ウクライナへの侵略戦争で核使用に言及したプーチン氏は終わりだ。

<化学兵器による攻撃はあったのか。5月9日の対独戦勝記念日に向けてロシア軍の攻撃が激しさを増している。南東部の激戦地マリウポリではウクライナの軍事組織が「ロシア軍から毒物による攻撃を受けた」と主張。ロシア側は否定しており真相は不明だが、いつ使ってもおかしくない。プーチン大統領の狙いは、ウクライナという国家そのものを消し去ることだとみられるからだ。どんな苛烈な攻撃を仕掛けても不思議ではない。
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「ロシア軍により壊滅的な攻撃を受けたキーウ北西の町・ブチャを6日に取材した時、驚いたことにロシア軍の物とおぼしきガスマスクが路上に放置されていました」
 こう話すのは、首都キーウ周辺で取材し続けるジャーナリストの田中龍作氏だ。ガスマスクはロシア軍の戦車の傍らに捨ててあったという。ブチャでは12日までに403人の遺体が発見されているが、まさか、ロシア軍は既に化学兵器を使っていたのか。化学兵器が発生させる毒ガスを回避するために、ロシア兵がガスマスクを装着したということなのか。
「ガスマスクを使用せずに捨てただけかもしれませんから、実際に化学兵器が使われたかどうかは分かりません。しかし、少なくともいつでも化学兵器を使える態勢にあるということではないかと思います」(田中氏)
 東部ドネツク州の一部を支配する親ロ派の民兵組織幹部は12日、マリウポリの製鉄所地下にウクライナ兵が隠れているとし、「モグラを穴からあぶり出すため、化学部隊に頼るべきだ」と言っていた。

「穀倉」「教育機関」を標的に
 ロシア軍に残虐兵器を使う意思があるのは間違いない。それに、攻撃対象を見ると、もはやプーチン大統領は、ウクライナという国家自体の殲滅を狙っているとしか思えないのだ。
「11日、キーウから西に47キロに位置するブザヴァ村を訪ねたのですが、驚いたのは、日本で言えば小中高が一緒になったような7~18歳の子供たちが通う学校が破壊しつくされていたことです。ロシア軍が村に滞在した約1カ月間で、100発以上の砲弾が学校に撃ち込まれたといいます。教室の壁には大きな穴が開き、子供たちが使っていた机や椅子は焼け焦げ、原形を保っていなかった。生徒たちは避難できたそうですが、彼らは学ぶ場所を失ってしまいました。国の未来を担う子供たちを狙うとは信じられません。国家そのものを破壊しようとしているのではないか」(田中氏)
 日刊ゲンダイは、12日発売号でロシア軍がダムの堤防を破壊し、ウクライナの主要な輸出品である小麦の畑を水の底に沈めた実態を報じた。基幹産業や教育機関への破壊行為は常軌を逸している。
 バイデン米大統領は、「(プーチン大統領は)『ウクライナ人』が存在し得るという考えすら一掃しようとしている」と発言したが、その通りなのかもしれない。今後、より危険な攻撃に打って出る恐れがある>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)



 やっと日刊ゲンダイ紙が気付いたようだ。プーチン氏のロシアがウクライナ侵略戦争で何を目指しているのかに、だ。それはウクライナ全土を焦土と化し、ウクライナ人をウクライナの地から一掃することだ。
 同時に、それは千万人単位で西欧へウクライナ難民が押し寄せることになり、NATO諸国を混乱と反目させる「一石二鳥」の策略だ。プーチン氏は他国民の領土を奪うこととは、そこに暮らす他国民を一掃することだと、日本の北方領土を火事場泥棒したスターリンが全島民を一掃した措置をお手本にしている。

 プーチン氏はウクライナで米英に仕掛けられた戦争を戦っている、と飛んでも論理を展開する似非・評論家たちは余りに非常識的に過ぎる。独裁者たちは常に絶対服従を求めるため、被征服者を根絶することが多々ある。プーチン氏がウクライナ人の子供たちを標的に幼稚園や学校を攻撃する様は習近平氏がウィグルでジェノサイドを演じていることと見事に符合するではないか。
 日本人の物差しで西洋史を見てはならない。日本人は戦争で勝ち取った地の住民を奴隷として使役した歴史がない。ましてや勝ち取った地の住民を皆殺しにした歴史もない。「焦土作戦」を日本史上で見るとしたら、織田信長の延暦寺焼き討ちくらいではないか。しかしそれですら延暦寺に巣食っていた僧兵を根絶やしにするためであった。

 NATO入りを表明したフィンランドに対して、ロシアはフィンランド国境に核兵器を配備しなければならなくなる、などと核でフィンランドを脅している。これこそヤクザの市民を脅すやり方と何処が異なるというのだろうか。
 プーチン氏と彼のロシアは地球の未来にとって、必ず「解体」されなければならない。彼らの存在を許すなら、独裁者たちは競うようにして核で脅すようになり、核使用の可能性を確実に高め、非核保有国の独裁者たちは競って核所有を熱望し、核が世界中に拡散する元凶となるだろう。そうしたことを確実に防止するために、プーチン氏は絶対的にロシア政権から排除されなければならない。同時に独裁国家としてのロシアの存続を許してはならない。なぜならロシア国民によってプーチン氏は大統領になったのだから。

 ロシアとウクライナの戦争は独裁専制国家と民主主義国家との戦いだ。卑怯にもNATO諸国はウクライナがNATOに参加していないという理由だけで、ウクライナへNATO軍の派遣を断っている。まさにウクライナは孤軍奮闘している。
 プーチン氏がいかに核兵器の使用に言及しようと、決してロシアを勝利させてはならない。プーチン氏が核のボタンを押したとしても、もう一人の核ボタンを託された者が常識的な判断をすると期待するしかない。いや、おそらくもう一人の核ボタンを託された者がプーチン氏の核兵器使用を止めるだろう。そうしなければ、全人類が核戦争に巻き込まれるからだ。一人の狂気に駆られた独裁者によって、全人類が絶滅の危機に立たされている。この罪悪を決して断罪しないで放置してはならない。たとえプーチン氏がこの戦争に勝利しようと、プーチン氏の終わりにしなければならない。

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