の独立調査委員会が9月に発表した報告書では、記録された数十件の性的暴行容疑の大半はロシア軍メンバーによるもので、2件はウクライナの軍か法執行機関の関係者によるものだった>(以上「REUTERS」より引用)




 戦争に強姦は付き物だとされている。なぜなら戦争では殺人が国家の名によって正当化されているから強姦なぞモノノ数ではない、という考えだ。引用し記事はREUTERSの「焦点:ロシア軍の性的暴行「組織的」か、司令官認識との証言も」というものだ。
 それによると、ロシア兵のウクライナ女性に対する強姦はロシア軍を指揮する司令官も承知の上だというから驚く。少なくとも、将校たちには軍事国際法を兵士たちに遵守させる立場にある。それが部下の兵士たちがウクライナ女性に強姦するのを承知していたというのは
ロシアの犯罪は軍隊以前の段階だ。つまり強盗殺人集団でしかないということだ。

 戦争には一定のルールがある。戦時混載法に定められていて、戦争を行う者は従うことを求められている。もちろんロシアは国連常任理事国として、戦時国際法を批准している。戦争法違反でプーチンも国際刑事裁判所で裁かれるべき人物だが、彼の将兵の多くも強姦や強奪(ウクライナ人の家から白物家電や自動車などを強奪した)の犯罪に塗れている。
 プーチンの戦争はロシア人による犯罪のオンパレードだ。戦闘地域ではない民間アパートや学校、さらには病院をミサイル攻撃して非戦闘員の殺害はもとより、進軍した地域の民家に押し入って略奪の限りを尽くしている。そしてロシアが侵攻した地域では市民の虐殺を行った証拠まで出ている。

 強姦は欧米列強の帝国地主義時代には、植民地で日常的に行われていた。彼らは植民地の文化を破壊し言語の使用を禁じた。そして現地住民の男子を奴隷として使役し、女子を強姦して民族の絶滅を図った。インドでは混血児の男子を原住民を統制する兵士として使役した。その今月男子の呼び名がセポイで、インドで起きた「セポイの乱」として歴史にその名をとどめている。しかし先の大戦以後、被占領地の婦女子に対する強姦は明確な戦争犯罪だ。
 ロシア軍司令官は兵士たちの現地婦女子に対する強姦を容認しているという。まさにロシア軍が不埒なゴロツキ集団でしかない証拠ではないか。ロシア軍の大義も正義もないウクライナ侵攻だが、ロシア軍隊そのものが不埒なゴロツキ集団ならば、もはや国際世論はいかなる理由であれロシアを庇うことは正義に反する。

 記事によれば「ウクライナ検事総長の事務所は、ロシア兵による女性、子ども、男性に対する性的暴行に関し、数十件の刑事訴訟を始めた」という。極めて当然のことではないだろうか。国連は安全保障会議の名においてロシア軍の最高責任者プーチンを国際刑事裁判所に提訴すべきだ。ロシアが拒否権を行使するというのなら、ロシアを安全保障会議から排除し、ロシアから常任理事国の権利を剥奪すべきではないか。
 そうした正邪の判断すら出来ない国連ならば、日本政府は新しい国際組織の設立を提唱すべきではないか。五ヶ国が「常任理事国」として安全保障理事会を牛耳っているなど、国連はいつまで先の大戦の残滓を引き摺れば気が済むのか。ロシアの蛮行に無力な国連などモノの役に立たないお飾りでしかない。

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